BMWジャパンは10月1日、BMW初となる前輪駆動モデル「2シリーズ アクティブ ツアラー」の日本導入を発表。同日より受注を開始した。

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100年近い歴史の中で、これまで頑なに後輪駆動(もしくはそれをベースにした4輪駆動)の自動車造りを続けて来たBMWが、新しい顧客層を狙って遂に発売したエンジン横置きの前輪駆動(もしくはそれをベースにした4輪駆動)モデルが、「2シリーズ アクティブツアラー」だ。それまで理想として守り続けていた50:50の前後重量配分を捨ててまで、BMWがこの新型車で成し遂げたかったこと、それは「コンパクトなサイズで高い居住性」であると、この発表のためにドイツBMW本社から来日した車両インテグレーション部門チーフ・エンジニアのニルス・ボルヒャーズ氏は言う。ただし、その開発には「BMWらしいダイナミックな走りを実現する」という「必ず守らなければならない1つの規則」があったという。「我々は様々なオプションを検討しました。その結果、フロント・エンジン/フロント・ドライブ(FF)レイアウトの採用を決定したのです」とボルヒャーズ氏は語る。




全長4,350mm × 全幅1,800mm × 全高1,550mmという車体サイズは、同じ5ドア・ハッチバックながら後輪駆動の「1シリーズ」よりも15mmだけ長くて35mm幅広く、110mmも背が高い。車両占有面積(つまり必要な駐車場の広さ)の増大は僅かではあるが、荷室容量は1シリーズの360〜1,200リットル(後席折り畳み時)に対し、468〜1,510リットルへ大幅に拡がった。プライベートでこのクルマに乗っているいうボルヒャーズ氏は「レジャーやアウトドアを楽しむために出掛けようとするとき、荷物が全部載るかなという心配をすることがなくなって、妻も優しくなりました(笑)」と話していた。後部座席の居住性もこれまでの同クラスのBMWより格段に向上し、「広々としたレッグルームは上のクラス並み」であるという。しかもリアシートはスライドとリクライニングが可能で「最大約30度倒して快適な乗車」から「背もたれを垂直に起こして荷室を重視」まで、使い分けることができる。また、全高の高さによる「セミコマンド・ポジション」と呼ばれる高い視点は、渋滞時や乗り降りの際の快適性も高い。



これまでのBMW車と異なり、車両前方に横置きされるエンジンは、1,498ccの排気量から最高出力136ps/4,400rpmと最大トルク22.4kgm/1,250-4,300rpmを発生する直列3気筒が、6速ATとの組み合わせで「218i アクティブ ツアラー」に搭載され、前述の通り前輪を駆動する。そして上級モデルの「225i xDrive アクティブ ツアラー M Sport」では、排気量1,998ccの直列4気筒が最高出力231ps/5,000rpmと最大トルク35.6kgm/1,250rpmを発揮し、こちらは8速ATと「xDrive」システムを介する4輪駆動となる。どちらのエンジンも同じBMWグループから一足先に発売された新型MINIに搭載されているものと基本的には共通であり(4気筒の方は「MINI クーパーS」とチューニングは異なる)、単気筒あたりの排気量が500ccのシリンダーを組み合わせたモジュラー構造を採用している。

欧州向けには2.0リッターの直列4気筒クリーン・ディーゼルを搭載した「218d アクティブ ツアラー」もあるが、日本ではまずガソリン・エンジン搭載車から販売開始ということらしい。今後の「218d」日本導入の可能性について、BMWマーケティング・ディビジョンの清水恵子さんにお訊きしたところ「ない、とは申しません(笑)」とのお答えだった。今回発表された2モデルの納車は2014年12月から2015年初頭に掛けて始まる予定なので、その後になるがバリエーション追加も期待できそうだ。



今回、東京のBMW Group Studioで行われた発表会では、実車に加えて2シリーズ アクティブ ツアラーの"肝"である横置きパワーユニットと新開発されたフロント・サスペンションも展示された。BMWが「シングル・ジョイント・スプリング・ストラット・アクスル」と呼ぶこの足回りと、シングル・ピニオン式電動パワーステアリングは、BMWブランド初のFFということで、清水さんによれば「できるだけトルクステアを抑えるように腐心して設計された」そうだ。ボルヒャーズ氏にお訊きしたところ、基本コンポーネントは新型MINIと共通だが、ダンパーや制御系の設定が異なるという。「MINIは硬めのゴーカートフィーリング。2シリーズ アクティブ ツアラーはもっと快適で落ち着いた乗り心地」になっているそうだ。清水さんによれば「MINIも初代から3代にわたって作り続けていくうちに、新型ではずいぶん洗練された乗り味になりました。その間に培われた経験と技術が(2シリーズ アクティブ ツアラーにも)活かされています」とのこと。FFでも、BMWらしい"駈けぬける歓び"は感じられますか? とお訊きすると、「私はあると思います。でも、これまで国産車など他のFF車に乗られていた方々の方が、すぐに良さに気付いていただけるかも」と率直に答えてくださった。



BMW初のFFということで、ファンのみならず多くの自動車マニアの間で物議を醸しているこの2シリーズ アクティブ ツアラーではあるが、例えば1980年代に国産車メーカーで多く起こったような、同じ車名なのにモデルチェンジを機にFRからFFに変更されてしまったというわけではない。BMW原理主義者、もとい、これまでの伝統的なBMWのハンドリングを支持する方向けには、ちゃんとFRの1シリーズや2シリーズ クーペが残されている。BMWジャパンのペーター・クロンシュナーブル社長によれば、2シリーズ アクティブ ツアラーは、あくまでも顧客の「ライフスタイルや価値観の多様化に合わせて、革新でそれに応えた」モデルの1つであり、主なターゲットは国産車をはじめとするFF車に乗っている人達であるとのこと。BMWジャパンにとって「国産車ユーザーを取り込むことが成功の鍵」とクロンシュナーブル社長は考えているそうである。

FF車を発売したからといって、BMWファンは怒ったり嘆いたりすることはない。言ってみれば、2シリーズ アクティブ ツアラーは本格派投手が三振を取るために1球だけ投げるカーブのようなもの。BMWの決め球はこれからも後輪駆動であるに違いない。もし「M3」がFF車ベースになるようなことがあれば、そのときは筆者も本気で嘆き怒ることにしようと思う。



価格は、ベーシックな「218i アクティブ ツアラー」が332万円。レザーシートを装備し、内装色が3色から選べる「218i アクティブ ツアラー Luxury」が381万円。クロス/アルカンタラ表皮のスポーツシートや、エクステリアに「M エアロダイナミクス・パッケージ」が装着される「「218i アクティブ ツアラー M Sport」は368万円。そして2.0リッター直列4気筒と4輪駆動システムを搭載する「「225i xDrive アクティブ ツアラー M Sport」は494万円となっている(いずれも消費税込み)。衝突回避・被害軽減ブレーキをはじめとする「ドライビング・アシスト」や、LEDヘッドライト、HDDナビゲーション・システムなどは全車標準装備。ヘッドアップ・ディスプレイとACC(アクティブ・クルーズ・コントロール)は「アドバンスド・アクティブ・セーフティ・パッケージ」としてオプション装備が可能だ。詳しい情報は以下のリンクから公式サイトをどうぞ。実車は10月19日(日)まで、JR東京駅近くのBMW Group Studioで展示されているそうだ。お近くの方は是非そちらもご覧いただきたい。

BMW Japan 公式サイト:「BMW 2シリーズ アクティブ ツアラー」

BMW Group Studio 公式サイト



By Hirokazu Kusakabe

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