MAZDA「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2014」

皆さん、こんにちは。
Autoblog日本語版編集部のゆいです。
皆さんご存知かと思いますが、今年の日本カー・オブ・ザ・イヤー2014-2015に選ばれた『マツダ デミオ』。
本年度の大賞となったマツダ デミオが東京ミッドタウンで開催中の「Tokyo Midtown DESING TOUCH 2014」に登場しました。

MAZDA「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2014」

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マツダは、今回で3度目の参加となる「Tokyo Midtown DESING TOUCH」で、初めてカーデザインの開発過程の一つである「クレイオブジェの制作」をクレイモデラーが実演し、一般の方も体験できるイベントを開催しました。
早速編集部を代表して人生初のクレイオブジェの制作を体験してみました。



そもそも「クレイオブジェの制作」って?
「クレイモデラー」の仕事はどうゆうものなの?
実は、私も体験するまで詳しい内容が分かりませんでした。
皆さんの中にも、クレイモデラーを初めて知る方もいると思います。
はじめに簡単ですが、どんな仕事なのかお話しします。

その前に「クレイモデル」にも色んな呼び方があって、クレイ(粘土)を使って造るモデルの総称が「クレイモデル」。今回の様な、開発初期に造られる車の形をしていない状態は「デザインテーマオブジェ」とマツダのクレイモデラーは言うようです。

さて、車を造る時、まずはデザインを考えますよね。
デザインを考える「カーデザイナー」の存在は、多くの方が知っているかと思います。手書きが主流かと思いきや、今ではコンピューターでもデザインを作る事ができるそうです。(私、時代に遅れていますね...)
デザインが仕上がったら、次は形にしていきますが...
私の想像では、ここでコンピューターを使い形にしていくと思っていました。
実際はそうではなく、一度仮モデルを作りそこから細かい数値にしデータを元に実物を造る過程があるのです。
そこで登場するのが「クレイモデラー」です。
盛り削りがし易く形状を変える事ができる「クレイ(粘土)」を使い、縮小モデルや実物大のモデルを造る。
実際に形にする事で、全体のフォルムや幻影感などを目で確かめる。
デザイナーの描くレンダリングからクレイモデルに、クレイモデルから3Dデータ化し実物を造っていくんですよ。クレイモデルは、デザインプロセスの鍵なのです。

皆さんは、ニューモデルが発売となると「どんな形なのか」「どんなカラーがあるのか」気になって発売まで待てないのでは?
そんな皆さんを喜ばせたい。
だからこそ、個性が詰まったデザインは発売までは秘密にしたいもの。
車の印象を決める重要なデザインプロセスは、公にお披露目する事がない。
今回のイベントは、そんな貴重なデザインプロセスをプロの実演だけでなく実際に体験できるという、私たち編集部もテンションが上がるイベントなのです。

MAZDA「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2014」
MAZDA「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2014」
2010 SHINRAI

2010年発表のSHINARIから「魂動(こどう)」をテーマに、車としての本質を追求したデザインを考えてきたマツダ。
デザインテーマ「魂動(こどう)」は、生き物の様な美しくしなやかな動き表現したい。
そんな思いから生まれ、モデルとなったのが「チーター」でした。
草原を風の様にしなやかに走り抜けるチーターの顔と体の軸は、しっかりとしていて綺麗なフォルム。
自由に走るチーターの動きのような骨格にし、生き生きとした絵を描く事で他にはないダイナミックかつ美しいデザインを造り上げてきた。
そのデザイナーの思いを形にする役目のクレイモデラー。
今まで仕上がったデッサンを形にしてきたクレイモデラー達ですが、デザインプロセスを変えた事で彼ら自身もデザインに関わる機会が増えたという。


クレイモデラー(左:村上 頼寛さん/右:高梨 雄太さん)

MAZDA「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2014」 MAZDA「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2014」

今回クレイモデルの作り方を教えてくれたのは、デザイン本部 デザインモデリングスタジオ クレーモデルグループ リード・モデラー 高梨 雄太、そして同じくモデラー 村上 頼寛。
まずは、彼らが使うクレイ(粘土)と道具について紹介します。
この仕事に必須なクレイは、温度によって堅さが変わります。
クレイ全体は程よく削りやすい堅さ。削りの調節に使うクレイは盛りやすいように柔らかく温かい。
使う場面によって堅さを調整していくのですが、急ぎで作らなければならない場合は柔らかい状態でも削っていく。
「柔らかい状態は、削りにくいですよ。」と、苦い思い出を話してくれました。
自分がつくりたい断面図をイメージし、削る部分が足りない時は粘土を盛り均等に削れるようにする。
ただ削るのではなくクレイを足したりし、イメージに近づけていくんですね。



次は、道具を見てみましょう。
会場に展示されている道具の数々。
クレイを削る道具の種類は鉄板や薄いフィルムなど予想以上に多い。
さて、道具は全部でいくつあるでしょうか?
正解は...分かりません!
その理由には、重要な役割をしている「鉄板」と呼ばれる道具にあるようです。
名前の通り「鉄板」を使っているのですが、削る箇所などに作る過程によって鉄板の形を変えたりしているようだ。
「鉄板の形をそのまま使ってしまうと鉄板の形にしかならない。例えば丸い鉄板を使い続けるとその断面図の形のままになってしまう。だから、イメージ通り削れる様に自分たちで鉄板の形を変え使います。鉄板で作るのではなく作る為に鉄板があるんですよ。」そう話してくれました。
仕事をすればするだけ数は増え、それぞれに合わせた道具には名前が書かれていました。
そりゃー、数なんて把握できないですね。参った!

