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TEAM無限は、今年もオリジナル開発のEVレーシングバイク「神電 参」で、6月に開催されるマン島TTウィークのTT-Zero Challengeに挑戦する。

TT-Zero Challengeは、CO2を全く排出しない電動モーター等のパワーユニットを搭載するマシンだけのレースで、マン島の全長1周60.7kmのコースで1周のみのレースとして行われるタイムトライアルで2009年から開催されている。

無限」と言えば、かつては2輪界でも独自のレース活動を展開、1970年代後半にはモトクロスの世界では真っ白なマシンとライディングウエアに身を包んだ元ヤマハのワークスライダー鈴木秀明を起用して国内モトクロス界に新風を巻き起こし、また、80年代には、いち早く水冷エンジンを開発してワークスチームを出し抜いて優勝し、アルミフレームのマシンや、MX界では珍しいカーボンディスクブレーキを採用、ほとんどのマシンが倒立フロントフォークを採用している時代に、新たなコンセプトで正立フォークを採用するなど、90年代初頭まで独自の先進性で既存のレース界に勝つこと以外でもチャレンジし続けてきた。

この10年近くは、モーターサイクルレーシングの世界からは遠ざかっていたが、一昨年、
「神電」を独自開発し、始まったばかりの電動バイクによるTT-Zero Challengeに復活参戦してきた。





今なぜ、4輪のレーシングエンジン製作等で実績をもつ無限が、EVレーシングの世界に参加するのか、「ゼロエミッションのテクノロジー研究という先進性、オール自社開発という独自性を、レースを通じ世界に発信、若手エンジニアの育成も目的。いつでも、新しいこと、一番過酷なことにチャレンジ精神がある」とのことだったが、新たなこと、難しいことにチャレンジすることこそが「無限」の社風のようなところがあって、メーカーが表立って参画できない世界に、あっさりと挑戦してしまう、それこそが「無限」の真骨頂であり、ファンをいつも元気にしてくれる源でもあるのだ。

また、「神電 参」の開発は、社内の有志によるもの。希望者が集まって通常の業務に加えて兼任でこのマシンの開発に携わり、スタッフは全員大型バイクの免許まで取得したという、「無限」らしいエピソードまで披露された。

因みに「神電」の由来は、「雷」から「静電気」に至るまで、自然界にある電気の全てを司る神の力を受けてレースに挑むという意味を込め、「神電(SHINDEN)」と命名したとされるが、社名からして漢字で「無限」なのだから、海外でのインパクトを意識した漢字表記の「神電」が相応しいし、3型を示す「参」がネーミングに加わるのも格好いい。

1年目に完走、2年目に表彰台、3年目に優勝を狙うとの目標に向かう今回は、昨年、「神電 弐」で首位に1.6秒差の2位に甘んじたが、今年のマシン「神電 参」では、122psから一気に134PSにパワーアップしたパワーユニットを採用する。



車体サイズは、全長2,125mm、全幅680mm、全高1130mm、ホイールベース1,485mm。ホイールベース以外はほぼ1000ccクラスのスーパースポーツモデルと同サイズ。しかし、車重は260kg。三相ブラシレスモーターで最高出力は90kW(122PS)と控えめながら、最大トルクは220Nm(22.4kgm)。バッテリーはラミネート形リチウムイオンで出力電力は370V以上。フレームがCFRP製ツインスパータイプ。

「神電」の開発ライダーを努める宮城光氏は、「ものすごくスムーズ、モーターの力だけで0から250km/hまで一気に達する。モーターだからシフトチェンジもないし、リアブレーキもハンドル左にあるレバーで操作する。ここもメリットで左右のコーナリングに操作の違いがないのも電動バイクのメリットでもある」と語り、また、240キロの車重の割にはマスが集中していて軽快で、レシプロエンジンのバイクに比べて、エンジン内の様々な回転部分の慣性が働かない分幅広い速度域でもニュートラルな操安であると神電の特長を語った。



さらにチーム代表の勝間田氏は、神電の開発にあたり、「モーターとバッテリーにインバーターだけ積めば良いというものではなく、制御特性と、ハンドリング特性重視して開発し、マン島という特殊な60キロを走るためのバッテリーをどう搭載するか、操安をスポイルしないように積むことに苦労した」と語る一方で「ジオメトリーはスーパーバイクを参考にしたが、バッテリーのボリュームに合わせてホイールベースは長くしてある。ただ、あれだけのマスを積んでいても走行時間に対しての重量変化がないのは操安要件に対してはメリットにもなる。驚くほどスムーズで軽快なハンドリングですよ」とマシンの特性を語る。

さらには、電動であるため、スロットル操作へのリニアリティー、出力特性、回生特性等、いわゆる味付けもプログラミングの変更で極めて容易にできることの利便性がある一方で、マン島とういう公道であるため、高低差、路面状況の変化の大きさを考えると、如何にコントローラブルであるかが重要であるという。




3年目のマン島では、優勝と115マイルのアベレージ超えを狙って行くが、そのための鍵はバッテリーマネージメントに尽きる。ゴール時に電欠ギリギリの制御まで精度を上げないと勝てない。また、1日に1ラップしかできないので、足周りも空力のセッティングも全て一発勝負だから、今年は2台走らせるのでデータを取りやすくはなっているとのこと。

「今年、勝てても、すぐには辞めたくない。このジャンルを広めたいですね。例えば将来的には誰もが使えるモジュールユニットを作って色々なバイクがこのレースをできるようになるといいですね。」と語り、「この神電での経験や技術は、例えばSUPER GTのCR-Zのハイブリッドマシンでのレースに活かせています。逆にカーレースでのカーボン構造技術は神電のフレームにも活きています」と無限らしいこのレースでのメリットも教えていただいた。



100年以上もロードレースの舞台で有り続けるマン島の1周は約60.7km。200以上のコーナーが有り、標高差は約400m。かまぼこ形の路面、マンホールもあり、日陰もあり、最悪は晴雨の違いも存在する。もちろんグリーンもエスケープゾーンはない。現代では希有なこの公道コースを、「神電 参」は、マン島TT20勝を誇るジョン・マクギス、9勝の実績を持つブルース・アンスティの2人のマン島スペシャリストのライディングで走る。チーム「無限」の誇りと意地も一緒に載せて。
(モリ・ヒサシ)


なお、Autoblog編集部では先日行われた「神電 参」のテストをビデオに収録。甲高いモーター音を発してコースを駆け抜ける映像を、是非ご覧いただきたい。



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