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フィスカ・オートモーティブ社の共同創始者ヘンリック・フィスカーの名前は、同社の経営者が交代した今、高級プラグインハイブリッドカーとして知られた「カルマ」から消えてしまった。しかし、フィスカー氏は同社を去って以降、彼の名を一躍有名にした自動車デザインの分野に戻りつつあり、すでにオートバイのコンセプト画フォード「マスタング」をベースにしたカーボンファイバー・ボディのカスタムカーを手掛けている。そして最新のプロジェクトでは、アストンマーティンの「ヴァンキッシュ」をベースにしたワンオフモデル「サンダーボルト」を製作するため、非公式で古巣に戻っていた。

カーボンファイバー製ボディを纏ったサンダーボルトは、米フロリダ州アメリア島で開催されたクラシックカーの祭典、アメリア・アイランド・コンクール・デレガンスで公開された。彼が最近手掛けたマスタングと比べると、今回のヴァンキッシュの変身ぶりはかなり控えめと言えるだろう。グリルがフロントエンド全体を占めるほどに大きくなっているが、アストンマーティンの伝統的なシェイプはそのままだ。フードにはパワードームとその両側に三角形のエアインテークが設けられている。横から見ると明らかにアストンマーティンだと分かるのだが、よりシャープで、より引き締まった印象だ。車高は15mm下げられ、ホイールは標準の20インチから21インチへとサイズアップされた。

大きく変わったのは後部で、両サイドを巻き込むようなリアウィンドウと、LEDを細いライン状に配置したテールランプが与えられている。インテリアには最高級レザーとカーボンファイバー素材が組み合わされ、パナソニック製の11.6インチ「カーブド・コントロール・スクリーン」が世界で初めて装備された。レザー・トリムはイタリアの家具メーカー、ナツッジによるもので、2人分のシートの背後には2本のワイン・ボトルを運ぶためのホルダーが装備されている。ダッシュボードに埋め込まれたスケルトン仕上げのクロノグラフは、スイスの時計メーカーであるモーリス・ラクロア製だ。



このサンダーボルトは、アストンマーティンからの協力や承認を得たものではなく、あくまでもデザイン・スタディを目的として製作された非売品なので、残念ながらどんなに懐が豊かでどんなに欲しいと願っても手に入れることは出来ない。だが、このデザインをベースにしたモデル(上の画像の赤い車両)が特別に限定生産されるとのことで、現在ギャルピン・モーターズの販売店「ギャルピン・アストンマーティン」で予約を受け付けている。この市販モデルでは、フロントグリルの形状が変更され両側にインテークが設けられるほか、パナソニック製のカーブ・スクリーンは装備されないという。

かつてアストンマーティンに在籍していたフィスカー氏は、「DB9」や「V8 ヴァンテージ」のデザイナーとして知られている。非公式かつ非常に限られた形であるとはいえ、このサンダーボルトでは再び同ブランドのデザイナーに返り咲いたようなものだ。サンダーボルトの画像を眺めながら、もし彼がまだアストンにいたら、どんなデザインのモデルが生み出されていたのだろうかと想像するのも一興だ。


By Chris Bruce
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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