ダイハツは19日、軽オープンスポーツカー「COPEN(コペン)」の新型を発売した。

軽自動車のオープンカーとして人気を博した同名モデルの2代目となる「コペン」は、2013年の東京モーターショーに出展されたKOPEN」の市販モデル。量産化に際し、目出度く名前も「COPEN」を継承することになった。


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そのコンセプトは、「感動の走行性能」と「自分らしさを表現できるクルマ」。この双方を実現するために、ダイハツでは「D-Frame」と呼ばれる新しい概念の骨格構造を開発。従来比でボディ上下曲げ剛性3倍、ねじれ剛性1.5倍という高いボディ剛性によって操縦安定性と乗り心地が向上し、また、樹脂製外板の採用はオーナーの嗜好に合わせて異なるデザインのエクステリアを選択することが可能になった。



「DRESS FORMATION」と名付けられたこの着脱構造を持つボディ外板は13個の樹脂製パーツから構成され、そのうち前後バンパー、前後フェンダー、ボンネットフード、トランクフード、ロッカー(サイドシル)、そしてフューエルリッドという11の部品を着脱して異なるデザイン・カラーのものに交換することが出来る。東京モーターショーでは短時間のデモンストレーション用にマグネットで留まっていたが、実際の路上を走る市販モデルではボルト締め付け構造となっている。日替わりで着せ替えさせるのはちょっと面倒そうだ。また、この樹脂製外板は軽量化に貢献するだけでなく、デザインの自由度が向上したため、低価格の軽自動車などでは難しかった立体的なフロント周りの造形や、ダックテールスポイラーが統合されたトランクリッドの形状が可能になったという。これによってリアの揚力は先代コペン比で約60%も低減。Cd値も約6%改善されている。さらに新型コペンでは、燃料タンクもダイハツ初の樹脂製となっているそうだ。



メーカー自ら"スポーツカー"を名乗るところに自信が垣間見える車体剛性の高さについて、アドバイザーを務めた元F1ドライバーの片山右京氏は「骨格の剛性が高いことによって、コーナーの進入ではサスペンションに荷重がかけられタイヤの踏ん張りが効き、コーナーの脱出でアクセルを踏んでもトラクションが活かせる。ステアリングを切れば素直な応答性で切った分だけ曲がる」と評している。これを支えるサスペンションは、前マクファーソンストラット、後トーションビームと、型式は「ムーヴ」や「ミラ」と一緒だが、もちろんショックアブソーバーやブッシュなどに専用チューニングが施されているという。操縦安定性の接地感や乗り心地のフラットさのレベルは、ダイハツによれば初代コペンが「軽自動車エリア」に留まっていたのに対し、新型は「スポーツ・欧州Bセグメントエリア」の域にまで到達することを目標に開発したとか。タイヤは165/50R16サイズが標準。ブレーキは先代同様、フロントがベンチレーテッド・ディスク、リアはリーディング・トレーリング式(ドラム)だ。


フロントに横置き搭載されるエンジンは、お馴染み「TOPAZ NEO」と呼ばれる「KF」型658cc直列3気筒12バルブDOHCインタークーラーターボ。最高出力64ps/6,4000rpmはムーヴ等と変わらないが、最大トルク9.4kgm/3,200rpmの発生回転数は若干低い。ダイハツによれば「低回転からトルクを発揮」し、「アクセル操作に対するレスポンスも向上」しているという。



これに組み合わされるトランスミッションは、7速マニュアル・シフトも楽しめる「スーパーアクティブシフト」付きCVTのほか、ケーブルシフト式5速マニュアルも設定されている。先代と同じく前輪駆動だ。CVTはエンジンとの協調制御により変速レスポンスが向上。MTは1・2速にダブルコーンシンクロを採用するなど細部がチューニングされ、シフト・フィーリングが向上しているそうだ。JC08モード燃費はアイドリングストップを備えるCVTが25.2km/Lであるのに対し、MTは22.2km/Lとやや分が悪いが、その代わりフロントスーパーLSDがオプションで装着可能となる(3万2,400円)。



今日から発売されるコペンは、東京モーターショーで「KOPEN future included Rmz」と名乗っていたタイプを市販化した「スポーツカーとしての躍動感と流麗さを表現した」という「コペン ローブ(COPEN Robe)」のみ。もう一方の「KOPEN future included Xmz」をベースとする「新ジャンル感・アクティブ感を表現した」タイプは、2014年秋に発売予定となっている(下の画像:左)。名前もまだ「COPEN Xモデル」という仮称で呼ばれており、一般公募で決まるはずの正式名称は明らかにされていない。さらに今回、「第3のデザイン」と説明された公式画像も公開された(下の画像:右)。丸型ライトを持つこのスタイルには先代の面影が最も色濃く残っている。意外と支持する人は多いかも知れない。


