ケータハムカーズ・ジャパン、日本の軽自動車規格に合わせた「セブン 160」を公開!
ケータハムカーズ・ジャパンは10日、駐日英国大使館にてスズキの軽自動車用エンジンを搭載したニュー・モデル「セブン 160」を発表した。

Autoblog Japanでは以前からお伝えしている軽自動車規格の「セブン」。2013年12月に予約受付を開始した際には、最高出力を日本の自動車メーカー間で行われている自主規制に合わせ、64psに"抑える"ということだったが、今回実車を展示して改めて開催された発表会では、イギリス本国やヨーロッパ向けと同じ80ps仕様で発売すると発表。500kgを切る車両重量から算出されるパワー・トゥ・ウェイトレシオが目出度く「160」となり、イギリス本国と同じ「セブン 160」を日本でも名乗ることになった。



今回の発表のために来日したケータハムカーズ本社のチーフ・コマーシャル・オフィサー(COO)デビッド・リドリー氏によると、近年のケータハム・グループは「ケータハム・カーズ」の他に、技術部門「ケータハム・テクノロジー」や先進素材を開発する「ケータハム・コンポジット」、2輪車部門「ケータハム・バイクス」、そして世界最高峰レースに参戦する「ケータハム F1チーム」等があり、「慎ましやかな少量生産の自動車メーカーから大きく脱皮しつつある」という。ケータハム・カーズに話を絞っても、これまでのようなセブンとその派生車種に限らず、現在はフラッグシップ・スポーツカーやSUV、シティカーなどを開発しているそうだ。だが、そのように事業を拡げようともケータハムは「ルーツを忘れることはありません。象徴的なセブンの開発も続けています」とリドリー氏は言う。「昨年は『485』と『620R』という最もパワフルなセブンを、筋金入りのエンスージァストに愛されるクルマとして開発しました。しかし、より日常で使いやすいモデルが求められていることも承知しています。そこで(ケータハム セブンの元祖となったロータス セブンを作り上げた)コリン・チャップマンのオリジナル・コンセプトに近いものを作ろうと思いました。それはすなわち、パワーではなく軽量さで目的を叶えていくこと」。それが、今回発表されたセブン 160である。



「セブン 160は、かつてセブンを有名にしたライブアクスルをリアに採用しています。これによって研ぎ澄まされた古典的なドライビング感覚を取り戻しました」とリドリー氏は語る。スズキの軽トラック「キャリイ」や「エブリイ」から流用したというリア・アクスルは、かつてのロータス セブンの中でも最も評価が高い「シリーズ 3」と同じ位置になるように設計され、ケータハムのエンジニアによってダブル・トレーリングアームにラテラルロッドを加えた5リンク式サスペンションが与えられている。さらに日本の軽自動車規格に合わせるために採用された細目のタイヤ(エイヴォン製155/65R14)と幅が狭められたリア・フェンダーは「軽量化にも貢献」し、「ノスタルジックなスリルが味わえる」そうだ。「ジムニー」でお馴染みのスズキ製658ccK6A型直列3気筒ターボは最高出力80ps/7,000rpmと最大トルク10.9kgm/3,400rpmに(ECUで)チューンされ、最高速度160km/h、0-100km/h加速6.9秒と、クルマの"造り"考えれば充分以上な動力性能を発揮する。それだけでなく「最も効率が良く、最も環境性能が高い」このスズキ製エンジンを積むセブンは、平均燃費20km/Lを達成。CO2排出量114g/kmという数値は、ドイツでは電気自動車と同じクラスに分類され、税金が安く済む(1,600ccエンジンを積むセブンの約半額だとか)ためすでに大人気となっているそうだ。どこでも事情は似たようなものらしい。トランスミッションは、これもスズキから供給を受ける5速マニュアルのみの設定。2駆状態のジムニーやキャリイと同じく後輪駆動である。



今回の発表会では、ケータハム F1チームから2014年シーズンのF1参戦が決まっている小林可夢偉選手も登場。可夢偉選手はエントリー・モデルであるこのセブン 160と、最高性能のセブン 620Rをシルバーストン・サーキットで試乗したという。

