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ポルシェ「ボクスター」と「ケイマン」は、兄貴分の「911カレラ」を永久にジリジリと追い詰め続けるだろう。最新モデルの「GTS」がこの慣習を継承したことで、エンジンをミッドシップに搭載する元気の良いプラットフォームの矢筒に、もう1本の矢が加わることになった。

GTSの動力性能は、ベースになっているSモデルと比較して最高出力を15psだけ高め、0-60mphを0.1秒縮めたに過ぎない。しかし、ポルシェの巧妙なプロダクト・プランナーとエンジニア達は、彼らのやり慣れた方策で、ボクスターよりもケイマン GTSの方を、パフォーマンスを最優先するエンスージアストにとって魅力的なクルマに仕立て上げた。このことについては所感でもう少し触れよう。

スペイン・マヨルカ島のサーキット場「Circuito Mallorca RennArena」とその近くに位置するトラムンタナ山脈での試乗は、ポルシェがどのようにGTSを下位モデルのケイマンやケイマンSと差別化しているのかを浮き彫りにするものだった。

所感

ケイマンGTSの3.4リッター水平対向6気筒エンジンが生み出す最高出力340hpは、ベースのSモデルよりも僅かにアップしているだけだが(ボクスターGTSよりも10hp勝る)、標準装備される「スポーツクロノパッケージ」の「スポーツ・プラス」の設定にすると、エンジン、トランスミッション、シャシーが"迅速で機敏"から"カミソリの刃のように鋭く、アスリートのように強健"に切り替わる。GTSとSモデルを交互に試乗したわけではないので、0-60mphの0.1秒短縮が顕著に分かるかどうかは判断しづらいが、筆者の本能は「ノー」と言っている。

低回転域でも不安になるほどパワーが低いということはまったくない。しかし、パワーがピークに達する7,800rpmまで回転を上げると、ケイマン GTSの水平対向6気筒エンジンは勢いよく車体を押し進めたがり、積極的な音を轟かせる。

ボクスターならソフト・トップを下ろせば、エンジンの音色が変わり、内なる少年レーサーの心を満たしてくれる。そのGTSバージョンではリチューンされたエキゾーストのおかげで、その体験がより顕著に味わえる。しかし、ケイマンGTSには「サウンドシンポーザー」がラインナップで初めて導入されたため、ハードトップモデルでもエンジン・サウンドを楽しめるようになった。サウンドシンポーザーは「911」で採用されたシステムで、音響チューニングされたエンジンの吸気音をコックピットに響かせる。これによりケイマンGTSとボクスターGTSは今まで以上により一層速く感じられる。シフト・レバーのそばにある「スポーツ・エキゾースト」ボタンを押せば、サウンドのトーンが変調する。トップを下ろさなくてもグッと良くなったエンジン・サウンドを満喫できて最高だ。

ケイマンGTSは、市販車の中で一番と言っていいほどのダイレクトで瞬時に反応するハンドリング性能を持つ。わざわざサーキットに持ち込んで走らせなくても、純度の高いステアリング・フィードバックや路面に張り付くような感覚、直感的に反応するレスポンスの良さに心を打たれる。ボクスターはコンバーティブルとしては剛性がかなり高く、ボディが非常にしっかりしていると感じられるが、ケイマンGTSはそのルーフ構造の美徳によってシャープな感覚が一段と高まっている。

定期的にアマチュア・レースに参戦しているのでなければ、セラミック・ブレーキを選ぶ理由は2つだけだ。1つは、掃いて捨てるほどのお金を持っていること。もう1つは、ブレーキダストが心底嫌いなこと。標準装備のスティール製ブレーキは制動力が高くて感触も素晴らしく、フェード現象はほとんど見られない。

ダンパーの減衰率に変更はないが、サスペンションはケイマンSよりも10mm下げられている。重心位置が低くなったことで、GTSは少しだけ攻撃的な印象が増し、より腰が据わった感じがする。手動でも自動でも設定が変更可能なPASM(ポルシェ・アクティブサスペンション・マネージメントシステム)が装備されているおかげで、サスペンションは路面にくぼみがあってもスムーズな乗り心地をもたらしてくれるし、サーキットではしっかりとしたグリップを確保してくれる。

一般的なクルマと異なり、ポルシェではハードトップのケイマンGTSの方がコンバーティブルのボクスターGTSよりも高い値付けがなされている。車両本体価格はMT仕様が7万5,200ドル(約768万円)から、PDK仕様は7万9,160ドル(約808万円)。いずれもボクスター GTSより1,700ドル(約17万4,000円)ほど高い。(日本仕様の販売価格は税込み979万円で、ボクスターGTSより30万円高い)

そしてご想像通り、ベース価格に近い金額でケイマンGTSに乗ることは難しい。オプションで用意されているインテリアやトリムの誘惑が強いからだ。例えば、18ウェイのスポーツ・シートは 3,025ドル(約31万円)、サラウンド・サウンド付インフォテイメント は3,990ドル(約41万円)、コントラスト・ステッチが施されたGTSトリムは3,680ドル(約38万円)。さらにパフォーマンスもアップグレードが可能だ。トルク・ベクタリング は1,320ドル(約14万円)、セラミック・ブレーキは 7,400ドル(約76万円)。しかし、少なくともGTSモデルには、PASMやスポーツクロノパッケージ、スポーツ・エグゾースト、20インチホイール、PDLS(ポルシェ・ダイナミック・ライト・システム)、ブラック仕上げのトリムといった約1万6,000ドル(約164万円)相当の装備が標準で備わっている。

GTSは確かに高価だ。しかし、ケイマン・ラインナップの新しいフラッグシップとして、より磨き上げられたパフォーマンスを、日常的な使いやすさと一緒に提供してくれる。筆者は、ポルシェがこのプラットフォームをどこまで高めるのか、早く見たくてたまらない。だが、さらに高性能なモデルが発表されるまでは(GT3あるいはGT4との呼び名で噂が出ている)、GTSは明らかな高性能と日常的な快適性の間で、最も"スイート・スポット"に位置するモデルだ。

By Basem Wasef
翻訳:日本映像翻訳アカデミー
監修:日下部 博一

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