10月13日、2014-2015 日本カー・オブ・ザ・イヤーの最終選考が行われ、マツダの新型「デミオ」が受賞した。表彰式会場からお送りした速報に続き、各選考委員の配点やマツダ常務執行役員 藤原 清志氏のスピーチなど、受賞についての詳細をお伝えしよう。

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まず、日本カー・オブ・ザ・イヤーとはどういうものなのか。名称は聞いたことがあっても、何を基準にどうやって選ぶのか、ご存じない方もいらっしゃるのではないかと思うので、改めてご紹介しておこう。

公式サイトによれば、その目的は「市販を前提として日本国内で発表される乗用車の中から、年間を通じて最も優秀なクルマを選定し、そのクルマに日本カー・オブ・ザ・イヤーのタイトルを与え、その開発・製造事業者を称えることにより、一層の性能・品質・安全の向上を促すと共に業界発展と地球環境保護、交通安全に寄与する」とある。「最も優秀なクルマを選定」するということを改めて確認しておきたい。また、その対象車は「前年の11月1日から当年の9月30日までに日本国内で発表または発売された全ての乗用車」の中で、「継続的に生産・販売され、年間の販売台数が500台/年以上見込まれること」。つまり少量生産や限定生産のスーパーカーなどは含まれない。トラックや商用車も対象外だ。そして選考基準は「対象車についてコンセプト、デザイン、性能、品質、安全性、環境負荷、コストパフォーマンス等を総合的に評価して選考する」とある。運転が物凄く楽しいとか、気絶しそうなくらいカッコイイ、という"だけ"では駄目だということだろう。だが、自動車マニアと呼ばれる人たちであればなおのこと、愛車を選ぶ場合に必ずしも「最も優秀なクルマ」を「総合的に評価」して選ぶとは限らないのではあるまいか。その辺りのことを認識した上で、日本カー・オブ・ザ・イヤーというものを見ていただければと思う。

選考方法についても触れておこう。今回もまず、上記のような対象車の中から選考委員によって10車(10ベスト)がノミネートされた(各車に対する選考結果については公表されていない)。これが第一次選考である。そして10月13日に開票された第二次選考では、各選考委員が25点の持ち点を対象車10車(10ベスト)のうち5車に配点する。そのうち最も高く評価するクルマに対して、必ず10点を与えなければならない。ただし、10点を入れることができるのは1車だけである。そして10台の中で、最も多くの合計点数を獲得したクルマが、栄えある日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞することになるわけだ(10ベストの車名および獲得点数は文末の表を参照)。




今年の事前予想では、マツダ デミオとメルセデス・ベンツ Cクラス セダンが有力ではないか、という話があちらこちらから聞こえてきていた。果たして、10月13日午後1時より東京・日本科学未来館で行われた最終選考開票でも、この2車が一騎打ちの様相を呈していった。

開票は、五十音順に選考委員一人ずつ、10車の中でどれに何点を入れたか明らかにされる。全59人の選考委員の中で、最初の20人の開票が済んだ時点では、メルセデス Cクラスが153点を獲得してトップ。マツダ デミオが148点と5点差でこれを追う。3位のBMW i3は106点と、やや差を開けられた。

その後しばらく経て40人目の開票を終えたとき、メルセデス Cクラスは301点で依然首位を保ち、デミオは291点とその差は10点になった。開票数に対する得点率でいえばその差はまったく変わっていない。228点を獲得したi3にも、数字の上ではまだ逆転のチャンスがある。

43人目、ビストン西沢氏の開票時点では、Cクラス320点。デミオ310点。差は10点のまま変わらず。47人目、ボブ・スリーヴァ氏の開票でCクラス345点。デミオ335点。やはり10点差。ところが54人目、森口将之氏の開票が読み上げられると会場にざわめきが起こる。森口氏はデミオに10点を入れられたのに対し、Cクラスには何と配点なし。この時点でついにデミオが2点差で逆転する。残る最後の5人でデミオはますますその差を広げ、最終合計得点はマツダ デミオ423点に対し、メルセデス・ベンツ Cクラス セダンは404点。2014-2015 日本カー・オブ・ザ・イヤーは7年ぶりにフルモデルチェンジしたマツダの新型コンパクトカーに決まった。その受賞理由は以下の通り。

「国産コンパクトカーの常識を打ち破るデザインとクオリティ、そしてテクノロジーをリーズナブルな価格で実現したこと。低燃費技術を追求するなかで、新しい選択肢として小型クリーンディーゼルを採用する一方、MTモデルをリリースするなど多彩なニーズに配慮している点も好印象で、軽快なフットワークと相まってクルマの楽しさを再認識させてくれた。独自の魅力にあふれ、日本から世界に向けてアピールできる実力を持ったコンパクトカーである」

きっと、多くの読者の方々が感じていた通りなのではないかと思う。




獲得点数で2位となったメルセデス・ベンツ Cクラス セダンは、Dセグメントのベンチマークとなる完成度の高さが評価され「インポート・カー・オブ・ザ・イヤー 2014-2015」を受賞。3位のBMW i3には電気自動車というだけでなくその生産も含め、自動車が直面している課題に真正面から取り組んだ姿勢に「イノベーション部門賞」が与えられた。軽自動車という枠を超えた衝突安全性、走行安定性の高さから、ホンダ N-WGN/N-WGN カスタムは「スモールモビリティ部門賞」。そして、トヨタの燃料電池車への取り組みに対し「特別賞」が授与された。




