全長4m以下のミドシップ・スポーツカー「アルファ ロメオ 4C」遂に日本デビュー!
フィアット クライスラー ジャパンは27日、東京都内で待望のミドシップ・スポーツクーペ「アルファ ロメオ 4C」の日本仕様を発表。2014年7月1日より全国の正規販売店を通じて発売する。

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Autoblogでは、アルファ ロメオ 4Cについては2011年のジュネーブ・モーターショーコンセプトカーとして発表された時よりもさらに前、まだ噂の段階から何度もお伝えして来た。既にご存じの方も、日本発売を心待ちにしていた方も多いと思う。

ざっと概要をおさらいしておくと、アルファ ロメオ 4C("クアトロチー"...ではなく、日本では"フォーシー"と呼ぶ)は、カーボンファイバー製モノコックセルとアルミニウム製サブフレームを組み合わせた軽量な車体に、直列4気筒の1750直噴ターボ・エンジン(伝統に則り「1750」と呼ばれるが、正確には排気量1,742cc)をミドシップ・マウントし、乾式デュアルクラッチ6速トランスミッション「Alfa TCT」を介して後輪を駆動する、2人乗りのスポーツクーペ。アルファ ロメオ チェントロ スティーレによってデザインされたSMC(シート・モールディング・コンパウンド)製のボディは、全長3,990mm × 全幅1,870mm × 全高1,185mmと短くてワイドで低い。つまり車幅はメルセデス E63 AMGと同じで、長さはトヨタ ラクティスよりコンパクトということ。組立は昔から多くの名スポーツカーを送り出してきたイタリア・モデナの地にある、マセラティの工場で行われる。

エンジンは「ジュリエッタ クアドリフォリオ ヴェルデ」に採用されていたものとは異なるアルミ製ブロックを持つ新開発ユニット。排気量こそ同じだが性能は従来型を凌ぎ、最高出力240ps/6,000rpm・最大トルク35.7kgm/2,100-4,000rpmを発揮する。これにより、乾燥重量950kgの4Cは0-100km/hを4.5秒で加速し、最高速度は258km/hに達するという(欧州仕様の参考値)。ちなみにJC08モード燃費は12.1km/Lとなっている。




フィアット クライスラー ジャパンのポンタス・ヘグストロム社長による「アルファ ロメオの新たな魔法と情熱を皆様にお届けします」という言葉で4Cがお披露目された今回の発表会には、4Cのエクステリア・チーフデザイナーであるアレッサンドロ・マッコリーニ氏と、チーフエンジニアのドメニコ・バニャスコ氏がイタリアから来日。4Cのスタイリングとメカニズムについて語った。

まずマッコリーニ氏によれば、4Cのスタイリングは「内側のメカニズムを包む、外側の皮膚にあたる。例えて言うなら、アスリートの鍛えられた肉体にぴたりとフィットするスポーツウェアにも似ている」とのこと。そこには「必然の美」というものが感じられなければいけない。なおかつ、「すぐにアルファ ロメオと分かる、エレガントで拘りのあるスタイル」でなければならない。そこで1966年に作られた横置きミドシップのプロトタイプレースカー「スカラベロ」をはじめ、1952年発表の「ディスコ・ヴォランテ」、第二次大戦後の傑作「ジュリエッタ・スパイダー」、そして1967年から僅か18台が製造された「ティーポ33 ストラダーレ」を参考にしたそうだ。内外装とも「全て機能的にデザインされており、例えばリアのナンバープレート上下に見られる2本のラインは、後方からの衝突時にテールランプを保護する役目もある」という。




続いて登壇したバニャスコ氏は、4Cのコンセプトについて「0-100km/h加速5秒未満」「パワー・ウェイト・レシオ4kg/ps」「最大横方向加速度1.1G以上」「最大限速度1.2G以上」という項目を挙げた。そして「妥協のないスーパーカー」で、しかも「手が届く夢」であること。それを実現するために「重量を抑える」ことと「エアロダイナミクスの最適化」という方向性が決定したという。次はそのための材料選定。シャシーには軽くて「他の素材では考えられない」という強度を持つカーボン・モノコックを採用し、エンジンはアルミブロック化で22kgの軽量化を達成。しかも「スカンベンジング(燃焼室の掃気)テクノロジー」やパルスコンバーター式エキゾーストマニフォールドの採用で低速トルクを高めた。SMC製ボディは「軽いだけでなく成型の自由度が高いため、Cd値が0.33、揚力係数は-0.05という優れたエアロダイナミクスを実現できた。ウイングを持つクルマに匹敵すると思う」と語る。Alfa TCT ギアボックスには新しい制御ソフトウェアと専用クラッチディスクを導入し、シフトチェンジに要する時間がさらに短縮されているそうだ。

サスペンションはフロントがモノコックに直接取り付けられたダブルウィッシュボーン。リアはマクファーソンストラット式で、「スプリングをオフセットマウント式スプリングとするとともに、ショックアブソーバースプリングのサポートプレートをストラット上部の固定にも使用」したことで、地上高と重量が引き下げられたという。前後重量配分は前40:後60。タイヤも前17+後18または前18+後19と、リア側が大径となる。この足回りを操るステアリングは、パワーアシストなし。小径ステアリング・ホイールはフラットボトム形状だが、ギア比が16.2とクイックなので、「9割のコーナーでステアリング・ホイールの持ち替えが不要」だとか。




