冷戦時代、共産主義政権下にあったドイツ民主共和国(東ドイツ)の象徴的存在として取り上げられることが多かった「トラバント」という自動車を覚えているだろうか? それが日産 GT-Rと1/4マイル(0-400m)を競争したら...?

「ボディが紙でできている」とか、「注文してから納車まで10年以上かかる」などと言われ、特にベルリンの壁崩壊後の西側諸国では、旧東ドイツを象徴する時代遅れの工業製品として嘲笑と憫笑を浴び、共産主義体制を揶揄するネタのように語られていた可哀相なトラバント。まるで1960年代で時が止まったかのようなボディの下には、600cc2ストローク空冷直列2気筒を横向きに搭載し、シンクロメッシュを持たない4速コラムシフト式ギアボックスを介して前輪を駆動するという、当時1990年頃に見てもすでに自動車の進化から大きく取り残されたクルマだった。ボール紙のように見える艶のないいびつなボディも実はデュロプラストと呼ばれる綿やウールを使った繊維強化樹脂製で、本当に紙製だったわけではない。ただ、冷戦末期になるとこの樹脂に紙パルプが混ぜられていたというのは事実らしい。製造していた東ドイツ国営企業のVEBザクセンリンク社は、第二次大戦前のアウトウニオンの中でも高級車「ホルヒ」を生産していた工場が元になっている。つまり、現在のアウディとは出自が一緒というわけだ。



そんなトラバントも、ドイツ統一から20年が過ぎたいま、一部のマニアから趣味の対象として人気があるという。彼らは1991年に生産終了したトラバントを手に入れると、非力な2ストローク・エンジンを取り去って現代のパワフルなエンジンに換装。大幅なモディファイを施し「速いトラバント」を作り上げることが"クール"なのだとか。今回ご紹介するビデオに登場している黄色いトラバントも、3.0リッターのターボ付きエンジンを搭載しているとのこと。ラダーフレーム+繊維強化樹脂ボディの軽量な車体がこうなると俄然意味を持ってくる。ドイツの空港で開催されたドラッグレースで、アメリカ・テキサス州オースティンにあるチューナーCOBBが手掛けた580馬力のGT-Rと1/4マイルを競争し、この時はGT-Rのドライバーがシフトミスしたこともあり、何と0.5秒差でトラバントが勝ってしまった! 2年前に撮影された動画だが(なぜか最近また各メディアで話題になっている)、ご存じなかった方は是非、"トラビー"の勇姿をご覧いただきたい。


By Hirokazu Kusakabe



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