富士重工業は25日、新型スポーツセダン「WRX S4」およびその高性能モデル「WRX STI」を同時に発売した。コンセプトは「Pure Power in Your Control」であるという。

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新宿から恵比寿に本社を移転して最初に富士重工業が発表したモデルは、販売主力とはいえずとも、スバル・ブランドのイメージ・リーダー的存在となる新型「WRX」だった。

かつては「素のWRX」などと呼ばれていたこともあったが、今世代から"Sports performance"、"Safety performance"、"Smartdriving"、"Sophisticated feel"という4つの"S"で始まる言葉の意味を込めて、新たに「WRX S4」と名乗ることになった。そして富士重工業のモータースポーツ部門「スバルテクニカインターナショナル」の頭文字を冠したさらなる高性能バージョン「WRX STI」も、今回は同時に発売されることになる。




両車の大きな違いはエンジンとトランスミッション。WRX S4には「レヴォーグ」と同じ最高出力300ps/5,600rpm、最大トルク40.6kgm/2,000〜4,800rpmを発生する「FA20」型2.0リッター水平対向4気筒直噴ターボ"DIT"を搭載し、「スポーツリニアトロニック」と呼ばれるCVTが組み合わされる。「本格的なスポーツ・ドライビングの愉しさ」と「優れた環境性能」を両立させるというコンセプトで、JC08モード燃費13.2km/リッターを達成したという。マニュアル・トランスミッションの設定はないが、いわゆる"ドライブモード切り替え機能"の「SI-DRIVE」で「スポーツ#」を選択すれば、シフトレバーまたはパドルシフトによって8段ステップ変速も可能だ。通常時は前45:後55に設定された前後輪トルク配分を走行状況に合わせて連続可変制御する「VTD-AWD(不等&可変トルク配分電子制御AWD」システムによって4輪を駆動する。



一方のWRX STIには、従来型と同じく「モータースポーツにおいてその性能と信頼性を磨き上げてきた」という「EJ20」型2.0リッター水平対向4気筒ツインスクロールターボ・エンジンを採用。最高出力308ps/6,400rpm、最大トルク43.0kgm/4,400rpmというスペックも先代と変わらない。トランスミッションは6速マニュアルのみの設定。ただし、従来型よりも節度感、吸い込み感が向上し、よりスポーティなシフトフィーリングとなっているそうだ。こちらはセンターデフの特性をドライバーが選択できる「マルチモードDCCD(ドライバーズコントロールセンターデフ)」式AWDシステムを引き続き採用。さらにフロントにヘリカルLSD、リアにはトルセンLSDを装備する。JC08モード燃費も先代と同じく9.4km/リッターと発表されている。



ボディのサイズは、WRX S4、WRX STIとも共通で、全長4,595mm × 全幅1,795mm × 1,475mm。先代より15mmほど長くなった。ホイールベースは25mm延長されて2,650mmとなっている。後席足元スペースが拡大し、肩、肘回りの空間もゆとりを持たせたという。それでいてWRX STIの車両重量は1,480〜1,490kgと先代とほぼ変わらず。WRX S4はそれより重く1,540kgとなっている。

サスペンションは両車とも前ストラット式/ダブルウィッシュボーンだが、WRX STIの方はフロントに専用の倒立式ストラット・サスペンションを採用することで、ステアリング・レスポンスが一層高められているという。ステアリングのギア比も異なり、WRX S4が14.5:1であるのに対し、WRX STIは13:1とクイックだ。また、WRX S4は225/45R18タイヤを装着するが、WRX STIは同じ18インチでも245/40R18とより太く、ブレンボ製ブレーキが標準装備される。逆にWRX S4のみに付く装備として最も大きなものは、やはりver.3に進化した運転支援システム「EyeSight」だろう。



価格は「WRX S4 2.0GT EyeSight」が334万8,000円。シート表皮がアルカンターラ/本革になり、ビルシュタイン製ダンパーやトランクリップスポイラーが装備される上級グレード「WRX S4 2.0GT-S EyeSight」が356万4,000円。「WRX STI」は379万円800円。同じくビルシュタイン製ダンパーと、さらにBBS製鍛造ホイール等を装備する「WRX STI Type S」は411万4,800円となっている(いずれも消費税込み)。好きな人には欠かせない大型リア・スポイラーは、WRX STI Type Sに標準装備、WRX STIとWRX S4 2.0GT-S EyeSightはオプションで装着可能。ゴールドのホイールは(メーカー純正としては)用意されていない。



新型WRXは、日本より一足先に北米ではすでに発売されており、Autoblogでも発表会の写真や試乗記などを何度もお届けしてきたので、読者の皆様にとってはもうすっかりお馴染みかも知れない。日本国内ではなく海外で先に発売されたことに寂しさや悔しさを感じたスバリストの方も多いと思うが、スバルは決して日本市場を軽んじているわけではない。遅れて登場した我らが国内仕様は、同じエンジンを積むWRX S4(北米仕様は単にWRXと呼ばれる)も、従来通り排気量が500cc少ないWRX STIも、パワー/トルクのスペックは最強と言える。Autoblog US版スタッフの羨む顔が目に浮かぶようだ。


By Hirokazu Kusakabe




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