マツダ デミオの2014-2015 日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞に対し、選考委員のお一人でAutoblog Japanにも度々ご寄稿いただいている斉藤聡氏にお話をお聞きしたところ、次のように語ってくださった。

「他に日本で頑張っているクルマがなかったのが情けないよね。去年はそれを上回るということでVWゴルフが受賞したのだけれど。今年はメルセデスももちろん良かったけど、日本で売る、日本で作っているクルマが賞を獲れないというのは実は大問題。その中で私はデミオが良く出来ているなと思ったんで10点入れましたが、そうじゃないという考え方も当然あるわけです。(日本車が)勝って良かったと思うのか、点差を見てまずいぞと思うのか。そこがメーカーの人たちの分かれ目だと思う。今日、マツダの藤原常務が、ここから我々はさらに弾みを付けていくぞというようなことを仰っていたけど、それくらいの気概がないと駄目。他のメーカーの皆さんにも頑張ってもらわないと、マズイですよね。クルマがつまらなくなっちゃう」

マツダには本来なら同時期にアクセラもあったわけですが、アクセラと比べてもデミオの方がカー・オブ・ザ・イヤーに相応しいですか?

「デミオの方が分かりやすかったかな。コンパクトカーに小排気量のディーゼルを積むという。アクセラの2.2リッター・ディーゼルはすでにCX-5で受賞しているし。その形が変わったクルマがアクセラということもできるわけだから。デミオは車体もエンジンも新しい。SKYACTIVの効果がちゃんと出ていると思う。燃費があまり良くないという人もいるし、確かにその辺はもっと頑張ろうねって思うんだけど、単純に、乗って楽しい、走って面白いと思える。それがすごく嬉しかった。だから10点入れました」

最後に少々長くなるが、授賞式で登壇されたマツダ常務執行役員 藤原 清志氏のスピーチには筆者もいたく感銘を受けたので、ここに引用させていただきたい。



本当に、名誉ある賞を頂きまして、ありがとうございます。感動しています。CX-5以降、非常に苦しんで、苦しんで、ここまで来ました。この変革のページの中でも、また我々の商品群の中でも、デミオは、派手な兄貴のアテンザ、アクセラの陰に隠れた末っ子です。この末っ子デミオが、このような素晴らしい賞を頂いたということは、本当に嬉しく思っています。個人的にもデミオの主査経験者です。12年前(2代目デミオ発売)、賞を頂けませんでした(笑)。12年間、ずっと獲りたいと思っていた賞なので、本当に嬉しく思っています。その当時からデミオをやっているメンバーも含めて、非常に嬉しいこの賞を祝いたいと思っております。

とはいえ、今日、票を見ていながら、(マツダは)まだまだだなと実感しました。今日ここで戦った多くの競合車を見ていますと、まだまだ我々はやらなくちゃならないことが沢山あるなと思いました。まだまだ機能的にも、クルマの文化度も含めて、負けているところが沢山あると感じております。今回の大賞は、たぶん、頑張れという激励も含めて、頂けたのだと思っています。

CX-5で新しい商品群を始めたとき、私が常に思っていたのは、隣の国が非常に恐いな、ということです。残念ながら日本に入っていない隣の国のクルマは、非常な勢いで、良くなっています。このことを考えると、我々日本のクルマは、ここにずらっと並んでおりますヨーロッパもしくはアメリカの方々のクルマと、真っ向勝負で、独自の技術で、戦っていかなければならないと、2006年に思ったのです。その一群の末っ子が頂けたということは、非常に嬉しく思っていますし、まだまだ、まだまだだな、と今日、実感しました。従いまして、もう一段、今日の大賞を励みに、原動力として、もう一段上げていきます。そして必ず、真っ向勝負で勝てるようなクルマを作っていきたいと思っています。

2年前に、CX-5の大賞を頂いたときに、日本のクルマ文化の成熟度を上げていきましょうとお話しさせていただきました。それにはどうしたらいいのかなと、この2年間一所懸命考えたんです。最近は、若い人が"クルマ離れ"なんて言っておりますが、それは我々の言い訳ではないかなというように感じております。クルマ文化を創るのは誰だ、と。これまで、日本の文化はどちらかというと若い人たちが創ってきました。しかし、ヨーロッパ、アメリカのクルマ文化を見てみると、大人が楽しそうに、楽しそうにクルマを作っています。クルマと遊んでいます。やはり、クルマ文化を創るのは、大人です。ここにいる大人です。従いまして私は、このコンパクトカーで、大人が楽しめる、大人が胸を張って乗れるクルマを作りたいと思って作ってきました。このデミオが大賞を頂いたこの日にもう一度、もう一度、大人がクルマの文化を創るんだというのを感じております。そしてマツダは、必ずこのクルマ文化を、大人のクルマ文化を創っていきます。少し脱線しましたけれど、本当にこの名誉ある賞を頂きまして、マツダ デミオ関係者を代表してお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。




