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筆者は遠回しな言い方をするつもりはない。目的地までのルートにわざわざ長い時間をかけ、美しい景色を求める人にとって、マツダの新型「マツダ3」(日本名:アクセラ)は、他のコンパクトカーを判断するための新しい"物差し"となるクルマだ。もちろん、マツダ3がすべての買い手にとって正しい選択というわけではない。

筆者がこのように考えた理由や経緯についてはこれから説明するが、先に敢えていうなら、マツダが「CX-5」や「マツダ6」(日本名「アテンザ」)、そしてその小さな兄弟車である今回の試乗車を徹底的に作り込んだことにある。新型マツダ3はシャシーからエンジン、その他あらゆる部分を完全に新しく総体的な方法で洗練させた。ホンダ「シビック」フォード「フォーカス」など完成度の高いライバル車と張り合うために、新型マツダ3は主要コンポーネントからパーツの一つひとつ、そして自動車の製造に必要なプレスやボルト、溶接に至るまで、その全てを見直している。

我々は晴れたサンディエゴの街で一日かけて、マツダ3のセダンとハッチバック、それぞれ2.0リッターと2.5リッター4気筒エンジンのモデルを試乗し、競争の激しいセグメントにおいて、マツダ3がどの程度の車であるか検証した。試作モデルではあったがハッチバックにはすでに試乗しているので、今回はセダンに焦点を絞った。また、マツダ3と比較するために、試乗の合間にマツダ3のライバル車にもそれぞれ乗ってみた。続きを読んで筆者が発見したことを確かめてほしい。




新型マツダ3は写真で見ても素晴らしいが、そのフォルムは実際に間近で見た方が、美しさが伝わってくる。マツダ3はマツダの「魂動(こどう)」デザインが採用された最新モデルで、筆者がとても魅力的だと思っているCX-5とMazda6と多くの共通点を持つ。あるクルマが他のクルマのコピーのように見えると言うのは決して褒め言葉ではないが、いい知らせもある。それはクロムのアンダーラインが入った五角形グリルや、フェンダーとリアの筋肉の盛り上がったようなシェイプなど、マツダの最新の哲学を体現したデザインは、他のどのモデルよりもマツダ3によく合っているということだ。一方、ハッチバックは横から見るとウィンドシールドの底部からフロントフェイスまでの間がとても長く感じられ、プロポーションについてあまりいいとは言えない。Autoblogチームの中でも意見は分かれたが、筆者の目には、わずかの差でセダンの方がハッチバックより魅力的な選択肢に思える。

新型マツダ3は先代モデルに比べ、全長が2インチ(約51mm)ほど短くなっているが、ホイールベースは2.4インチ(約61mm)長くなっており、快適性の向上が図られている。全幅は1.6インチ(約41mm)広がり、全高は0.5インチ(約13mm)ほど低くなったことで見た目はスポーティになり、曲がりくねった道でもより軽快な走りが堪能できる。しかしホイールベースが長くなっても後部座席のレッグルームやトランクスペースは広くなっていない。新型マツダ3の後部座席の広さは35.8インチ(約91cm)でシビックとほぼ同じだが、同クラスのフォルクスワーゲン「ジェッタ」トヨタ「カローラ」のほうが断然、広い。トランク容量は12.5立方フィート(約350リットル)でシビックやカローラと同程度だが、シボレー「クルーズ」やジェッタよりは狭い。




新型マツダ3に乗り込めば、マツダがデザインと技術の両面でライバル車を引き離すために手を尽くしたことが分かる。実際のところ、マツダによればインテリアはBMWの新型「3シリーズ」に対抗するものを目指したという。そう言った後、すぐに彼らはマツダ3のインテリアが3シリーズと互角に張り合えるとは期待していないが、3シリーズを目指しただけの価値はある出来栄えになった、と付け加えている。特筆すべき新しい装備はセンタースタックの真上のダッシュボードの目立つ場所に設置された7インチのディスプレイと戦闘機パイロットの気分が味わえるアクティブ・ドライビング・ディスプレイだ。

マツダはライバルメーカーのインフォテインメントシステムを数多く調査したが、「とても良い」と思えるものは1つも見つからなかったという。マツダのエンジニアによれば中には"お粗末"な代物もあったそうだ。そこでマツダはドライバーの視野や意識の妨げにならず、手を使った難しい操作が不要ということを目標に独自のインフォテインメントシステムの開発に取りかかった。

