日本ソフトウエアアプローチは、次世代の自動車エンジンを目指す、円弧動エンジンの共同開発者の募集を行っている。円弧動エンジンは、レシプロエンジンとロータリーエンジンの欠点をなくして利点を増大させたエンジンだ。
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開発中の円弧動エンジンは、排気量が1080ccで本体重量が13.9kgという軽量コンパクトなものだ。熱効率が55%ということで、従来エンジンと比較して、燃費が1/3以下でありながら、最高出力244ps、最大トルク18.0kgf・mを発生するということだ。

円弧動エンジンについての構造を理解する前に、まずは3D動画でその概要を確認すると分かりやすいだろう。
エンジンの作動イメージ3D動画はこちら


円弧動エンジンは、ローターに固定された円弧動ピストンが燃焼作用によりローターを揺動駆動させ、ローターアームに接合したローターピンとクランクシャフトピンをコンロッドで連結してクランクシャフトを回転させる。

その際、ローターアームの揺動回転動力は2本のコンロッドにより、クランクシャフトを均等な回転トルクにて振分回転駆動する。

図は、ローターに固定された円弧動ピストン揺動運動からローターアームに接合した2本のローターピンと2本のクランクシャフトピンを2個のコンロッドで連結して2本のクランクシャフトを振分回転駆動させ、2本のクランクシャフトに取付けたギアにより出力シャフトを連動させて出力回転を取り出す機構だ。なお、ギアはヘリカルギアにすることで振動・騒音が少なくなるということだ。

特徴としては、軽量・コンパクト・フリクションが少ない・振動が少ない・高速回転化に適する(往復質量が軽い)・安価・出力シャフトが点対称中心(重心が低い)になるという点が挙げられる。


レシプロエンジンのような往復直線運動ピストンでは、どの部分においても往復運動速度が同じだが、円弧動ピストンでは内側と外側の往復運動速度が大きく異なっている。円弧動ピストンは、扇であおぐような動きをするのが特徴的だ。

4サイクルの行程について円弧動ピストンはトーラス形状のシリンダーを往復運動するので、往復直線運動ピストンによるレシプロエンジンとは考え方が大きく異なっている。


エンジン動作周期の4サイクルの各行程についての特徴は以下の通りだ。

1:吸気行程
円弧動ピストンの内側と外側では吸気をするための負圧が大きく異なり、吸入ガスは負圧の大きい外側に多量に流入する構造となっている。

また、引張流体の考えにより吸入ガスは外側シリンダー壁の摩擦抵抗で強く加速されるため、当該設計では自然吸気に対して1.5倍以上の過給効果が得られるとのことだ。

つまり、自然吸気エンジンでありながら自然過給エンジン的な構造となっているわけだ。さらに、吸気口を可能な限りシリンダーの外側に配置しているため、吸気効率を向上させて過給効果が増幅している。

2:圧縮行程
円弧動ピストンの内側と外側では動作速度が大きく異なるのと、円弧動ピストンの遠心力により圧縮ガスに強い渦流と乱流が発生する。

また、圧縮流体の考えにより、圧縮ガスは外側シリンダー壁の摩擦抵抗で強く加速されるので、圧縮ガス速度が増加することになる。

3:燃焼行程
圧縮行程で発生した強い渦流と乱流と加速された圧縮ガスにより燃焼速度が速くなり、燃焼ガスが外側シリンダー壁の摩擦抵抗により強く加速されるので、円弧動ピストンに作用する圧力が増大する。

また、燃焼は円弧動ピストンの外側で作用するので、出力トルクが増大するとのことだ。

4:排気行程
円弧動ピストンの遠心力と排気ガスが外側シリンダー壁の摩擦抵抗により強く加速されるので、排気ガスがシリンダー内に残留することが極めて少なくなる。

また、排気口を可能な限りシリンダーの外側に配置することで、排気効率を向上させて、加速された排気ガスにより燃焼煤を排気するとのことだ。

マツダの社長がロータリーエンジンを搭載するスポーツカーの復活を否定したばかりだが、魂動(コドウ)デザインが好評のマツダが、今までと全く違ったローターを搭載した円弧動(エンコドウ)エンジンを手がけるのも面白いかもしれない。

円弧動エンジンの作動イメージ動画


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