パイクスピーク・ヒルクライム 2014で、三菱が全日クラス1位・2位を独占!
6月29日、アメリカ・コロラド州で「世界で最も過酷なヒルクライム」と言われる「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」の決勝が行われ、三菱自動車の「MiEV Evolution III」が電気自動車改造クラスで初優勝。総合でも2位に入る健闘を見せた。

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「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」とは、アメリカ・ロッキー山脈にある「パイクスピーク(パイクの頂)」と呼ばれる山で行われるヒルクライム・レース。その歴史は古く、1916年の初開催から数えて今年が92回目の大会となる。全長約20kmのコースには156のコーナーがあり、2,862mのスタート地点から4,301mのゴール地点までの標高差は1,439mと大きいため、走行中に気温、気圧、天候などが大きく変化する、ドライバーにとってもマシンにとっても過酷なレースだ。日本から参戦を続ける"モンスター田嶋"こと田嶋伸博選手が2006年から20011年まで6年連続で総合優勝したことから、我が国でもよく知られるアメリカン・モータースポーツの1つとなっている。



三菱自動車は、2012年より電気自動車でこのヒルクライムに参戦。同社が2009年に発売した世界初の量産電気自動車「i-MiEV」の名前を受け継ぐその参戦車両も、今年は「MiEV Evolution III」へと進化した。専用設計されたパイプフレーム構造のシャシーには、大容量バッテリーと、前後に2つずつ、合わせて4基の電気モーターを搭載し、車両運動統合制御システム「S-AWC」が状況に合わせて4輪のトルクを独立して制御する。今年のマシンは昨年の発展型だが、モーターの最高出力が400kWから450kW(612ps)に向上し、新たにデザインされたカーボンファイバー製カウルはダウンフォースが増大しているという。もちろんS-AWCの制御系も年々進化を続けている。

昨年はモンスター田嶋の後塵を拝した三菱だが、今年はクラス優勝だけでなく総合優勝も視野に入れて取り組み、24日から行われた公式練習走行および予選では全セッションにおいてクラス1位・2位を独占。マシンのセッティングが決まらないモンスター田嶋に差を付けて決勝レースに臨んだ。



そして29日、まずはアンリミテッド・クラスから出場する優勝候補、ロマン・デュマ選手のドライブするパイクスピーク用に改造されたレーシングカー「ノルマ M20FC PP」が9分05秒801というトップタイムを記録(上の写真)。これをターゲットに出走した三菱チームは、グレッグ・トレイシー選手が2.4秒差まで迫る9分08秒188、増岡弘選手は9分12秒204と、惜しくも総合優勝には届かなかったが、電気自動車改造クラスでは全日1位・2位独占を一度も譲らず、"完全クラス制覇"を成し遂げた。

レース後、トレイシー選手は「ひとつ残念だったのは、私の力が少し入りすぎて練習の時よりもブレーキングをハードに行ってしまったことです。そのため後半ブレーキが少しフェード気味となりタイムをロスしてしまったと思います。それさえなければ総合優勝も十分に可能だったと思いますので、マシンはまだまだポテンシャルがあると感じました」とコメントしている。

監督兼ドライバーを務めた増岡弘選手は「自分の走りに点数をつけるとするならば95点ぐらいでしょうか。優勝には手が届きませんでしたが、チームの一員として1-2フィニッシュに貢献できたことを誇りに思います。我々は電気自動車で3年間パイクスピークを戦い、最先端のレーシングマシンを開発する過程で非常に高度な技術を学ぶことができました。また、その開発の過程で若いエンジニアが大きく成長していくのを目にしました。電気自動車やプラグインハイブリッドの技術開発において、パイクスピーク参戦が果たした役割はとても大きいと思います」と述べている。

この"実戦で磨かれた"モーター、バッテリー、そしてS-AWCシステムの技術は、もちろん三菱自動車から今後登場する市販車に活かされることになる。噂されているランサー エボリューション」の実質後継となる「プラグインハイブリッドのスポーツ・モデル」がますます楽しみだ。



昨年一昨年に続き、独自のEVマシン「E-RUNNER パイクスピークスペシャル」で参戦した田嶋伸博だが、決勝では予想より気温が上昇したことからこれに起因すると思われる制御系にトラブルが発生。スピードダウンする症状が起きてしまったという。無事にフィニッシュラインを通過し、昨年のタイムを若干上回ることは出来たが、想定タイムには届かず、9分43秒900と記録されクラス3位/総合4位。「今年は悔しさと嬉しさが半々のレースになりました。勝てなかった事はもちろん悔しいです。しかし、一方で、私達の活動が刺激になって、大手自動車メー カーの三菱自動車が本気で勝ちにきた。そして、テスラやトヨタ、ホンダも電気自動車部門に参戦してきている。今後、この流れがますます加速し、パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムが環境問題の最先端を行くレースに発展して行ったら嬉しいです」とコメントを発表した。



我々が公道で使うタイヤにフィードバックさせるため、ヨコハマタイヤの市販車用低燃費タイヤ「BluEarth-A(ブルーアース・エース)」を装着して参戦を続けている塙郁夫選手は、自ら設計に拘わったオリジナルのマシン「HER-02」で今年もパイクスピークに挑む。トップ・セクションではトラブルに見舞われたというが、その困難を克服して完走を果たし、12分18秒019というタイムでクラス4位。2012年の記録を更新することは出来なかったが、来年はノントラブルで走り切り、"エコタイヤの走り"がますます磨かれることを期待したい。塙郁夫選手についてあまりご存じない方は、以前お話を伺った時に書かせていただいた記事を是非どうぞ。

なお、今回のパイクスピークでは、トライアンフの2輪車「デイトナ 675R」で出場していた54歳のライダー、ボビー・ゴーディン選手がゴール後の事故で命を落とされた。ご冥福をお祈り申し上げたい。


By Hirokazu Kusakabe

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