大人が楽しめる、大人が胸を張って乗れるようにとの思いで作られ、単純に乗って楽しいと、ベテラン自動車評論家に言わしめるコンパクトカー。今回の受賞を機に、改めて新型デミオに興味を持たれた方は、以下のリンクから公式サイトをご覧いただきたい。Autoblog Japanオリジナルの試乗ビデオも是非どうぞ。


マツダ公式サイト:新型「デミオ」


 

2014-2015 日本カー・オブ・ザ・イヤー得点表
氏  名

トヨタ

ヴォクシー/ノア

日産

スカイライン

ホンダ

N-WGN/
N-WGN カスタム

マツダ

デミオ

スバル

レヴォーグ

スズキ

ハスラー

メルセデス・ベンツ

Cクラスセダン

BMW i3

ジープ

チェロキー

プジョー

308

青山 尚暉
0 0 0 5 2 0 10 6 0 2
飯田 裕子
0 0 0 10 3 1 6 5 0 0
石井 昌道
0 0 1 8 1 0 10 5 0 0
石川 真禧照
0 0 0 10 0 0 7 6 1 1
石川 芳雄
0 3 0 6 0 2 10 4 0 0
岩貞 るみこ
0 0 0 10 0 0 8 5 1 1
太田 哲也
0 0 0 9 3 0 10 2 1 0
岡崎 五朗
0 2 0 10 1 0 9 3 0 0
岡本 幸一郎
0 3 0 10 5 0 5 2 0 0
小沢 コージ
0 0 0 10 0 6 2 3 4 0
片岡 英明
0 0 0 5 4 1 5 10 0 0
桂 伸一
0 0 0 5 3 0 10 5 0 2
金子 浩久
0 0 0 2 3 4 6 10 0 0
川上 浩平
0 2 0 10 4 0 4 5 0 0
河口 まなぶ
0 0 0 6 7 1 10 1 0 0
川島 茂夫
0 0 0 7 3 3 10 2 0 0
川端 由美
0 0 1 10 0 0 5 7 2 0
河村 康彦
0 0 0 6 0 1 6 10 0 2
木下 隆之
0 0 0 5 1 1 10 8 0 0
日下部 保雄
0 0 0 4 3 1 10 7 0 0
九島 辰也
0 1 0 5 1 0 8 10 0 0
国沢 光宏
0 4 0 10 1 0 7 3 0 0
熊野 学
1 3 0 10 5 0 6 0 0 0
五味 康隆
0 0 0 5 2 0 6 10 0 2
こもだ
きよし
0 0 0 6 3 2 4 10 0 0
斎藤 聡
0 4 0 10 2 0 6 3 0 0
斎藤 慎輔
0 0 0 8 1 1 10 5 0 0
佐藤 久実
0 0 0 5 2 0 10 5 0 3
島崎 七生人
0 0 0 5 1 0 8 10 0 1
島下 泰久
0 0 0 10 0 1 6 6 0 2
清水 和夫
0 0 0 9 3 0 10 2 0 1
瀬在 仁志
0 2 0 6 3 0 10 4 0 0
高山 正寛
0 1 0 8 2 0 4 10 0 0
竹岡 圭
0 0 0 10 2 1 5 7 0 0
舘内 端
0 1 2 0 0 0 7 10 0 5
田畑 修
0 0 0 10 3 0 6 5 1 0
千葉 匠
0 0 0 7 0 1 10 5 0 2
津々見 友彦
0 0 0 10 4 0 9 1 0 1
中谷 明彦
0 0 4 2 0 3 10 6 0 0
西川 淳
0 0 0 7 0 0 6 10 1 1
西村 直人
2 0 0 7 0 2 10 4 0 0
萩原 秀輝
0 0 0 8 0 0 5 10 1 1
ピストン
西沢
0 10 0 4 0 3 4 4 0 0
ピーター
ライオン
0 0 0 4 2 0 10 6 0 3
平田 勝
0 0 2 5 10 0 5 3 0 0
藤島 知子
0 0 0 10 1 8 5 1 0 0
ボブ
スリーヴァ
0 0 0 6 1 0 5 10 3 0
松下 宏
0 0 3 4 10 4 0 4 0 0
松田 秀士
2 0 0 4 2 0 7 10 0 0
松任谷 正隆
0 2 0 4 0 0 4 10 0 5
まるも
亜希子
0 0 0 10 4 1 5 5 0 0
御堀 直嗣
0 0 0 6 2 3 4 10 0 0
三好 秀昌
0 0 0 4 3 0 10 7 0 1
森口 将之
3 0 0 10 0 7 0 2 0 3
森野 恭行
0 0 0 10 2 0 8 4 0 1
諸星 陽一
0 0 0 10 4 3 4 4 0 0
山内 一典
0 3 0 10 2 0 7 3 0 0
横越 光廣
0 0 0 6 3 0 5 10 0 1
吉田 由美
1 0 0 10 0 4 5 5 0 0


By Hirokazu Kusakabe

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