「620Rはパワーもグリップもあるので、限界が高いと同時に恐怖感もある。コースの方が楽しめる」のに対し、「160はパワーがない分、怖くない。誰が乗っても楽しく乗れると思う。コースでもロードでも楽しめる」とその違いを説明してくれた。さらに160について「笑うくらい何も付いていない。ABSもデフ(リミテッド・スリップ・ディファレンシャル)もない。勝手にドリフトできます。最近の一般車って、電子制御でコントロールされていて、"クルマ"っていうよりも"トランスポーテーション(移動手段)"って感じでしょ。クルマがドライバーをコントロールしているような。セブン 160に乗ったら"ああ、これがクルマだな"って思った。ドライバーがクルマをコントロールする。今の時代にこういうクルマがあることを誇りに思う」と語った。ただし、記者席から「F1より楽しいですか?」という質問が飛ぶと、即座に「そりゃF1の方が楽しいです(笑)」と答えていた。「F1は乗るのは楽じゃないんですけれど、クルマの開発とか、一流のエンジニアと一緒に働けるところ、そういうところがF1の"美味しさ"だと僕は思っているので」とのこと。その美味しさが確かな成果につながることを祈りたい。この日は同時に鈴鹿サーキットを運営するモビリティランドの方から、今年のF1日本GPでは来場者全員に「可夢偉応援グッズ」が配られることも発表された。それにしても流石に可夢偉選手、スポーツカーがよく似合う。



この日、駐日英国大使館の中庭に置かれたセブン 160は2台。早速「160」の黄色いナンバー・プレートが付けられていたが、これは実は展示用のダミー。軽自動車規格セブンの誕生に大きく貢献された(前回の記事をご参照)ケータハムカーズ・ジャパンのジャスティン・ガーディナー氏がお乗りになっている愛車ジムニーのものを(展示用に)取り付けてみたそうだ。実際にはまだ排ガス検査を通していないので、ナンバーは付かないという。マフラーも日本仕様はサイド出しではなく、パイプが追加されて車体後部へ回される。ブルーのボディ・カラーや、フロント・ウインド・スクリーンとロールバー、レザーシートはオプション。もう1台の車両に見られるアルミ無塗装ボディ・パネルとグリーンのフェンダー、ノーズコーンが標準仕様となる。フェンダーとノーズコーンは樹脂自体に色が付いているため、塗装されているわけではない。グリーンの他にブラック、イエロー、レッドが選べる。ただし、アルミ・ボディはケータハムカーズ・ジャパンの方によると「キズが付きやすいし、手入れが大変なのであまりお勧めしない」とのこと。ボディのオールペイントを注文すると、塗装は納車前に日本で行われるため「イギリスで塗ったものよりクオリティや耐久性が高い」そうだ。注文があればどんな色にも塗ることは可能だそうで、「フェラーリの赤でも、ランボルギーニの50周年記念モデルと同じカラーなんて注文にも応じることができる」という。標準仕様では、気持ち程度の風よけ「エアロスクリーン」とクロス・シートが装備される。モモ製ステアリング・ホイールも標準装備だ。



ちなみに64psではなく80psになった理由は、イギリス本国のケータハムが、80psで認証を取得したから。「64psでも(申請を)出してくれって言っておいたんですが、なぜか出されていなくて(笑)」と仰るが、日本のファンにとっては80psの方が嬉しいことは確かだ。80psで出すと決めた顛末については、日本の自動車メーカーとの間で、ここには書けない(書かないでと言われた)興味深いやり取りがあったようなのだが、その辺は読者の皆さんに察していただきたい。

車両本体価格は為替変動のためか若干の変更があり、改めて消費税別で365万円と発表された。現在既に予約が38台ほど入っており、今これから注文しても納車は年末になるという。それでもこのセブン 160にはケータハムカーズ・ジャパンのガーディナー氏が貢献したため、日本へ多く割り当てを回してもらっているそうだ。




黄色いナンバー・プレートが付くと何故か細いタイヤが目に付き、妙に可愛らしいクルマに見える気もするが、以前も書いた通り、各部の質感はもっと価格が高いセブンと変わらない。軽自動車だと思えば税込み400万円は確かに高い。しかし、かつてのフォード製「ケント・エンジン」を搭載していたセブンあたりに憧れた方なら、充分リーズナブルに思えるのではないだろうか。少なくとも維持費は昔より格段に安く済むはずだ。気になった方は文末のリンクから公式サイトをご覧の上、是非お近くの販売店で実車をご覧になる(もう少し先のことになるだろうが)ことをお勧めしたい。もっとも、このカタチとスペックに惹かれ(てしまっ)た方なら、今すぐに注文してもおそらく後悔はしないはず。軽自動車セブン誕生の経緯については、先日書かせていただいた以下の記事も合わせてお読みいただければ幸いだ。

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ケータハムカーズ・ジャパン公式サイト


By Hirokazu Kusakabe

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