【東京モーターショー2013】ホンダの次世代軽スポーツ「S660」について、担当者に訊いてみた!
ホンダが現在開催中の第43回東京モーターショーで発表した軽自動車のオープン・スポーツカー「S660 コンセプト」。伊東孝伸社長の話では「2015年に量産化を目指す」という。早速開発を担当された方々にお話を聞いてみた。

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軽自動車・オープンカー・ミドシップという3つの特徴的な共通点から、ホンダが1991年に発売した「ビート」(下の画像:左)の後継車と囁かれている「S660」。しかしそのネーミングは、もっと時代を遡り1960年代に作られた傑作小型スポーツカー「S500」「S600」「S800」の系譜(下の画像:右)に繋がることを示唆している。



「我々はビートの後継とは言っていませんから」ホンダの方はそう仰る。

しかし我々は、特に私自身が以前ビートを所有していたこともあり、期待を込めてそう呼んだりしています。そんなかつてのビートの素晴らしさをよく知る人間が乗ったとき、がっかりさせない自信はありますか?

「そりゃもう、絶対がっかりさせません」

気になるのはルーフがどうなるか、ということです。このコクピット背後のリアのスタイルはそのまま市販モデルにも残るのでしょうか?

「出来るだけ残そうとして色々やっていますけど、軽の枠・価格帯というものがありますから、結構大変です」

電動ハードトップはないですよね?

「重くなりますからねぇ。でもまあ、色々な可能性を検討しているところです」

トランスミッションは? この出展車両はパドルシフト付きCVTのようですが。3ペダルのマニュアルも用意されますか?

「他のモデルと共有できるかどうか、ということですよね。このクルマのためだけにマニュアルを開発することは難しいですから...」

(ここで横にいらっしゃった某著名自動車評論家の方が「でもやらなきゃならない」と仰る)

「例えばN-ONEとか、他のモデルにも(MTを)設定できるかどうか、とかね。そこまで考えて、いま検討中です」

サスペンションは?

「それもまだ未定です。軽規格サイズ、660cc、ミドシップ、オープン。決まっていることはそれだけだと思ってください」

発売は2015年ですよね。ということは次回の東京モーターショーでは市販型が見られる?

「次回も10月とか11月とかなら、その頃には見せられないといけませんね」

価格についてはいかがですか?

「うーん...。まあ、軽自動車として、200万円を越えるわけにはいかないでしょう」

このまま妥協なく作り込んで、余裕のある大人向けに250万円で出す、なんてお考えは?

「それは難しいでしょ。だって、S2000がいくらでした?(笑)」

ホンダは9月に、新デザイン・アイデンティティとして「ソリッド・ウイング・フェース」というものを打ち出しましたよね。これをミドシップ・スポーツカーに適用することについてはいかがでしたか?

フィットに似てるとか言う人もいるんですよねぇ。まあ、その辺はエクステリア担当の者に訊いてください」



というわけで、次にエクステリア・デザインを手掛けた方にお話を伺った。

せっかくのミドシップ・スポーツカーなのに、FFハッチバックであるフィットと同じアイデンティティを"顔"に持たせなければならないということは、不満ではありませんでしたか?

「何だってそうだと思うんですよね。制約の中でベストを尽くす。それだけです」

特別なクルマなんだからもっと自由にやりたい、という思いは?

「個人的には、自由にやるよりも、メーカーのアイデンティティを守る方が大事だと思います。それに(ソリッド・ウイング・フェースを)上手くまとめたと思っていますが」

確かに上手くデザインされていると思います。でもミドシップらしくフロント・グリルはもっと小さくしたい、とか考えませんでしたか?

「ミドシップでも冷却のためにフロント・グリルは必要ですから」

ナンバー・プレートはどこに付くんですか?

「冷却や空力の観点から、いま調整中です」

ボディ・サイドの下の方に小さなエア・インテークが開けられていますが、あれだけで足ります?

「あと、ヘッドレスト横から(エンジンにエアを)取り入れます」

ホンダとしてはビートの後継ではない、とのことですが、ビートのデザインは意識されませんでしたか?

「まったく意識していません。ただ、ホンダのスポーツカーの作り方として、共通する部分はあると思います。例えば低く見せるためにAピラーを黒く塗るとか」

新型NSXと似たデザインにしたということは?

「同じ南という人物(グローバル・クリエイティブ・ダイレクターの南 俊叙氏)が見ているので、似ている部分はあるかも知れませんが、敢えて似せてデザインするようにと言われたわけではありません」

コクピット後方のデザインはあのまま市販化できますか? 市販されたらあの代わりにビニール製の幌が折り畳まれていた...なんてことはない?

「全体のデザインは90%、このまま出します。リアもイメージは崩しません」

と、嬉しい確約をいただいたところで、それまで横で心配そうに聞いていらした広報の女性から、「そろそろ時間が」とストップを掛けられてしまった。ガードが堅いんですね、と言ったら「すみません」と仰っていたので、時間云々という問題だけでもなさそうだ。



インテリアは完全に2ペダル前提。センター・コンソールのデザインは斬新でカッコイイが、あれでは(もしMTが設定されたとしても)シフト・レバーを操作するときに邪魔になるだろう。ナビゲーション・システムやオーディオも、このままでは装着するスペースがない。市販化の際にはどれだけこのスマートなイメージが保てるか、エクステリア以上に少々心配。タコ・メーターのレッドゾーンはN-ONEのターボ・モデルより僅かに(300rpmほど?)引き上げられている。



今回の東京モーターショーでホンダが掲げたテーマは「枠にはまるな。」しかし、S660の開発には「軽自動車」という厳しく規定された"枠"がある。厳然とした枠の中で、枠にはまらないクルマを作る難しさ。市販に至るまでには、まだクリアしなければならない問題も少なくないのだろう。担当された方々のやや硬い表情から、そんな印象を受けた。とはいえあと2年、我々にとっては非常に長く、彼らにとっては極めて短く感じるに違いない時間を経て、S660は日本の路上を走り出す。販売店に行けば、誰でも試乗できるようになるはずだ。かつてのビートが持っていた、9,000rpmまで回るエンジンや手首の動きだけで決まるシフトなどの美点をすっぱりと忘れさせてくれるほどの、まったく新しい魅力を持つマイクロ・スポーツカーが誕生することを期待したい。


By Hirokazu Kusakabe (Facebook)

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