さて、一足先に実車を目にさせていただいた印象だが、これは少し不思議な感じがした。外から見ても、コクピットに座っても、非常にコンパクトに思えるのだが、目の前にするとドキドキするような、いわゆる"スーパーカー"の雰囲気が確かにある。そしてこの手の軽量スポーツカーにありがちな(悪い意味だけではないが)レースカーを思わせる攻撃的な面がほとんどなく、非常にエレガント。今まで見たことがあるクルマの中で最も似ている印象のものを挙げるとすると、(アルファ ロメオでなくて恐縮なのだが)フェラーリの小さな名車「ディーノ」が近い気がする。フィアット・グループは、これに跳ね馬のエンブレムを付けて、いやそれは付けずに「Dino」という名前とバッジを与えて売り出していたら、日本では税込み800万円近い価格も高いと言う人はいなかったのではあるまいか。

インテリアはさすがに高級感ではフェラーリに遠く及ばないが、露出したカーボンファイバーや、アルミ製のスイッチ、派手な液晶ディスプレイ、ドライバー側を向いたコンソールなどからは、"質感"というより"満足感"が高いと思われた。何より極めて低い着座位置と、足を乗せるとカーボン樹脂のコンという軽くて硬質な音がする、マットを敷いただけのフロアなど、特別なクルマに乗っているという気持ちにさせられて、走り出さなくても高揚する。ただ、シートの後ろにすぐエンジン・ルームのバルクヘッドが迫るので、バックレストはほとんどリクライニングしない。身長や体型にもよるだろうが、ペダルでシートポジションを合わせるとステアリングが近く感じる。この辺りはなかなかレーシィでスパルタン。リラックスした姿勢でドライブするクルマではないということか。でもドリンクホルダーは備わっていた。標準のシート表皮は、丈夫そうなさらりとした肌合いのナイロン糸を使用したファブリック。他にレザーまたはレザー/アルカンターラがオプションで選べる。クッションが薄いスポーティなバケットシートなので、個人的にはアルカンターラがよく似合うと思った。





Autoblog USの記者にも評判がよろしくなかったヘッドライトは、マッコリーニ氏によれば「ランプが剥き出しの感覚にデザインした。数十グラムでも重量を軽くするため」だとか。ただ、それなら日本でも僅か100台のみだが限定販売される「4C ローンチエディション」が装備するカーボンベゼルの方が、意図が明確だし見た目もよい。

ローンチエディションにはその他にも、ドアミラーやリアスポイラーなどのカーボン製パーツやスリットが開いたフロントバンパーなど特別装備が与えられ、価格は891万円。標準モデルの方は783万円となっている(いずれも消費税込み)。

また、パッケージ・オプションとして、スポーツエキゾースト、スポーツサスペンション、前18/後19インチのガンメタリック仕上げ5ホール・ホイールとタイヤが装備される「スポーツパッケージ」(32万4,000円)や、インテリアに黒または赤のレザーシート、レザーハンドブレーキグリップ、アルカンターラインサートとレッドステッチが入ったスポーツレザーステアリングが装着される「レザーパッケージ」(25万9,200円)、さらにシートがアルカンターラ/レザーになる「アルカンターラパッケージ」(32万4,000円)、そしてHi-Fiサウンドシステムと盗難防止アラームがセットになった「プレミアムパッケージ」(17万2,800円)が用意される。ただし、「スポーツパッケージ」は単独で付けられるが、「レザーパッケージ」または「アルカンターラパッケージ」を選ぶと「スポーツパッケージ」と「プレミアムパッケージ」がセットオプションとなる。ブレーキキャリパーはレッド仕上げが標準。イエローやブラックのキャリパーは受注生産で21万6,000円と高額。美しい3層メタリックのボディ・カラー「コンペティツィオーネ レッド」は32万4,000円。他に標準の「アルファ レッド」とホワイト、受注生産のブラック、オプションの「パサルト グレー」、「マドレベルラ ホワイト」が用意される。オプション価格だけで100万円を超えるのは簡単だ...。




フィアット クライスラー ジャパンの方のお話によると、発売は7月1日だが、販売店の方で独自に予約を受け付けているところもあるらしく、ローンチエディションは「おそらく、もう完売」とのこと。標準モデルにしても「今年分として200台、入る予定なのですが、納期がどれくらいになるか、まだ分からない」そうだ。ブレーキキャリパーや内外装など、好みのオプションを選ぶとさらに納車が遅くなる可能性も高い。「とにかく、イタリアで手作りされているので、予定通りに上がらないこともありますし、ヨーロッパでもかなりバックオーダーを抱えている」とのこと。また、発売日の7月1日以降になれば全国のディーラーでいつでも実車を見ることが出来るようになるかといえばそうもいかないらしく、「広報車を全国のディーラーに巡回させて展示することを考えている」という。とにかくしばらくは争奪戦になること間違いなし。ご購入を考えている方は、一刻も早くお近くの販売店まで。

ところで日本仕様の車両重量だが、スペックシートを見ると「1,100kg」とある。これは衝突安全検査をパスするために、日本仕様はボディに補強が入っているから、欧州仕様よりも少し重いのだそうだ。ちょっと残念な気もするが、その分もしもの時は安全性が高いわけで...。ハンドル位置は右/左どちらでも選べる(ローンチエディションは左のみ)。



とにかく流石アルファ ロメオ、設計も含めたデザインと、その見せ方が(買えない人にとっては)腹立たしいほど巧い。1.8リッター4気筒と思えば確かに価格は高いが、フィアットやGMの乗用車と共有しない、専用のシャシーを与えられ、しかもそれがカーボンモノコックでミドシップの後輪駆動なのだから、仕方ない...という気がしてくるのは、やっぱり「アルファ ロメオの新たな魔法と情熱」にヤラレてしまったからだろうか。詳しい情報は以下のリンクから公式サイトをどうぞ。そうそう、赤い4Cと一緒に映っている美女は、アルファ ロメオの「ミューズ」、長澤まさみさんです。

アルファ ロメオ 公式サイト


By Hirokazu Kusakabe

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