フォードは、12日に米デトロイトで開幕した北米国際自動車ショー 2015において、伝説的な名前を受け継ぐ新型スーパーカー「フォード GT」を発表した。

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フォード GTとはもちろん、1960年代に打倒フェラーリを目指してル・マン24時間レースに送り込まれたレーシング・スポーツの名前に由来する。わずか40インチ(1,016mm)という驚異的な車高の低さから「GT40」と呼ばれたこのマシンは1964年からスポーツカー選手権に参戦し、1966年にはル・マンで1位から3位を独占。それから1969年まで4連覇を達成する。国際的なレースで最も輝かしい成功を収めたアメリカン・スポーツの1台と言えるだろう。

来年2016年はル・マン初優勝にして完全勝利を遂げてからちょうど50年。新型フォードGTはこれを記念して、2016年後半から市販モデルの生産が開始されるという。



ボディはカーボンファイバー製

2003年にやはり同じフォードGTの名前で登場したスーパーカーが、1960年代のリメイクとも言えるほどそのスタイルを踏襲していたことに対し、今回の新型は僅かに過去とのつながりを感じさせるのみで、そのボディには現代的なデザインと素材が採用されている。フォードが「量産車で最も優れたパワー・トゥ・ウェイト・レシオになる」という軽量な車体は、カーボンファイバー製パッセンジャー・セルに、アルミニウム製の前後サブフレームを組み合わせた構造で、ボディ・パネルもカーボンファイバー製だ。航空機から着想を得て空気抵抗を減らしダウンフォースを最適化するようにデザインされたというボディには、アクティブ・リアスポイラーを装備。走行速度やドライバーの操作に反応して、高さや角度が可変するという。




エンジンはV6ツインターボ

過去の同名のモデルと同様にミドシップ・マウントされるエンジンは、ただし伝統のアメリカン V8ではなく、フォードの「EcoBoost」テクノロジーによる新世代の3.5リッターV型6気筒。直接燃料噴射とポート噴射を使い分けるデュアル・フューエル・インジェクションや、2基のターボチャージャーを装備し、600馬力以上の最高出力を発揮するという。2014年のIMSA チュードル・ユナイテッド・スポーツカー選手権で、初参戦にして3勝を挙げたレース用エンジンの技術と構造をベースとし、ワイドなパワーバンドによる瞬時に立ち上がるトルク特性を特徴とするそうだ。このエンジンにパドルシフト付き7速デュアルクラッチ式トランスミッションが組み合わされ、後輪を駆動する。



サスペンションはレースカーのようなプッシュロッド式に車高調整機構付き。20インチのマルチスポーク・ホイールには専用のミシュラン「パイロットスーパースポーツ カップ2」タイヤを装着する。ブレーキはカーボン・セラミック・ディスクに、ブレンボのロゴ入りキャリパーが見える。

跳ね上げ式のドアを開けると、カーボンファイバー製パッセンジャー・セルと一体になった2座のシートが備わる。シートは固定式のため、ペダルやステアリング・コラムの位置を調整してドライビング・ポジションを合わせるそうだ。ウインカーやワイパーのレバーを持たず、F1マシンのように必要なスイッチ類が組み込まれたステアリング・ホイールの向こうには、表示する情報を変更可能なデジタル式インストゥルメント・ディスプレイが装備される。フォード最新のコネクティビティ・システム「SYNC3」も利用可能だ。



価格は4,000万円台...!?

生産台数や価格についての正式発表はなかったが、一部報道によれば、関係者が「ランボルギーニ アヴェンタドール(39万ドル)と同じくらいになるだろう」と語ったという話もある。カーボン・ボディとはいえ、V6後輪駆動(複雑なハイブリッド・システムも搭載せず)にしてはずいぶん強気な気もするが、それだけ"フォード GT"という伝説的な名前にプレミアがある(と、フォードの関係者は思っている)のかも知れない。ちなみに2005年に発売された"復刻版"フォード GTは14万ドル程度だった。

エクステリア・デザインに関しては、好き嫌い・賛否両論ありそうだ。V8エンジンが搭載されないことに寂しさを感じる人も多いのではないかと思われる。一方で、懐古主義から(ある程度の)脱却を見せたフォードの決意を讃える人もいるだろう。以下に公式画像と公式ビデオ、それに現地で撮影した写真をご用意したので、まずはそちらをゆっくりとご覧いただきたい。






By Hirokazu Kusakabe

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