mazda demio

コンパクトカーは安っぽい。そんなイメージを持っている人が大半だろう。実際のところ、コンパクトカーは安く作らなければ、売れないからだ。同じ材料を使いコンパクトなクルマを作って安くなるのは、使っている材料が少ないぶんだけ。それ以上に安く作ろうとしたら、相応に安い材料を使わないとならない。故にコンパクトカーが安っぽいのは仕方ない。
ところが、新型デミオはちっとも安っぽく感じない。そこがデミオ最大の魅力ではないかと思う。
Related Gallery:mazda DEMIO

mazda demio
mazda demio mazda demio

その大きな要因の一つが、魂動(こどう)と呼んでいるマツダのエクステリアデザインだ。CX-5、アテンザ、アクセラと来た一連のデザインの流れが、同じテイスト、同じクオリティ感でコンパクトなデミオに作り込まれている。フロントグリルの形が似ているからではなく、デザインの根幹の部分で表現しようとしているものが同じなのだ。ボディサイズや価格に関係なく、デザインの温度が同じであるところに魅力があるのだろう。

mazda demio

インテリアも同様だ。入念にデザインされ、きっちり作り込むことで質感を上げている。と同時にちゃんと適正なシートポジションが取れ、適度なホールド性が得られるシートと、ステアリングフィールのいいハンドルの操作感がいい。
エクステリア、インテリアのデザインの良さとともにデミオを安っぽく感じさせないもう一つの要素が走りのテイストだ。

mazda demio mazda demio
mazda demio mazda demio

エンジン、操縦性といった走りにかかわる部分の出来が素晴らしくいい。
エンジンは1・5Lディーゼルターボと1・3Lガソリンが用意されている。

■SKYACTIV-G
mazda demio
■SKYACTIV-D
mazda demio

ディーゼルは、いま注目を集めているロープレッシャーディーゼルで、圧縮比はずか14・8対1。CX-5、 アテンザ、アクセラに搭載されている2・2Lディーゼルターボはすこぶる出来がいいが1・5Lは? と思って試乗してみたのだが、期待を裏切られなかった。低回転域からトルクがフワッと膨らみ力強い加速感を伴って、ビックリするくらいスムーズに吹き上がっていく。

mazda demio

その振動の少なさとトルクの厚みは、もはやコンパクトカーのフィーリングではない。パワーは105馬力だが、トルクが25・5kgmと2・5Lエンジン並、頼もしいと感じられるほどの力感があるのだ。しかも吹き上がりが軽快だから、加速感全体が軽やか。
そんな新登場の1・5Lディーゼルターボに感心しながら、さらに予想を上回る出来の良さで驚かされたのが1・3Lのガソリンエンジンだった。

mazda demio

1・3L程度の排気量だと非力だし、とくに最近のエンジンはフリクションを少なくして、のっぺりと回る印象があるので、このエンジンにも期待していなかったのだが、吹き上がりに適度なビート感があって、しかも回すほどにパワーが伸び上っていく充実感がある。92馬力の言ってしまえば非力なエンジンなので、絶対的な速さは望むべくもないが、それでも楽しいのだ。エンジンが吹き上がっていく時のトルクの変化、パワーの充実していく様子に表情があり、しかも車重とギヤ比が絶妙に合っているので、加速感はちゃんとある。マニュアルトランスミッション(MT)はダイレクトにパワー感が反映されるのではっきり表れるが、ATでもエンジンの楽しさが感じられる。

mazda demio mazda demio

操縦性も良い。コンパクトなボディから剛性を出しやすいというのはあるのだろうが、歪み感の少ないしっかりしたボディに取り付けられたサスペンションが、設計値どおりにスムーズにストロークしながら巧みにクルマを走らせてくれる、そんな印象だ。

mazda demio mazda demio

味付けは最近のマツダ一連のセッティングで、しなやかにクルマをロールさせながら自然なフィーリングで曲がっていく。ノーズをシャープに反応させたり、ダンパーを硬めてロールを意図的に抑え込んだりといった不自然な動きがない。それでもデミオのボディの軽さが軽快な動きを作り出している。
言い換えると、ボディ重量に逆らわずデミオのサイズ感をそのまま受け入れた操縦性といったらいいだろうか。不自然な味付けがないのだ。重厚さはないけれど安定感はあり、軽快はないけれど軽さが作り出す軽快さがある。そんな乗り味になっている。

mazda demio mazda demio

もちろん不満点がないわけではない。例えばディーゼルエンジンは、2500回転以下くらいだと思うのだが、ATとの組み合わせだと一旦アクセルを戻し再び踏み直すといった場面でアクセルの踏み代の半分くらいがほとんど反応しないのだ。深く踏むと燃料が噴射される感じ。MT車でも多少気になるが、自分で回転が選べるのであまり気にならない。
マツダによると燃費要件で2000回転名足の燃料を少し絞っているということなので、アクセル開度に合わない加速感が出ることがあるのかもしれないが、フィーリングがいいとは言えないので、改善してもらえるとうれしい。
またガソリンエンジンは、MTの1速と2速のギヤ比がやや離れ過ぎでつながりがいま一つよくない。これは6500回転から始まるレブリミッとに対して、6000回転を超えたあたりから燃料が絞られてしまい、吹き上がらなくなってしまうのも理由の一つ。たぶん6500回転まできっちり回ればつながりはそれほど悪くないはず。エンジンの保護が理由らしいが、ガソリン+MTはデミオの目玉になるくらい出来がいいだけに少々残念。
ついでに言うとエクストラロードのタイヤでもないのに空気圧がフロント260kPaというのも少々気になるところ。燃費要件なのだろうが、もうちょっとタイヤにお金がかけられれば...という気がしないではない。

mazda demio

といった気になる部分もあるのだが、総合的に見たデミオの出来はかなりのものだと思う。近年のコンパクトカーの趨勢は欧州にイニシアチブがあるように見える。かつて隆盛を誇った国産コンパクトカーは安くチープに作った結果、評価を下げてしまった。そんな中、デミオは、安くても、小さくても、チープじゃないクルマに仕上がっている。久しぶりに乗って楽しいコンパクトカーに乗った。

【ビデオ】斉藤聡 試乗インプレッション


Related Gallery:mazda DEMIO

■関連フォトギャラリー
Related Gallery:Mazda Demio Japan Conference

Related Gallery:mazda DEMIO

Related Gallery:Mazda Demio at Roppongi

Related Gallery:MAZDA ROADSTER THANKS DAY IN JAPAN

Related Gallery:Mazda Hazumi Concept Photos (Leaked)