コペン ローブというネーミングは「骨格に樹脂外板をローブ(衣服・衣装・服装などのフランス語)のように着る事を表現」したとか。コンセプト・モデルの特徴的なLEDランプは市販モデルにも引き継がれている。ヘッドライトも標準でLEDだ(ロービーム)。ボディ・カラーは全8色が用意される。全長3,395mm × 全幅1,475mm × 全高1,280mmというサイズは先代コペンより35mmほど背が高い。2,230mmのホイールベースは変わらず。車両重量はCVTが870kg、5MTは850kg。軽量化のために様々な技術を投入したにも拘わらず20〜30kgほど重くなったが、代わりに操縦安定性と乗り心地、商品性は向上しているダイハツは言う。




エクステリアの「流麗さ」に合わせたのか、インテリアはベージュのシートとブラウンのトリムの組み合わせが標準。黒一色で統一した「ブラックインテリアパック」は3万2,400円のオプションで選べる。シート表皮はフルファブリック。先代のように、後からレザーシートも追加されるのではないかという気がする。コンセプト・モデルから基本デザインを受け継いだセンタークラスターは、オーディオスペースを「あえて排して機能を集約」したという。ダッシュボード正面のパネルが交換可能な構造になっており、純正ナビゲーション・オーディオはここに装備される。「コペン専用にチューニング」されたダイアトーン製ユニット+16cmドアスピーカーに、ステアリングスイッチとインパネオーディオクラスターを追加装備すると約21万4千円。純正以外のオーディオを装備したい方のためには、きっと社外品のクラスターキットが発売されるのではないだろうか。もちろんルーフは電動開閉式「アクティブトップ」を継承。ハードトップのクーペから約20秒でフルオープンになる。ルーフを閉じればゴルフバッグ1個が収納できるとのこと。寒い季節にも開けてもらいたいという気持ちの表れか、シートヒーターが標準装備される。

価格はCVTが179万8,200円、5速MTは181万9,800円(すべて消費税込み)。エコカー減税の対象であるため、CVT車は自動車取得税・自動車重量税が免税。5速MT車はそれぞれ60%と50%の減税となる。ということは嬉しいことに支払総額200万円以内で充分手に入れることが可能だ(ただし、エクステリア/インテリアとも豊富に用意されているオプションのトッピングを控えれば)。




なお、イメージ・リーダー的存在となるコペンのために、ダイハツでは販売・サポート体制にも力を入れるようで、全国の販売店に「気軽に仲間が集い、交流できるドライバーズサロン」となるコペン認定ショップ「コペンサイト」を設置。そこにはコペンならではのオープンカーライフを提案する「コペンスタイリスト」が常駐し、顧客の要望や相談に応じてくれるそうだ。さらに鎌倉には「コペンのオープンカーライフスタイルを楽しむ為の情報発信基地」として、メーカー直営拠点「ローカルベース 鎌倉」を6月19日にオープンするという。トヨタが「86」で展開しているものとやり方がよく似ているが、こうしたメーカー主導の"仕掛け"も、親会社のあちらではそれなりの効果を上げているということか。

新型コペンは先代と同様に少量生産となるが、そのために新設された工場は「コペンファクトリー」と名付けられ、コペンが生産される様子を見学できるようにするという。これについては2014年夏以降、新型コペン・オーナーを対象とする見学が実施される予定だとか。オーナーに限らず、将来的に購入を考えている人にも開放して欲しいところ。

筆者は2011年の東京モーターショーでこのコンセプトが初めて出展された時から、2013年の東京モーターショー2014年東京オートサロンと、何度かこのコペン開発に関わったダイハツの方々からお話を聞かせていただいた。そこで感じられるのは、まず皆さんの中に「作りたいモノ」「やりたいこと」があり、様々な困難・障壁・問題を乗り越えて「造れた」「やれた」喜びに満ちていたということ。苦労もあったかも知れないが、その何倍も楽しんで作られたに違いない。だからきっと、明るくて楽しいクルマに仕上がっていることだろう。与えられた課題に必死に取り組む仕事も尊いが、やりたいことに夢中で取り組める仕事は羨ましい。レースカーでもなければ実用車でもない"軽スポーツカー"なら、後者から生まれる方が相応しい気がする。

新型コペンに関する詳しい情報については、以下のリンクから内容充実した公式サイトをどうぞ。

ダイハツ 公式サイト:COPEN (https://copen.jp/)


By Hirokazu Kusakabe

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