クリーンディーゼルの排気は肺がんを引き起こさない、という研究結果が発表される
通常、ディーゼル・エンジンはガソリン・エンジンに比べてトルクが大きく、低燃費率でCO2の排出量も少ない。しかし、ディーゼルエンジンが我々の健康に与える影響についての不安が、年々高まってきている。2013年にオランダで発表された研究結果によると、米国と英国における肺がん死亡率の6%がディーゼルエンジンの排気ガスによるものだという。また、欧州委員会の調べによれば、ヨーロッパでは年間約42万人がディーゼル・エンジンの排気ガス汚染によって命を落としてしまうそうだ。

ところが最新の研究では、これらの健康問題は従来のディーゼル・エンジンによる排気が原因であり、新たに開発された近年のいわゆる"クリーンディーゼル"車は、格段に安全だとされている。空気汚染の人体影響について調べている米の医療研究機関「Health Effects Institute(HEI)」が発表した最新の報告書によると、新技術によるディーゼル・エンジンの排気(NTDE)に研究用のラットを長期間さらしても、肺がんを誘発するという結果は出なかったそうだ。

HEIが行ったAdvanced Collaborative Emissions Study(ACES)という研究では、黒煙除去フィルター(DPF)を採用し硫黄を低減した軽油を使用するという、米国環境保護庁が2007年に定めたクリーンディーゼル・エンジンがどれほど"クリーン"であるか、その効果を検査。研究用のラットをセミトラックなどの強力なパワートレインから排出されるNTDEにさらし、最長30ヶ月間、1日16時間、週に5日という3段階に分けて調査をした。

その結果、NTDEは肺ガンの原因とならないだけでなく、前がん病変や腫瘍の増加も見られないということが分かった。一方で肺組織への軽い影響が確認され、その原因は二酸化窒素の化合物とされた。ところが米国では、2010年以降に販売されているディーゼル・エンジンのNTDEには、含まれる二酸化窒素が著しく減少しているという。副作用が現れたラットは最新のものよりも古いディーゼル・エンジンを使って実験されたということだ。

今回の研究を行ったHealth Effects Instituteは、研究資金の半分を米国環境保護庁から、もう半分をゼネラルモーターズ(GM)フォードBMWホンダなど多くの自動車メーカーから調達しているという。研究データはPDFファイルでご確認いただける。


By Chris Bruce
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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