来季からタッグを組んでF1世界選手権に挑むマクラーレン・ホンダは、11月25日にアブダビのヤス・マリーナ・サーキットで行われたFIA公式テストに初めて参加。開発用マシン「MP4-29H/1X1」を走らせ、その写真と映像を公開した。

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ホンダから発行されたプレスリリースを見て心が躍る。これまでのリリースのように「Hondaは」という書き出しではなく、最初の主語が「McLaren Honda(マクラーレン・ホンダ)は...」となっていたからだ。新たなチームが始動したことを実感させる。

今回のテストで走ったMP4-29H/1X1は、先日の撮影用セッションと同様に、マクラーレン・チームが今季のF1世界選手権で走らせていた「MP4-29」から、メルセデス製パワーユニットを取り外し、ホンダが来季に向けて開発してきた新しいパワーユニットを搭載したものと見られる。それはかつてグランプリで圧倒的な強さを誇った1.5リッターV型6気筒ツインターボや、3.5リッター自然吸気V型10気筒、V型12気筒エンジンと異なり、今季からレギュレーションで定められているターボチャージャーを1基のみ備えた1.6リッターV型6気筒直噴エンジンと、減速時に発生する運動エネルギーを電気に変換する「MGU-K」(運動エネルギー回生システム)、エンジンから出る排気の熱から電気を作り出す「MGU-H」(熱エネルギー回生システム)、それらの電気を蓄えるバッテリー、そして発電および加速に使うモーター/ジェネレーター・ユニットなどを含めて「パワーユニット」と呼ばれる。つまりホンダはかつてのような「エンジン・サプライヤー」ではなく、「パワーユニット・サプライヤー」として来季からF1に参戦するわけだ。その最高出力はエンジン単体で約600ps、加えてMGU-Kが約160psと言われている。

今回の初テストでは、もちろん車体が来季のレース用マシンとは異なるため、ホンダ製パワーユニットの「システムチェック」が目的だったという。株式会社本田技術研究所 専務執行役員でF1プロジェクト総責任者を務める新井康久氏は、以下のようなコメントを発表している。

「今回のテストは、ウィンターテストが始まるまでに行なっておきたかったパワーユニットのシステム確認が目的でした。開発中のパワーユニットでのテストとなりましたが、開幕戦のオーストラリアまでに、アップデートを図り、マクラーレンと一丸となって来シーズンに挑みます」

マクラーレンのレーシング・ディレクターであるエリック・ブーリエ氏は、次のようにコメントしている。

「最近のF1マシンは複雑なITシステムを駆使しているため、今回、さくら(栃木県さくら市)、ミルトンキーンズ、ウォーキング、そしてサーキットを繋ぐインフラ環境の確認ができました。今回のテストは、マクラーレンとホンダのメンバーがサーキットという実戦の場で協業でき、電気系など課題は出ましたが、エンジンが始動し、走行できたことはよかったです」

なお、今回の合同テストでは、マクラーレンのテスト・ドライバーであるストフェル・ヴァンドーン選手がドライブを担当。以下のようにコメントしている。

「憧れのホンダのロゴが入ったドライバースーツを着て、走行できたことをうれしく思います。今日は、走行ラップ数は少なかったものの、既にチームは収集したデータをもとに分析を始めているので、明日の朝は走れると思います。今回は、マクラーレンとホンダによるチーム力を高めるためのテストでもありました。走行した感触を伝えるのは難しいですが、エンジン音は最高でした」



現地からの情報によると、25日のマクラーレン・ホンダ MP4-29H/1X1には電気系のトラブルが発生し、走行できたのは僅か3周。タイム計測はされなかった。チームは引き続き26日に行われる2日目のテストにも参加する予定だ。続報に期待しつつ、まずは走り始めた第4期ホンダF1活動、そして第2期マクラーレン・ホンダの現場を、写真と動画でご覧いただきたい。

動画はこちらから
http://www.honda.co.jp/F1/news2014/02/


By Hirokazu Kusakabe

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