H-D ELECTRA GLIDE ULTRA CLASSIC LOW
ハーレー女子といえば、峰不二子のイメージが大きいが、不二子ちゃんみたいな大きなハーレーに乗っている日本の女子は実際には少ない。ハーレーダビッドソンの2015年モデルが発表され、長距離ツアラーのトップエンドモデルである、「エレクトラグライド ウルトラクラシック」に、なんと、小柄なライダーでも乗りやすいようにと考えられた「ロー」モデルが登場した。

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H-D ELECTRA GLIDE ULTRA CLASSIC LOW

フロント部分に大きなフェアリングが装着され、二人乗りもしやすいようなリアシート、さらには荷物が積載しやすい、車のトランクのような大きなケースが3つもついている。いかにもハーレー然としたその車体は、見た目も大きく、身体の小さな日本の女性が選ぶことはほとんど無いのだが、なぜか、峰不二子は華麗に乗りこなしている。でも、今回登場したローモデルなら、不二子ちゃんのように、ハーレーのトップエンドモデルに華麗に乗りこなすことができるかもしれない、そんな期待にちいさな胸を膨らませた。

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バイクは当たり前だけど、2輪しかなく自立しない。女性にとっての恐怖と言えば、「停車している時にその車両をささえていられるか」ということ。走っているときはバイクは安定するものなので、動き出してしまえば怖さは感じないのだが、発進時、停車時にその恐怖はおそってくる。特に大きなバイクだと車重があるのでその恐怖は倍増。バイクは計算されて作られているので、そう簡単に倒れるものではないと、解ってはいても広報車両など、他人のバイクとなるとその緊張感は倍増するのだ。

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特に「ウルトラクラシック」のようにフロントに大きなフェアリングカウルが装着されているモデルなどは、身体が小さく腕が短い、手も小さければ握力も無いという女性にとってはフロントのバランスがとりにくく感じる。さらにはリアに大きなシートとケース。そして足が地面に届かないとなると、ハードルはもっと上がる。さすが、アメリカの大地を駆け抜けるためにつくられた、というハーレーならではの大振りなポジションは、日本の小柄なライダーを悩ませて来た。しかし、今回登場した「ロー」モデルはどうだろう。

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まず跨がってみると、足がすんなり両足地面に届く。身長157cmの自分だと余裕があって、べったりというわけにはいかないが、スタンダードモデルよりも確実にしっかりと車体を支えられる。これは、ツーリングファミリーの中でももっとも低い685mmというシート高を実現していると同時に、車体のスリム化を行っているからだ。サスペンションは前後ともに25mmダウン、足を下ろしたときに干渉する部分にあるプライマリーカバーとダービーカバーを薄型に変更。さらには、ハンドルバーを5cm程プルバックし、グリップも小型化されているので、ハンドルに手を添えたときに、違和感を感じずすんなりと普通のポジションを取ることができる。シート高だけ下げてハンドルはそのままだと、ハンドル位置が高く逆に乗りにくくなってしまう・・・・・・、という状態を何度か経験したことがあるが、これはよく考えられている。これならフロントの重さをさほど感じることなく操れるような気さえしてくる。巨大な車体を目の前にしても、跨がったとたんに「あ、これなら乗れるかも」と思わせるコンパクトなポジションだ。

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恐る恐る走り出してみると、低速でその車両の重さに人間が慣れておらず少しだけふらついたものの、その骨太なトルクに助けられ、車体はすんなりと安定した。というか、回さなくてもクラッチをつなぐだけでするすると動き出す。エンストする心配が皆無なので安心感は大きい。油圧クラッチが採用され、従来よりもクラッチも軽くなっており、グリップの小型化と併せて、ギアチェンジを「よいしょ」、と力をいれて行わなくてもスムーズに行える。渋滞時にはまだちょっと手がしびれてしまいそうな予感はあるが、それでも細いグリップというのは扱いやすい。スロットルも素直に握っていられるので、疲れも少ない。しかし、やはり車両の大きさに身体が負けているような気がする。運転している人間が他から見えないんじゃないかと思える程・・・・・・(笑)




今回は操るというにはほど遠く、とりあえず乗ってみた、という程度にとどまってしまったが、試乗した富士スピードウェイの外周コースでは、不安無く乗りこなすことができた。これが、公道に出たときに、ストップ&ゴーの多い日本の道でどう感じるか。たぶん、誰かがそばにいてくれないと、駐車場などでは不安に感じるだろうが、走っているだけなら普通に乗ってしまえるのだろうと思う。スピードが乗ってきたら、むしろ無敵とも思える程に。しかし、正直なところ、これを日本の女性ライダーが愛車に選ぶのかどうかと問われたら、答えはたぶん「No」だろう。ある程度バイクに慣れている女性であれば、簡単に乗れてしまう敷居の低さを感じるし、所有感も満たしてくれるだろうが、取り回しの大変さに加え、日本の狭い道では気軽に乗ることが難しいと感じるからだ。もちろん、峰不二子のように颯爽と乗りこなす日本人女性が現れてくれたら、それはそれで嬉しいし、羨望の眼差しを送ることは間違いない。それは不可能なことではなく、実現できるモデルがここに存在していることは確かなのだから。

H-D ELECTRA GLIDE ULTRA CLASSIC LOW

しかしながら、小柄なライダーや女性にも「これ、乗れるかも」、「乗ってみたい」と思わせてくれるモデルをブランドのトップエンドクラスに設置するという、ハーレーの心意気が何よりも嬉しい。ツアラーだからこそできることなのかもしれないが、バイクに乗っている女性を良く理解している。女心を掴むのがうまい。ここういったところに、ハーレーダビッドソンというブランドの凄さを感じずにはいられない。

FLHTCUL TC
ELECTRA GLIDE ULTRA CLASSIC LOW


■SPEC
◎全長×全幅×全高:2600×960×1390mm ◎ホイールベース:1625mm ◎シート高:685mm ◎車両重量:408kg ◎エンジン型式:TWINCAM103 ◎最大トルク:127Nm/4000rpm◎排気量:1689cc ◎ボア×ストローク:98.4×111.1mm◎燃料タンク容量:22.7L ◎フロントタイヤ:130/80B17 ◎リアタイヤ:180/65B16

■PRICE
ビビットブラック:351万5000円
モノトーンカラー:355万4500円
ツートーンカラー:359万4000円
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