丁寧に説明をしてくれた、高梨さんと村上さん。
説明を真剣に聞いていたんですけど、もう我慢できなくて...話の途中で削り始めてしまいました。
本当にすみませんでした。

MAZDA「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2014」 MAZDA「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2014」MAZDA「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2014」
(クレイモデラーさんが盛ったところと大違い。ぼてっとしていますね。)

まずは、大きく削れる道具で挑戦!
しかし思いのほか難しい。バランスよく削る事ができず、バラバラになってしまいました。
そんな時に活躍するのが、クレイ(柔らかいタイプ)。
均等にするためクレイを盛ってみたのですがうまくできず。
モデラーさんの盛り方と比べると雑なのが分かる。

MAZDA「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2014」 MAZDA「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2014」

めげずに次は、鉄板で挑戦!しかも、ハイレベルな曲線部分。
結果は、雑というよりもどう削ったらいいのかも分かりませんでした。
「延長線を削ってる感覚で、鉄板を寝かせながら削ると滑らかに仕上がる。」と、アドバイスをしてくれたのですが。
私がやると鉄板を置いた時の跡が残ってしまいました。
「そんな時は、一定の方向でなく四方八方から削って整えるんですよ。」そう言って、いとも簡単に直してくれました。

クレイモデルのほとんどは、4分の1の大きさから作られる。
量産の場合、ベースになるクレイはある程度車の形に機械加工された後形を整える。
量産の前の場合は、全長・全幅・全高ぐらいしか決まってない立方体の様な状態から削りだすのです。
1ミリの誤差内でクレイモデルを作るため、指先の感覚だけで何ミリ削ったか分かるようになる。
むしろ分かってないとイメージ通りにうまく削れなくなる。
そんな、匠の技を披露してくれました。

MAZDA「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2014」

車をデザインする中で一番に考えるのが「人の座る位置」つまりシート部分。
ヒップポイントが決まる事でエンジンやタイヤの位置が決まる。
車を作る過程で一番大切なのは実はタイヤの位置なんです。
車を支え、地面と車体の繫ぎ目となり走る。だからこそ、タイヤの位置を想定しクレイモデルを作っている。
パーツの位置だけじゃない。
クレイモデラー達は車が完成した時のボディへの光の入り方も想像しながら面を仕上げていく。
艶がないクレイを現物にした時、どうやって綺麗な艶がでるか。ボディカラーの幻影感を出すには。
そんな彼らのイメージを形にする想像力は素晴らしいですね。

「空を飛ぶ車ができたら、もしかしたら僕達はいらなくなったしまうかも。」
そう笑って話していましたが、そんなことはない。
そんな車ができたとしても、彼らの役割はとても重要で必要だと私は思います。



今回体験したクレイモデル制作。
率直な感想を言いますと「楽しく難しい」です。
イメージが形になっていく楽しさ、その反面イメージを形にする難しさ。
はじめクレイモデラーが削ってるのを見て簡単そうだなと思っていました。
実際は、クレイを盛る時は力も必要だしミリ単位で削るのは集中力が必要で体力も使う。
「皆さんがすぐできたら、僕達はいませんよ。」確かにそうだ。
この技術を取得するのはどのくらいかかったのか。
そんな私の疑問に「僕達はまだまだ取得できていませんよ。先輩達からもっと勉強しろと言われるでしょうね。」
あれほどの技術を見せてくれたのにまだまだなんて...謙虚で貪欲だ!
彼らが見せてくれた技術は、計り知れない努力や集中力でできたものなのだと。そう感じました。


(思い切り楽しませて頂きました♪)

この体験は一般の方も参加できる為、ユーザーの意見を直接聞ける事はほとんどない彼らは「勉強になるし嬉しい」と緊張しつつも笑顔で話してくれました。
クレイモデラーのような内密な仕事は世間に知れ渡る事が少ない。
だからこそ、こうゆう体験型のイベントをもっと増やしてほしいですね。
イベントをする事で、多くの子供や大人にも興味を持ってもらえる。
「クレイモデラーになりたい」
そんな子供達が増えるのが楽しみですね。
クレイモデラー、カーデザイナー、エンジニアなど。
それぞれの匠が造る最高な車達を、これからも楽しみに待っています。

Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2014 「Mazda Design Atelier」は、10月17日(金)から10月26日(日)まで。クレイモデル制作体験は、25日(土)・26日(日)の2日間が最終日程です。時間は、第一部13時〜、第二部15時〜。



マツダ株式会社
http://www.mazda.co.jp/

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