ホンダ、3モーターのハイブリッドを搭載した新型「レジェンド」を発表!
ホンダは11月10日、東京都内でフラッグシップの高級セダン、新型「レジェンド」を発表した。

1985年に初代が登場した「レジェンド」は、ホンダの伊東孝紳社長によれば「創業当初から世界を見据え、世界に先駈ける技術にチャレンジし続けて来た」ホンダという会社の「まさに象徴」「ホンダという企業の人格そのもの」であるという。



その5代目にあたり、10年ぶりにフルモデルチェンジした新型の技術的な最大の特徴は、3.5リッターV型6気筒SOHC「i-VTEC」直噴エンジンと3つのモーターを組み合わせたハイブリッド・システム「SPORT HYBRID SH-AWD」を採用すること。フロントに横置きしたエンジンは最高出力314ps/6,500rpmと最大トルク37.8kgm/4,700rpmを発揮し、7速DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)を介して前輪を駆動する。この7速DCTには、48ps/3,000rpmと15.1kgm/500-2,000rpmを発生する高出力モーターが内蔵されており、走行状況に合わせてエンジンをアシスト。と、ここまではスケールこそ違えど「フィット ハイブリッド」のドライブトレインと似た構造だ。さらにレジェンドでは、左右の後輪を独立して制御(駆動だけでなく減速も)する2個のモーターを内蔵した「TMU(ツイン・モーター・ユニット)」が車体後部に搭載されている。こちらは1基あたり37ps/4,000rpmの最高出力と7.4kgm/0-2,000rpmの最大トルクを発生。コーナリング時には必要に応じて外側後輪により多くの駆動力を送るだけでなく、内側後輪に減速力も与えることで、旋回性能がさらに高まるという仕組みになっている。



つまり、このシステムは走行状況によって、エンジンによる前輪駆動、エンジン+1基のモーターによる前輪駆動、エンジン+3基のモーターによる4輪駆動、2基のモーターのみによる後輪駆動など、様々な駆動方式の中から最適なものを連続的に自動で切り替えるというのだ。

通常時は電力を効率的に使い、さらにV6エンジンは状況に応じて片側バンクの3気筒を休止させる「VCM(可変シリンダーシステム)」を採用したことで、JC08モードで16.8km/Lという「4気筒並みの燃費」を実現したとホンダは言う。その一方で、ドライブモードを「スポーツ」に切り替えれば、モーターは積極的にV6エンジンをアシストし、7速DCTもダイレクトでハイレスポンスなシフト制御を行うようになり、今度は「8気筒クラスを超える」パワフルな走りが可能になるそうだ。

そして新型レジェンドに採用されたもう1つの技術的ハイライトが、「Honda SENSING」と名付けられた先進運転支援システム。現代の新型車では類似のシステムを搭載することが当たり前のようになっている先進安全技術だが、レジェンドではフロント・グリル内に搭載するミリ波レーダーと、フロントウィンドウ内上部に設置された単眼カメラを併用する方式が採られている。周囲の対象物の位置・速度を認識するミリ波レーダーは、これまで難しいとされてきた電波の反射率が低い歩行者まで検知対象が拡大された。そして単眼カメラの方では、車両前方約60mまでの歩行者や対象物の属性・大きさを認識。両者を併せることで、より多様な状況に対応できるという。新型レジェンドには、この外界検知技術をベースに開発された世界初の「歩行者事故低減ステアリング」も搭載されている。前方の歩行者との接触の危険性を検知すると、制動による減速だけでなく、接触を避ける方向へステアリングを切るように促す装置が働くそうだ。



全長4,995mm × 全幅1,890mm × 全高1,480mmというサイズのボディは、フロント・フェンダーから2枚のドアに伸びる特徴的なキャラクターラインを除けば、一見コンサバティブな印象。最も目を引くのは「宝石のような輝き」ということで「Jewel-Eye(ジュエル・アイ)」と名付けられたLEDヘッドライトだろう。そのロービームは路肩まで明るく照らし出す「スーパーワイド配光」となっているそうだ。

