先日開催された東京モーターショーで、三菱自動車は3台のコンセプトカーを出展。その中から次期型「パジェロ」と次期型「RVR」になるという2台について、お話を伺った。

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まずは「次世代ラージSUVとしてのコンセプト」、すなわち次期型パジェロにつながる「MITSUBISHI Concept GC-PHEV」。フロントに縦置された最高出力340psの3.0リッターV型6気筒スーパーチャージャー付き「MIVEC」エンジンに、95psを発生するモーターを組み合わせたパワー・ユニットから、8速オートマティック・トランスミッションと副変速機を介して4輪を駆動する。通常走行時にはモーターがエンジンを「パワーアシスト」するわけだが、車体後部の荷室フロア下に積まれた大容量バッテリーが満充電されていれば、電気の力のみでも最大40km以上の距離を走行可能だとか。全長4930mm × 全幅1940mm × 全高1980mmという巨体(車両重量は未発表だがかなり重いはず)にも関わらず、15km/リッター以上という目標燃費を掲げる。



開発者の方にお話を訊いた。

パジェロといえば、世界中の様々な環境下で使われているSUVです。地域によっては、複雑なプラグインハイブリッドEV(PHEV)システムのメインテナンス等について、心配があるのでは?

「このシステムなら、いざとなったらエンジンだけでも走れますから。それに次期型パジェロのことですが、PHEVのみになってしまうわけではなく、エンジンだけを搭載するモデルも発売されると思います」

今後、日本を含む先進国で販売されるモデルはPHEVが中心になっていくのでしょうか?

「こういう大型で重い4駆のSUVで、燃費向上が求められる場合には、やっぱりPHEVになると思うんですよね」

将来的にはPHEVのパジェロでパリダカ参戦、なんていう可能性もありますか?

「いや、それは難しい。モーターは全開にするとあっという間に電池がなくなりますから、あとは重りを積んで走っているだけになってしまうわけです。参戦するならやっぱりパイクスピークのような競技でしょうね。あれは10分で勝負が着きますから。あとは、スピードだけでなく燃費を競うようなレースがあれば面白いでしょうけど」



次はもっとコンパクトなSUV、次期型RVRになるという「MITSUBISHI Concept XR-PHEV」。こちらは「FFタイプのプラグインハイブリッドEVシステム」と言われる通り、フロントに横置きした最高出力136psの1.1リッター直列3気筒ターボ「MIVEC」エンジンと、それを上回る163psを発揮する電気モーターの組み合わせで前輪を駆動。基本はあくまでもバッテリーとモーターのみによるEV走行で、電池残量が少なくなったり高出力が必要なときはエンジンが始動して発電機としての役割を果たす。さらに高速走行時などではモーター+エンジンによる駆動も可能というフレキシブルさが特長だ。これらの走行モードは状況に応じて自動的に切り替わる。バッテリーは荷室ではなく、車体フロア下に低く積まれているため、低重心で「思いのままに操れる」運転の愉しさも感じられるという。

見た目はカッコイイが、本当にこのカタチが次期型RVRになるのだろうか?
そう尋ねると、三菱の人は笑顔で「期待してください」という。


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市販化の時期はいつ頃ですか?

「いま、バッテリーの耐久テスト中なので、2〜3年後といったところでしょうか」

燃費はどのくらいになります?

「目標燃費は28km/リッター以上です。EV走行による航続可能距離は85km以上。ただし、モーターやバッテリーは進化が速いので、市販化される際にはまた違ってくる可能性もあります」

もっと伸びるかもしれないのですね。

「ええ、でも新しいバッテリーをそのまますぐに採用できるわけではないのでね」

三菱にはすでに「アウトランダーPHEV」という市販モデル(332万4,000円〜)がありますが、こちらは2輪駆動だしエンジンも小さいから、価格はもっと安くなります?

「安くなります。航続可能距離も長くなりますよ」

今回発表された3台のコンセプトカーは、どれもSUVですよね。今後、三菱はSUV中心のメーカーとしてやっていくというお考えですか?

「SUVは車高が高いから、PHEVのベースに便利なんです。床下にバッテリーが積めますからね」

将来的には「ランサーエボリューション」も、例えば独立したモーターによって後輪を駆動するようなPHEVになるのでしょうか?

「それは担当者じゃないので何とも言えませんが...。可能性はありますよね。実は私、かつてPWRCのランサーに関わっていたこともあるので、個人的にはやってみたいと思っています」

ありがとうございました。そちらも楽しみにしています(笑)。



これまで「ハイブリッド」といえばエンジンのアシスト的な存在だった電気モーター+バッテリーが、三菱のPHEVでは駆動装置の主役に躍り出ようとしているのが感じられた。近い将来にハイブリッドカーや電気自動車は、最近のパソコンやスマートフォンのように、年々急速に性能が上がって価格は下がり、過去のモデルはたちまち価値が低くなってしまうという、そんな時代が来るのかも知れない(もう来ているかも知れない)。せめてモーターとバッテリーは、エンジンをオーバーホールする程度の費用で、最新型にアップデートできるようになればいいのだが。そうでないと"クルマ"が可哀相...と思う筆者だって、10年も前に買ったパソコンはとっくにガラクタと化している(捨てられないんですけど)。パワートレインの変革は、クルマに対する我々の価値観や態度や感傷をも、大きく変えることになりそうだ。

三菱自動車 東京モーターショー2013 スペシャルサイト
http://www.mitsubishi-motors.com/jp/events/motorshow/2013/tms2013/


By Hirokazu Kusakabe

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