こうして誕生したインフォテインメントは可能な限り常識的なアプローチが取られている。センタースタックの左側にはすべて運転の際に必要な操作ボタンだけが設置され、それ以外のものはセンタースタックの右側、もしくはドライバーから離れた場所に設置されている。メインのLCDスクリーンは画面を直接タッチするか、前席の間にあるコマンダーコントロールを使って操作が可能だ。マツダのエンジニアによれば、新しいインフォテインメント技術のベースに数学を用いたという。コマンダーコントロールの操作ボタンを3つにしたのは、人間が見ずに操作できる平均的な数が"3"だからだそうだ。また、7インチディスプレイに最大7つの項目しか出ないようにしたのも、人間が瞬時に理解できる最大の数だからだという。フォントサイズも同様に運転中の使用を考慮して最適化されている。




マツダの新しいデバイスを操作するのに何のトラブルもなかった。機械マニアを除くほぼすべてのオーナーを満足させる見事な仕上がりとなっている。とりわけ、前述したアクティブ・ドライビング・ディスプレイはすばらしい出来だ。起動すると小さな透明のプラスチックのスクリーンがダッシュボードの上から立ち上がり、車速や進路の方向などが映し出される。他のメーカーのヘッドアップディスプレイとほぼ同じ機能だが、マツダは投影機の位置を細かく調整することによって光の反射や画像のゆがみを最小限に抑え、その価値を高めている。これはかなりすごいことだ。

筆者は新型マツダ3の走りも気に入った。最初にほのめかした通り、マツダ3はコンパクトカーセグメントの中でドライバーにとって最高の車だ。ラックマウント方式の電動パワーステリングユニットや、評判のよい「RX-8」や「MX-5 ミアータ」(日本名:ロードスター)とまったく同じフロントサスペンションのジオメトリーのおかげで、運転は大いに楽しい。マツダはこれほどアグレッシブなキャスター角を持つ前輪駆動車は他には存在しないと強調している。おそらく、マツダ3のステアリングの設定を任されているエンジニアのデイブ・コールマンがル・マン24時間レースをもじった「レモン(LeMons)24時間レース」の常連レーサーであることから、パワーステアリングのないレースカーのようなドライブフィールを狙ったのだろう。さらに興味深いのは、電動パワーステアリングの採用を避けることによって"燃料を無駄にすることはできない"という理由で、マツダが油圧式を検討さえしなかったことだ。

ベースモデルのホイールは16インチで、上位モデルになると18インチにサイズがアップする。絶対的なハンドリング性能を求めるなら18インチを選ぶのが賢明だ。その方がホイール・アーチに合っていて見栄えもよい。2.5リッターモデルのフロントスプリングがわずかに堅いセッティングになるのを除けば、どのエンジンモデルを選んでもサスペンションのセッティングは共通している。つまり、マツダ3のドライバーはどのエンジンモデルを選ぼうと、同じ切れのあるハンドリングと素早いレスポンスを楽しむことができるというわけだ。




「SKYACTIV」テクノロジーによる新型マツダ3のエンジンは、北米では2つの選択肢が用意される。ベースとなる2.0リッターは最高出力155hp、最大トルク20.7kgmで、トランスミッションは6速のマニュアルとオートマから選べる。エントリーレベルとしてのスペックとして考えれば、この2.0リッターは十分以上のパワーがあり、しっかりと洗練されている。車好きの人なら、最高出力184hp、最大トルク25.6kgmを発揮する2.5リッターもお勧めだ。

この2つのエンジンはどちらも「SKAYACTIV-G」のファミリーだが、実質的には主要コンポーネントを共有していない。マツダはこのことについて、車の開発における総体的なアプローチの一例としている。それらはコストと開発の妥協案として1種類のものを別のユニットから流用するのではなく、ボアとストロークの比率のように、それぞれのエンジンに特有のものとして選ばれる。つまり、それぞれのエンジンサイズに固有のブロックとクランクシャフトが必要となり、ひいては生産技術の見直しが求められる。マツダのエンジンは現在、非常に高度なロボット装置がコンピューター数値制御を行い機械加工している。それぞれの機械はどのエンジンの組み立てにも対応しており、45工程あった機械加工をたった4工程にまで減らした。さらにマツダはどの工場でも生産台数の調整が思いのままで、市場の変化に容易に対応することが可能だ。

この新しいエンジンシリーズはパワーと効率性が最適化されており、それらを搭載するためにマツダはこれまで用いられていた生産技術をいくらか変えなければならなかった。我々の意味することの一例として、下のビデオを見てほしい。















我々は2.5リッターエンジンの方をとても気に入った。2.0リッターモデルと同じようにスムーズで洗練されており、どの回転域においても見事なパワーを発揮する。言い換えれば、パワーやトルクの性能曲線上に低下やバラつきがまったくないため、運転のしやすさと極限域のパフォーマンスが高められている。おまけに効率性も素晴らしい。米国環境保護庁(EPA)によれば、2.0リッターと6速ATを組み合わせたマツダ3セダンの燃費は市街地12.75km/ℓ、高速道路17.43 km/ℓ、複合モード14.45 km/ℓで、さらにパワフルな2.5リッターでは市街地11.90km/ℓ、高速道路16.58 km/ℓ、複合モード13.60 km/ℓとなる。これらの数値はトランスミッションの選択やハッチバックかセダンを選ぶかによって変わるが、いずれにせよ、エンジンがこれほどのパワーを発揮することを考えれば感動的な数字だ。

