【短評】「価格はさておき性能は申し分なし!」  VW初の量産EVカー「e-Up!」
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先日、東京・秋葉原の街で日本導入が華々しく発表されたフォルクスワーゲン(VW)初の量販電気自動車「e-up!」。今回はドイツで試乗してきたAutoblog USの記者による短評をお届けしよう。

フォルクスワーゲンは 「2018年までに電気自動車で市場をリードする会社になる」という目標を面白いほど自信たっぷりに掲げている。そんな同社がまず取り組むのは、今年中に 電気自動車やハイブリッドカーを14モデル投入すること。その第1弾として電気自動車賛歌の幕開けとなるのが、小さな「up!」にモーターを搭載したVW初の量産EV「e-up!」だ。

所感

e-up!は、定格出力40kW(54ps)、最高出力60kW(82ps)/最大トルク21.4kgmを発生する電気モーターと総電力量18.7kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載。バッテリーは前後車軸の間の床下に設置されており、その総重量は230kg。車輌重量は1,085kgとなっている。重いバッテリーを積んでいるにもかかわらず、0-100km/h加速は12.4秒と、ガソリン・エンジンを積むup!よりも1秒ほど速く、シリーズで最も俊足だ。また最高速度は130km/h、航続可能距離は最大で150kmとなっている。

べースとなったup!とは、フロントバンパーに埋め込まれたLEDデイタイムランニングライトや15インチの専用アロイホイール、ブルーでハイライトされたエンブレム、リアハッチのe-up!のロゴなどによって見分けが付く。インテリアはライトグレーのシートに青いステッチが施されている。また、航続可能距離などを表示してくれるEV向けのソフトウェアが入ったナビゲーションシステムなど、e-up!ならではのオプションも満載だ。

シフトレバーの奥にある「Eco/Eco+」と書かれたボタンや、電源プラグの絵が描いてあるボタンも、e-up!ならではの装備だ。後者のプラグのボタンは急速充電用のボタン。欧州のエネルギーサプライヤーは、夜間に電気使用料を大幅に安くしていることもあるため、その間にクルマを充電するユーザーがいることをVWは分かっている。スマートフォンから充電を管理できるので、オーナーの大半はクルマに充電プラグを差すだけで、後からタッチスクリーン上で充電を管理することになるだろう。

e-up!には、消費電力を減らして航続距離を延ばすためのシステムが大きく分けて2種類、用意されている。「Eco/Eco+」ボタンはそのうちの1つで、これを押すことで「Normal」「Eco」「Eco+」という3つのモードを切り替えられる。「Eco」モードでは、モーターの出力が50kW(67ps)、最大トルクは17kgmに抑えられ、加速の反応がやや遅くなり、エアコンの効きが控えめになる。最高速度は115km/hに制限される。「Eco+」に切り替えると、モーターの出力は40kW(54ps)、最大トルクは13.6kgmとさらに低く抑えられ、エアコンが完全に機能を停止。最高速度は90km/hまでしか伸びなくなる。

そしてもう1つ切り替えられるのが、慣性走行時に減速エネルギーを回生してバッテリーを充電することができる回生ブレーキの設定だ。標準のDレンジに入れた状態では回生ブレーキは効かないが、シフトレバーを左右に軽く動かすことで「D1」「D2」「D3」の3段階から回生ブレーキの強さを選択可能となる。また、シフトレバーをBレンジに入れるとさらに強力に回生ブレーキが効く。このBレンジのモードでは回生ブレーキの効きが最も強く、ブレーキペダルを踏んだような減速をする。これらのモードで回生ブレーキが作動している時、ブレーキランプは点灯する。

充電ポートは、直流と交流のどちらもサポートするデュアルモードのコンバインド・チャージング・システム(CCS)規格の端子が、フィラーキャップの内側に装備されている。充電時間は、欧州の家庭の2.3kW電源で約9時間だが、VWが用意する3.6kWのウォールボックスと呼ばれる充電補助装置を使えば約6時間に短縮できる。公共の急速充電ステーションで40kWの直流から急速充電した場合、容量の80パーセントまで30分で充電できる。また、「Volkswagen Car-Net e-Remote」というオーナー向けのアプリを使えば、クルマから離れた場所から充電を管理できるが、これは年間101ユーロ(約1万4,000円)のライセンス料が必要だ。

我々はVWの本拠地であるヴォルフスブルクで試乗を行ったが、実際に乗ってみると、これは素晴らしい小さなシティカーで、EV化により重くなっているにも拘わらず、元気に飛び回る矢のように走る印象を受けた。欧州で既にup!はこのクラスで最も売れている車種となっている。もし長距離通勤者でないならば、よりパワフルで速い上に静かなパワートレインを持つe-up!の方が良いだろう。

e-up!の欧州での販売価格は2万6,900ユーロ(約366万円)となっている。この価格設定について、VWのマルティン・ヴィンターコルンCEOは「このような電気自動車で大きな成功を収めるためには、徹底的に日常での実用性を追求すると共に、幅広い層の顧客にとって手頃な価格であることが必要」と語っている。確かにe-up!は実用性の面では十分だが、2万6,900ユーロものお金を「幅広い層の顧客」が気前良く使ってくれるとは思えない。むしろ限られた顧客層のためのものとなるだろう。 up!の販売価格と比べると1万2,000ユーロ(約163円)も高い上、メルセデス・ベンツの「Aクラス」よりも約13万円ほど高い計算になる。他の例え方をすると、up!をドイツで使っていた場合、5年間ずっと毎週1回はガソリンを満タンにするような走り方をし続けて、やっとその差を埋められるのだ。

e-up!は十分に評価できるクルマで、その存在意義も理解する。しかし我々は、より経済的に納得のいく価格で提供される日が来ることを期待する。

【基本情報】
バッテリー:18.7kWh(374V)
パワー:最高出力60kW(82ps)/最大トルク21.4kgm
トランスミッション:1速固定式
0-100km/h:12.4秒
最高速度:81mph(130km/h)
駆動方式:前輪駆動
車両重量:1,085kg
座席数:3+1
荷室容量:250ℓ(最大)
最大航続距離:150km(推定)
ベース価格:2万6,900ユーロ(約366万円)
日本価格:366万9,000円(消費税込み)

By Jonathon Ramsey
翻訳:日本映像翻訳アカデミー
監修:日下部博一

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