2014年のル・マン24時間レースはアウディが1・2位で5連覇! 追撃及ばずトヨタは3位!
フランスで行われていた第82回ル・マン24時間レースは、6月15日15時(日本時間22時)に長い闘いを終え、アウディが5連覇を成し遂げた。

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予選のタイム・アタックでは5、6、7番手に終わり、トヨタポルシェに遅れを取っていた感のあるアウディだったが、24時間に及ぶ長い戦いが終わってみたら、序盤にリタイアした3号車を除く2台が見事にワン・ツー・フィニッシュ。2010年から5回連続、1999年の初参戦から数えると13回目(ワークス以外のチームによる勝利も含む)の優勝に輝いた。

こうして書くと、アウディはいとも簡単にル・マンで勝っているように見える。それがどうしてトヨタには一度もできないのか。"ル・マンには魔物が棲む"とよく言われるが、それがどうしてトヨタに必ず牙をむくのか。かつてはポルシェでル・マンを制し、今はアウディを支える常勝軍団「チーム・ヨースト」なら、魔除けの呪文でも知っているというのだろうか...。




前回の記事でお知らせしたように、初優勝の期待が掛かるトヨタ「TS040 HYBRID」7号車がリタイアした後、トップに立ったアウディ「R18 e-tron quattoro」2号車だったが、それから約2時間後の午前7時頃になるとターボチャージャーのトラブルに見舞われ、ピットの中のガレージ内に姿を引っ込めてしまう。

替わってレースをリードしたのは、11日のフリー走行で起きた大クラッシュからレース前に復活したアウディ1号車だった。しかし、この1号車にもトラブルが発生、午前11時過ぎにガレージに押し戻されることとなる。修理には17分を要し、その間に1周遅れてこれを追っていたポルシェ「919ハイブリッド」20号車が1位へ。23分に及ぶ懸命の作業で先ほどのトラブルから復帰していたアウディ2号車が、今度は1号車の前へ出て、ポルシェを追い始める。ドライバーのアンドレ・ロッテラー選手はこのとき、3分22秒567という予選よりも速いファステスト・ラップタイムを記録。12時30分過ぎにはポルシェがドライバー交替を含むピットインをしている間に、再びトップに躍り出る。ポルシェ20号車に乗るのは、昨シーズン限りでF1を引退したマーク・ウェバー選手だ。レース終了まで残り2時間。アウディ対ポルシェの争いは最後までもつれる...かのように見えた。

ところが午後1時、アウディを追っていたポルシェ20号車が突如スローダウン。何とかピットまで辿り着くも、そのままガレージに姿を消してしまった。ウェバー選手がマシンを降りてから約15分後、もう1台のポルシェ14号車もガレージに押し戻される。コース上に残る2台のアウディは勝利に向けて盤石の体制。レース残り30分、レース序盤のクラッシュによる修復から遅れを取りつつ3位まで順位を上げていたトヨタ8号車が最後のピットイン。ル・マン公式サイトで"mad final stop"と書かれるほど、僅か55秒という速さで作業を終え、最後の望みを掛けてレースに戻る。

そしてフランス、ル・マンの午後3時。スタートから24時間が経過したところで走行中のラップが最終周となる。2台のアウディが揃ってメイン・スタンド前へ戻ってくる。走り切ることができたトヨタは残念ながら1台だけ。ポルシェ14号車もチェッカーを受けるためコースに姿を現していた。




優勝はマルセル・ファスラー/アンドレ・ロッテラー/ブノワ・トレルイエがドライブしたアウディ2号車。2位はトム・クリステンセンとルーカス・ディ・グラッシ、そしてクラッシュで病院に運ばれたロイック デュバルに代わり急遽出場したマルク・ジェネが乗るアウディ1号車。3位にはアンソニー・デビッドソン/ニコラス・ラピエール/セバスチャン・ブエミのトヨタ8号車が入り、表彰台の一角に上がった。トヨタ製レース用V8エンジンを搭載し非ハイブリッド車によるLMP1-Lクラスから出走していたレベリオン・レーシングの「レベリオン・トヨタ R-ONE」は総合4位。ドライバーには、アラン・プロストの息子であるニコラス・プロストの名前も見られる。

LMP2クラスは上位5台を日産エンジン搭載車が占め、サイモン・ドラン/ハリー・チンクネル/オリバー・ターベイが乗るJOTAスポーツの「ザイテック・Z11SNニッサン」が優勝(総合5位)。井原慶子選手もドライブしたラルブル・コンペティションの「モーガン・ジャッド」は総合39位で完走した。

イタリア、アメリカ、イギリス、ドイツを代表するスポーツカーが激しいバトルを繰り広げたLMGTE Proクラスは、ジャンカルロ・フィジケラ/ジャンマリア・ブルーニ/トニ・バイランダーの3名が走らせたAFコルセ・チームの「フェラーリ 458 イタリア」が優勝。アマチュア・ドライバーを中心としたLM GTE Amクラスの方は「アストンマーティン ヴァンテージ V8」が制した。日本から参戦したチーム・タイサンの458 イタリアも総合26位で完走を果たす。




結局レースが終わってみたら、長年熟成を進めて来たディーゼル・エンジンを積む、昨年の優勝マシンの発展型を持ち込んだアウディが、トラブルを乗り越えて優勝。予選のベスト・タイムではアウディを1.5秒も上回っていたトヨタは今回もル・マンで勝てなかった。

トヨタの木下美明チーム代表は以下のようにコメントしている。

「ル・マンでの3位は大変喜ぶべき名誉だが、我々のTS040 HYBRIDは勝てるスピードを持っていただけに、今日は複雑な気持ちだ。予想外の出来事が多く、改めてこれがル・マンなんだと実感した。幸運は要らないが、もう少し、アクシデントが少なければ、と思う。しかし、それがモータースポーツであり、結果は厳粛に受け止めなければならない。この経験を糧に、我々はより強くなって帰って来る。加えて、世界選手権に照準を合わせ、次のアメリカ・オースティン戦から再び全力を尽くす。#8の酷いダメージを短時間で修復してくれたチームメンバー、またその車で諦める事無く走り続け、3位表彰台を獲得したドライバーに心から感謝したい。自分は、このチームを誇りに思う。最後に、アウディ、ポルシェの素晴らしいパフォーマンスを讃えたい。このレースに参加した全員が非常に激しく戦い、素晴らしいスピリットを見せてくれた」



2015年は日産も「GT-R」の名前を冠した(自信の現れと見ていいだろう)LMP1マシンで総合優勝争いに名乗りを上げる。かつて「耐久レースの王者」と呼ばれたポルシェがこのままでは終わるまい。そのポルシェに優勝回数でアウディはあと3つまで迫った。そしてトヨタの「我々はより強くなって帰って来る」という言葉を信じて、また24時間の熱い闘いが繰り広げられる来年の6月を待ちたい。


By Hirokazu Kusakabe
Photo: Hideyuki Nakano

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