BMW MOTO R1200RT
まるでロボットにでも変身しそうな未来感覚のスタイリング。フロントマスクのボリューム感といい、左右に張り出した水平対向2気筒エンジン、テールセクションのパニアケースなど見るからに大きく、迫力満点。BMWが「ファーストクラスのツーリングモデル」と謳う『R1200RT』だ。

『RT』のネーミングが最初に起用されたのは1978年の『R100RT』から。以来、『R1100 RT』『R1150 RT』と進化を重ね、2005年に『R1200RT』の初代がデビュー。疲労を感じさせないエンジン特性や足まわり、ライディングポジション、そして隙のない完璧なウインドプロテクションを誇る「正統派グランドツアラー」として、いつの時代もラインナップに欠かせないロングセラーモデルとなっている。

Related Gallery:BMW MOTO R1200RT

フルモデルチェンジし、2014年3月に新型が発売された最新の『R1200RT』は数多くの電子デパイスが搭載され、その装備内容の充実ぶりは先に紹介した『K1600GTL Exclusive』(http://jp.autoblog.com/2014/12/08/bmw-k1600gtl-exclusive/)にも匹敵するほど。
ないのは「アダプティブヘッドライト」と「キーレスエントリー」くらいだろうか、どちらも「最強ツアラー」との呼び声が高く、このカテゴリーをリードする存在といえよう。

BMW MOTO R1200RT

『K1600』の並列6気筒から、水平対向2気筒エンジンの『R1200RT』に乗り換えると、若干の振動を感じるが、それはシルキーなフラット6とくらべての話し。ボクサーツインならではの優しくて力強い鼓動感は乗っていて楽しいし、ロングライドでは心地良い。乾いた排気音、トラクション性に長けアクセルを開けるのが楽しいエンジン特性、最新のボクサーツインでも"らしさ"は健在だ。

BMW MOTO R1200RT BMW MOTO R1200RT

サーキットの外周路を100km/hで巡航してみると、トップギヤ6速でまだまだ3400rpm。この速度域が公道ではリミットだが、スピード感はまったくなく、下のギヤからエンジンを引っ張り上げていけば、あっという間に180km/hをオーバーし、まだまだスピードが上がっていく。さすがはアウトバーンを走ることも想定されているだけのこともある、ハイスピードでのクルージングをいとも簡単にこなす。

BMW MOTO R1200RT

プロテクション効果の高いウインドスクリーンは、電動で無段階調整できる優れもの。もっとも高い位置にセットすれば、高速域でもなおさら快適。走行中は操作ができず、アジャスターノブも右側に配置される。イグニッションをオフにするともっとも低い位置に戻り、再びオンにすると元の場所を覚えていて、そこに戻ってくれるから賢い。

BMW MOTO R1200RT BMW MOTO R1200RT

そして『ギヤシフトアシストプロ』は、シフトチェンジ時のクラッチレバー操作を不要にしてくれるものだが、これは今回のようなスポーツ走行を 楽しむときにも大いに役立つ。とくにギヤを落とすときには、シフトペダルを踏み込むと同時に自動的にブリッピングして、エンジンの回転数を合 わせてくれるから、コーナー進入時には体重移動など他の操作に集中でき、ありがたいアシストとなる。

BMW MOTO R1200RT

旋回性は『K1600GTL Exclusive』を凌ぎ、安定志向のハンドリングながら軽快感がある。体重移動で自然に車体が寝ていき、切り返す際の動きもその大柄な車体を忘れてしまうほどシャープなもの。
燃料満タン時の装備重量でくらべれば、向こうは360kgもあり、こちらは274kgと86kgも軽く、ホイールベースも1618mmと1485mmで、133mmも短いのだから当然だろう。
もちろん、2013年までの『R1200RT』にも乗った経験があるが、従来型はもっとツアラー然としていて、ハンドリングももう少し穏やかだったと記憶している。スタイリッシュになったフォルム同様、走りにも切れ味が増した。

BMW MOTO R1200RT BMW MOTO R1200RT

「RAIN」「ROAD」「DYNAMIC」とある走行モードは、もちろん「DYNAMIC」でスロットルレスポンスがもっとも鋭く、そのとき「Comfort」「Normal」「Sports」から選べるサスペンションの減衰力も「Sports」あるいは「Normal」に合わせるとキビキビ走ってくれる。
いろいろと試したが、路面コンディションが良いとき(サーキット:ドライ)では「DYNAMIC」と「Comfort」の組み合わせでは、車体が前後にピッチングし過ぎるのが気になるし、それとは正反対に「RAIN」で「Sports」を選ぶとスロットルレスポンスの曖昧さが際立ち、前後サスがもっと動いて欲しいと不満に思うなど、乗り込むうちに好みがハッキリしてくるのがじつに面白い。

BMW MOTO R1200RT BMW MOTO R1200RT

こうして、路面状況や自分の好みに合わせてエンジンの出力特性とサスの動きを自由自在に調整できるのが『R1200RT』の大きな強みとも言えるが、しかし、それはほんの一部分にしか過ぎず、そういった電子デパイスがたとえなくても、エンジン、車体、足まわりがバランスよく高次元で融合され、"素の走り"自体が充分にスポーティであり、快適であるのが『R1200RT』の魅力である。
コーナリングは軽やかであるし、パワーは申し分なくスロットルレスポンスも鋭い。そして乗り心地は「ファーストクラス」のように上質。こんどは真骨頂である、ロングツーリングを味わってみたい。500km以上、いいや700〜800kmは苦にせず走れるだろう。

BMW MOTO R1200RT

R1200RT
■SPEC
◎全長×全幅(ミラーを含む)×全高(ミラーを除く):2222×982.8(984.5=パニア含む)×1415.6mm ◎ホイールベース:1485mm ◎シート高:760/780mm ◎車両重量:274kg(走行可能状態、燃料満タン時) ◎エンジン型式:空水冷4ストローク水平対向2気筒DOHC4バルブ ◎最大出力:125ps/7750rpm ◎最大トルク:125Nm/6500rpm◎排気量:1169cc ◎ボア×ストローク:101×73mm ◎燃料タンク容量:25L ◎フロントタイヤ:120/70ZR17 ◎リアタイヤ:180/55ZR17

■PRICE
255万9000円(消費税8%込み)

BMW Motorrad JAPAN
http://www.bmw-motorrad.jp/jp/ja/index.html

■関連フォトギャラリー
Related Gallery:BMW moto K1600GTL Exclusive

Related Gallery:BMW S 1000 RR Photos