【東京モーターショー2013】日産の「ブレードグライダー」は2020年までに市販化を目指す!
日産東京モーターショー2013に出展したコンセプトカー「ブレードグライダー」。2012年のル・マン24時間レースに出走した「デルタウイング」を思わせる三角形の車体に「リーフ」と同じモーターを搭載するこのアグレッシブな電気自動車は、公道走行を想定しているだけでなく、市販化も計画されているという。日産で先行車両開発に携わるエンジニアの方にお話を聞いた。

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このブレードグライダーは、あのデルタウイングを彷彿させますが。

「基本コンセプトはベン・ボウルビーという人物が手掛けたニッサン ZEOD RC(2014年のル・マン24時間レースに出走を予定しているレースカー)ですね」

ボウルビーさんといえば、元々デルタウイングのコンセプトを発案した人ですよね?

「今は日産もボウルビーもデルタウイングから離れたため、権利関係からその名前は使えないのですが。まあ、レースの世界ではよくあることですけど」




なるほど、そういうわけですか。ところで日産は毎回、東京モーターショーで面白そうな電気自動車のコンセプトカーを出展していますが、いつになったら市販化されるのでしょう?

「このブレードグライダーは、東京オリンピックの頃(2020年)までに市販化することを目指しています」

それは開発に関わっている方々が、市販化したいな、と思っているだけではなく、カルロス・ゴーン社長からもGOサインが出ているのですか!?

「ゴーン自身がそれを望んでいますから。彼は常に"EVにしかできないことにチャレンジしろ"と言っています。まず我々は、リーフでこれまでになかった量産電気自動車というものにチャレンジし、それを実現しました。次はEVならではのドライビング・プレジャーが感じられるクルマ。それをこのブレードグライダーで実現させます」




このカタチのまま、市販化するおつもりですか?

「三角形状はそのまま市販化します」

ルーフのないスタイルもこのままですか?

「いいえ、ルーフは付きます。やっぱりそこは量産車メーカーとしての安全基準が求められますから。ただ、オープントップにはしたいので、コンバーティブルは考えています」

ドアも変更されます?

「いや、こういうクルマなんで、お客様が求めるのであれば、このくらい派手でもいいんじゃないかと(笑)」

3人乗りなんですよね?

「ドライバーが中心に座るセンター・コクピットで、その両脇後方に2名分のシートがあります。タイトだけれど、ちゃんと3人乗れますよ」




ドライブトレインは?

「モーターはリーフと同じですが、バッテリーの容量はアップしています」

モーターの出力もリーフと同じですか?

「はい。EVは出力を上げるとそれだけバッテリーを消費しますから、モーターのパワーを上げるよりは軽量化と空力でパフォーマンスを上げるというコンセプトです。同じモーターでも車両重量はリーフの3分の2ですから」

当然、後輪駆動なんですよね?

「そうです。車体後部のモーターが後輪を駆動します。重量物であるバッテリーはリア・アクスル前に積んで駆動輪に荷重を掛ける設計です」

EVではエンジンの代わりであるモーターよりもバッテリーの方が重いわけですから、言わば、バッテリー・ミドシップ、ですね(笑)。軽量ということは、ボディにカーボンファイバーの使用も想定されているのでしょうか?

「そうですね」

そうすると価格はかなり高くなりそうですが。

「でも1,000万円以下でないと、と思っています」

その価格で出来そうですか?

「カーボンファイバーについては他社が(量産車に採用するということを)やっていますからね。日産にも出来ないはずはないだろうと。あとモーターとバッテリーのコストダウンがかなり進んでいますから。最初にリーフを出したときと比べても、だいぶ下がってきています」

デルタウイングが展示されていた今年の東京オートサロンで、私は日産の方に「これのロードカーを作ってください」とお願いしたことがあるのですが。

「じゃあ、これがまさにそうですね(笑)」

是非、今後数年のうちにZEOD RCにはそれなりの戦績を挙げてもらって、2020年のル・マン24時間レースが開催されるサルト・サーキットで市販モデルを公開、となって欲しいですね(笑)。ありがとうございました。市販化を楽しみにしています。




...と、東京モーターショーではお話を伺ったのだが、実はその後、現在デルタウイングの権利を有する組織・企業などのグループが、日産とボウルビー氏らを相手取り、機密保持契約違反や知的所有権の侵害、企業秘密の悪用などによる損害賠償と、三角形状およびウイング形状車両の使用差し止めを求める訴訟を起こしていることが明らかになった。今後は「デルタウイングの名前を使えない」だけでなく、「まったく新しいデザインである」ことを証明しないと、ブレードグライダーの市販化は難しいことになりそうだ。無事に発売まで漕ぎ着け、その独自の運転体験「グライディング感覚」というものを味わえる日が来るように願いながら、とりあえず今は想像膨らむ公式ビデオをどうぞ。


By Hirokazu Kusakabe



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