フェラーリが新たな「XXプログラム」のためにサーキット専用モデル「FXX K」を発表!
フェラーリは12月3日、ハイブリッド・スーパーカー「ラ フェラーリ」をベースとするサーキット走行専用車両「FXX K」を発表した。これまでの「FXX」や「599XX」と同様、その目的はレース参戦ではなく、フェラーリの顧客を代表するオーナーがクローズド・コースをドライブすることで得られたデータを将来の市販モデル開発に役立てることにある。

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2005年に登場した「エンツォ」をベースとする「FXX」の名前を受け継ぐ、車名の最後に付加された「K」の文字は、サーキットにおけるパフォーマンスを最大化させる事を目的として搭載したエネルギー回生システム「KERS」に由来する。6,262ccV型12気筒エンジンは新設計のカムシャフトを採用し、バルブの駆動機構を改良することなどにより、ラ フェラーリの最高出力800馬力/9,000rpm、最大トルク71.4kgm/6,750rpmから、860馬力/9,200rpmと76.4kgm/6,500rpmに引き上げられ、これに190馬力を発生する電気モーターを組み合わせることでシステム最高出力1,050馬力、最大トルクは91.8kgmに達するという。ポリッシュ加工されたインテークマニフォールドとエキゾースト・システムも変更が加えられ、もちろん触媒は取り外されている。

「HY-KERS」と呼ばれる電気モーターによるアシスト・システムは、センターコンソールに備わる「マネッティーノ」システムによって「Qualify (限られた周回数における最大パフォーマンス)」「 Long Run(一貫した性能を発揮)」「Manual Boost (瞬時に最大トルクを放出)」「Fast Charge (バッテリーの急速充電)」という4種類の設定に切り替えられる。

エクステリアの空力性能は、サーキット周回中の全域で最大の効率が得られるように注力して開発が進められた結果、ボディ全体で機能するアクティブ/パッシブ双方のエアロダイナミクスを統合したという。フロントにはツイン・プロフィール・スポイラーと大型スプリッターを装着。このデザインには、WEC(世界耐久選手権)のGTカテゴリで3年連続タイトルを獲得した「458 イタリア」ベースの参戦車両の開発コンセプトが反映されているそうだ。リアは特徴的な左右2本の可変リアスポイラーと、大型ディフューザーを装備。これらの改良されたエアロダイナミクスにより、ダウンフォースは50%、空気抵抗は30%改善され、200km/h走行時には540kgものダウンフォースが得られるという。



前285/650 - R19 × 10.5、後345/725 - R20 × 13というサイズのピレリ製スリックタイヤには、温度センサーや空気圧センサーに加えて、縦方向、横方向、回転方向の加速度センサーが組み込まれているという。これらによって路面とタイヤの相互関係がより正確に分析でき、トラクション・コントロールに最大性能を発揮させるためのデータが得られる。その成果は将来のフェラーリ・ロードカーに搭載されるソフトウェア等に反映されるというわけだ。

実車は今週末にアブダビのヤス・マリーナ・サーキットで開催される「フィナーリ・モンディアーリ」で発表される予定。フェラーリの顧客レース部門「コルサ・クリエンティ」が管理・運営する"顧客がテストドライバーを担う研究開発プログラム"、XXプログラムにすでに参加している、FXXおよび599XXのオーナーであるハイレベルなアマチュアドライバー向けに販売されることになるようだ。オーナーは今後2年間、世界各地のサーキットでフェラーリの研究開発に協力しながら、コルサ・クリエンティのサポートのもと、FXX Kのドライブを楽しむことができる。



レース実戦で闘うことはないとはいえ、逆に言えばどんなレースのレギュレーションにも縛られず、公道走行のための法規や実用性も一切無視して最高性能を追求したFXX Kは、まさに究極のスーパーカーと言えるだろう。所有することはもちろん、運転することさえ叶わなくとも、クルマ好きとしての願いはせめて、ワークスドライバー同士が乗る「マクラーレン P1 GTR」との本気のバトルが見てみたい。

フェラーリ公式サイト:「FXX K」


By Hirokazu Kusakabe

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