「インパネからドアパネルまで、室内全体に革の風合いを活かした」というインテリアは、プロペラシャフトを持たないFFレイアウトならではの居住性が自慢。特に後部座席のレッグルームは「他車を凌駕する圧倒的な広さを実現」したという。14個のスピーカーを備えるオーディオは、米国KRELL社との共同開発。同社の技術とノウハウを、車体設計の段階から導入することで、「究極のリアリズムを実現」したそうである。そのためだろうか、センターコンソールに設置されたインフォテイメント系の操作スイッチは日本語表示なのに(センターの円形ボタンに描かれた「実行」の表記がなかなかシブイ)、後部座席アームレストに搭載するオーディオの操作パネルは全て英語だった。



会場には純正用品ホンダアクセスのドレスアップ・パーツを装着した車両も展示されていた。「モデューロ」のセンターキャップが付いたアルミホイールや、フロントのスポイラー、ドアに付くクロームのモール、木目を使ったステアリング・ホイール、ロゴが光るサイドシルプレートなどのほか、ラゲッジルームを便利に使えるボックスまで装備されている。担当者の方によれば、「せっかく静かな高級車なのに、トランクに入れたモノがごろごろと動いて音を立てると気になるから」ということで考案されたとか。全体的なまとまりも良く、この日の展示車両の中では個人的に最も好感が持てたが、ホンダアクセスの方は「ちょっと控え目すぎて、がっかりされちゃうかも」と仰っていた。



会場ではホンダの技術者の方に、一連のリコールのこと等について質問させていただいた。

新しい技術に挑戦したフィット ハイブリッドは、複数回のリコールが問題となっています。それでもまた、今回のレジェンドではさらに新しい技術がたくさん採用されました。メーカーとして、常に他社より先を行きたいという考えは分かるのですが、では1人の技術者として、何をモチベーションに開発に取り組まれているのでしょうか?

「技術者として、というよりも、まず、私も1人のユーザーでもあるわけですから。クルマが好きで、クルマに乗るのが好きな。だからやっぱり、常にいま以上に、ワクワクする、気持ちが昂ぶるクルマに乗りたい、と思っているんです。それがモチベーションですね。レジェンドではSPORT HYBRID SH-AWDによって、また新たな"走る歓び"が実現できたと思います。今までにないような、クルマを操る愉しさが味わえます」

例えばフィット ハイブリッドでは、7速DCTの制御系など、ホンダだけではない、供給を受ける他社が開発した点もあり、色々と難しい面もあったと思います。パソコンのOSだって発売後にアップデートが常識となっている現代では、クルマのソフトウェアも高度に、複雑になるほど、完全に問題をなくしてから出荷するというのは非常に難しいのではないでしょうか?

「それは確かに難しいですけどね。発売前のクルマは現実の交通環境下でテストするわけにはいきませんから、いくら試験場でテストを積み重ねても、実際に発売すると我々が思っていなかった状況で、思っていなかった不具合が起きることがあります。でも、やはり先ほど申したように1人のユーザーとして、自分のクルマとして考えたら、エンジンが止まってしまうかも知れない不具合なんて到底許せない。特に安全に関わることは絶対にあってはいけない。そう考えて今後も取り組んでいきます」



新技術への挑戦も、不具合や問題に対しても、「仕事」である前にまず1人のユーザーとしての立場から見て、取り組むことができる技術者が多ければ、ホンダは大きく道を外れることはないと信じたい。なぜならホンダという会社は、歴代の社長が(そしておそらくこれからも)全て技術者出身だから。コストカットのために部品の必要な強度を低く見積もってしまった、なんて、まるで技術者が魂を売ってしまうような話は、特にホンダでは決してあってはならないことだ。

さらなる新技術の投入で、改めてメーカーとしての真価が問われることになるフラッグシップの発売は、2015年1月22日。価格は680万円(税込み)と、先代の最終型より税別で約40万円ほどアップした。新型レジェンドに込めたホンダのメッセージと、装備やカラーなどのご確認は、以下のリンクから公式サイトをどうぞ。


ホンダ公式サイト:「レジェンド」
http://www.honda.co.jp/LEGEND/


By Hirokazu Kusakabe

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