マツダ3の2.5リッターモデルの中には「i-Eloop」というぎこちない名前のついたエネルギー回生システムを搭載するモデルがある。このデバイスは、ドライバーがアクセル・ペダルから足を離した時に減速エネルギーを電力として回収し、再利用できるようにキャパシター(バッテリーに比べ重量が軽く、信頼性が高い)に充電してくれる。こうすることで、エンジンが長時間、発電せずにすむため、負荷が減り、燃費向上につながっている。

EPAのテストでは、補助システムからくる電気負荷がほぼない状態で走ったので、i-Eloopによる走行距離の向上は反映されていないが、実際の距離(燃費?)は5パーセントほど伸びることが予想される。マツダは我々にi-Eloopのキャパシターはココナッツとアルミホイルでできており、重さは20ポンド(約9kg)で、車が寿命を迎えるまで十分な耐久性と信頼性を発揮すると話してくれた。我々がそのことについて言及する余地はない。



ドライバーがアクセルを離した時にi-ELOOPがエネルギーを回生するが、完璧に控えめで、一般的なハイブリッド車のようにブレーキペダルから奇妙な感覚がするということもなかった。それどころかこのブレーキは性能に優れ、ペダルは制動力がコントロールしやすい。風切音はこのクラスで一番静かだとは言えないが、アクティブエアシャッターを装備したセダンのCd値は0.255と称賛に値する数字のおかげで、悪くはない。ハッチバックのCd値は0.275とセダンより少し低く、走行中はセダンよりほんのわずかにうるさい。どちらのエンジンも大きな騒音を出さないが、加速するとかすかな風切音とともにタイヤの音が聞こえてくる。

マツダ3のベースモデルとなる2.0リッターエンジン "i SV"にMTを組み合わせると価格は16,945ドル(約175万円※別途発送料795ドル)。上位モデルとなるマツダ3"s Grand Touring"モデルの店頭表示価格は$25,595ドル(約268万円)で、シートヒーター(運転席はパワーシート)、フルオートエアコン、インフォテインメント"マツダ コネクト"、ムーンルーフ、キーレスエントリー、オーディオシステムといった装備が搭載される。ハッチバックの場合は全体的に値段が上がる。また"s Grand Touring"にはさらに「i-ACTIVSENSE(アイ アクティブセンス)」と呼ばれる安全技術をオプションでつけることができる。パックに含まれるのはマツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)、スマート・ブレーキ・サポート(SBS)、フォワード・オブストラクション・ワーニング(FOW)、車線逸脱警報システム(LDWS)、ハイビーム・コントロールシステム(HBS)、カーブなどで視界を向上させるアダプティブ・フロントライティング・システム(AFS)などだ。スマート・シティ・ブレーキ・サポート(SCBS)も含まれ、約2~19m/h(4~30km/h)での走行中、衝突が差し迫っていると判断すると自動でブレーキをかけ、衝突時のリスクを減らす。



新型マツダ3はコンパクトセグメントにおいて、値段の安さや、乗り心地のよさ、インテリアの広さについては一番ではない。あなたがこれらの要素を優先するなら、フォード「フォーカス」や起亜「フォルテ」、ホンダ「シビック」、フォルクスワーゲン「ジェッタ」といったライバル車の方がいいだろう。車にこだわりがないが信頼のおける移動手段が必要なドライバーにはトヨタ「カローラ」がある。こうした理由からこれらの車を選ぶことは悪いことでもなんでもない。しかし、おそらく比較的少数派であろう筆者のような人間にとって、新型マツダ3は他のどのライバル車よりも走る楽しみを与えてくれるクルマだ。それにデザインも魅力的で、値段もお手頃、そしてイカしたテクノロジーと安全装備を搭載している。

できるかぎり簡潔に言うと、新型マツダ3は我々にとってコンパクトクラスで一番のお気に入りの車だということだ。

【基本情報】
エンジン:2.0リッター直列4気筒
パワー:最高出力155hp/最大トルク20.7kgm
トランスミッション:6速AT
最高速:130mph(約209km/h)
駆動方式:前輪駆動
車体重量:1,292kg
座席数:2+3
荷室容量:350ℓ
燃費:市街地30mpg(約12.75km/ℓ)、高速道路41mpg(約17.43km/ℓ)
ベース価格:1万6945ドル(約175万円)
試乗車価格:2万4985ドル(約258万円)

By Jeremy Korzeniewski
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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