鈴鹿サーキットで現在開催されているF1日本GP。1回目のフリー走行を2日後に控えた10月1日には、東京都赤坂のマクラーレン東京ショールームにて、今季はマクラーレン・メルセデスF1チームでグランプリを闘うジェンソン・バトン選手と、冬季オリンピックのスキージャンプで最年長メダリストの記録を持つ"レジェンド"、葛西紀明選手によるトーク・イベントが開催された。

Related Gallery:McLaren Jenson Button and Noriaki Kasai

葛西選手がお持ちになったオリンピックのメダルを見て、「スゴイネ! オメデトウ!」と日本語で言葉を掛けたバトン選手は、2009年のF1世界チャンピオン。翌2010年から名門マクラーレンに籍を置く。今季は開幕戦オーストラリアGPで3位入賞、現在まで14戦中9戦でポイントを獲得し、リタイアしたのは僅か1戦のみという安定感で、日本GP前にはドライバーズ・ランキング7位につけている。

そんなバトン選手を「F1ドライバーの中で1番好き」という葛西選手は、今年の2月に開催されたソチ・オリンピックで冬季五輪7大会連続最多出場という偉業を成し遂げ、さらに個人ラージヒルで銀、団体で銅という2つのメダルを獲得、年齢(五輪当時41歳)を感じさせぬ見事な記録を可能にすることから、"レジェンド"と呼ばれていることはご存じの通り。そのことに対して司会者から訊かれると、バトン選手は「年齢というのは、あくまでも数字でしかないんだなという気持ちがします。本当にやる気、そして努力さえ積めば、夢はいくつになっても叶うんだと思います」と語っていた。




「マクラーレンとは、どんなチームですか?」という葛西選手の質問に対して、バトン選手は「F1というのはドライバー1人で勝てるものではありません。ドライバーがサーキットを走るという仕事を担当する、そのためには数百人の力が、マシンを走らせるために努力してくれています。サッカーならピッチに立っている人の姿が全て見えますが、F1の場合は陰で働く、見えない力というのが本当に沢山あるのです。そういうメカニックの姿が皆さんから見えるのは、ピットストップの時くらいかも知れません。シンガポールGPのとき、チームは素晴らしい仕事をしてくれました。個人だけではなく、そういったチーム全員の努力が成果を上げるのです」と話す。通訳の間に若干の誤解があったのか、「マクラーレン・チームについて」ではなく、「F1チームとは?」という質問に答える形になってしまったが、F1にそれほど詳しくない人たちにとっては、興味深く分かりやすい話だったかも知れない。

続いて2人のアスリートに投げかけられた質問は「自分に何か課しているルールはあるか?」というものだった。

これに対し、葛西選手は「たくさんあるけれど、まず僕は40歳を超えても毎日ランニングをしています。時間にすれば30〜40分なんですけど、毎日続けるということが大事。あと試合前には減量して体調を合わせるとか。自分をいじめるのが好きなのか、けっこう断食したりもします(笑)」と答えた。

バトン選手は「F1ドライバーといえば、皆さんから見えるのはクルマに乗って走っている姿だけのように思われるかも知れませんが、もちろんその間にも強いGやハイスピードに対抗できる体力を維持できるように気を付けています。私は今、34歳ということで最年長F1ドライバーになるのですが、まだまだ気持ちは若いです。昨日は富士山にサイクリングに行ってきました。そんなふうにレースを離れて気分転換することもとても大事ですし、食べるものにも気を付けています。そのお陰で身体的にも若いドライバーと変わらないなと思っていますよ。それから常に学ぶということをしていきたいなと思っています」と答えていた。



「プレッシャーにどうやって打ち勝っているのか、それを聞かせてください」という葛西選手からの質問に対して、バトン選手の答えは「家族や友人と過ごす時間など、"いい人"に囲まれているというのが重要だと思います。1人ではプレッシャーや感情をコントロールするのが難しいと思いますから」。

最後に2人に与えられたテーマは、スポンサーでもあるモービル1のスローガンに因み『大切なものを、守る』ということについて。

「メダリストとなった今、"大切なもの"に変化はありますか?」と司会者から訊かれた葛西選手は「成績を出すことも大切なんですけども、やはり家族。母を亡くしてしまって、妹も大きな病気と闘っているので、そういう家族を元気づけて上げたい。そして支えてくれる会社。僕は(会社に)ジャンプを続けさせてもらっていると思っているので、それに対する感謝の気持ちを大切にしています」と答える。

バトン選手は、「勝ちたい、というよりも勝たなければならないという気持ちをとても強く感じています。そういった気持ちを支えていくためにも、友人を含めた"家族"が大切」と答えていた。

今回のトークショーは、ショールームに展示されたマクラーレンの最新モデル「650S」の前で行われた。大のクルマ好きという葛西選手はイエローに塗られた650Sを見て、「僕、黄色が好きなんですよ。だから今回入って来て、この黄色いのを見て、欲しいな〜と思いましたけど、高くて手が届かないと思うんですけどね」と話していた。4,000万円程とお聞きしています、という司会者の言葉に、「次のオリンピックで、金メダルとって、買いたいと思います」と宣言。バトン選手はモナコでまったく同じ色の650Sに乗っているそうだ。




なお、今回のイベントにはモータースポーツ関係の記者はもちろん、TVカメラを含む一般メディアの報道陣も多く集まっていたようだった。そんな中、バトン選手の来季契約に関する話やプライベートについてなど、微妙な質問はもちろん全てNGとされた。それらを抜きにしたトークを一言でまとめれば、「アスリートは身体の管理と家族が大切」という話になると思うのだが、42歳のスキージャンプ選手と34歳のF1ドライバーに限らず、同年代くらいの人が仕事で活躍しようと思えば、どんな職種でも同じことが言えるかも知れない。「年齢なんてあくまでも単なる数字。やる気と努力さえ積めば、夢はいくつになっても叶う」というバトン選手の言葉と、それを実証した葛西選手のメダルを胸に焼き付け、自分で"もう若くない"と思われている皆さん、一緒に頑張ろうではありませんか。


By Hirokazu Kusakabe

■関連フォトギャラリー
Related Gallery:McLaren Jenson Button and Noriaki Kasai

【PR】マクラーレンの購入を考える前に!まずは現在お乗りのクルマの査定価格を調べてみよう!

Related Gallery:2015 McLaren 650S Spider: First Drive Photos

Related Gallery:McLaren 650S: Geneva 2014 Photos

Related Gallery:McLaren 650S Photos

Related Gallery:McLaren 650S Sprint Monterey 2014 Photos

Related Gallery:McLaren 650S GT3 Photos

Related Gallery:2015 McLaren P1: First Drive Photos

■人気フォトギャラリー
Related Gallery:Tokyo Auto Salon 2014 Companion Girls 07

Related Gallery:Tokyo Auto Salon 2014 Companion Girls 08: AIWA

Related Gallery:Tokyo Auto Salon 2014 Companion Girls 09