関東地方に台風が迫っていた9月15日、群馬県高崎市の榛名湖周辺でクラシックカー・ミーティング「スプレンドーレ榛名」が開催された。「伊香保おもちゃと人形 自動車博物館」主催のこのイベントは、クラシックカーといっても参加資格が"1989年までに生産された国産車・外国車"と幅広く、出場車両は実にバラエティに富んでいた。生憎の天候の中、果敢に集まった美しく懐かしいクルマたちを、いくつかご紹介させていただこう。今回はその「外国車編」。

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まずは稀少なイタリア車から、1953年にフィアットが発表した小型乗用車「1100」をベースに、チューニングされたエンジンとピニンファリーナによる美しいクーペ・ボディが与えられた「1100TV ピニンファリーナ」。このクルマとオーナーの方は、イタリアで開催されている復刻版ミッレ・ミリアにも出場したそうだ。由緒正しいことを示すA.S.I.(イタリア クラシックカー協会)のゴールドプレートが実に眩しい。「TV」とは「トゥーリズモ・ヴェローチェ」の略で、つまり「速いツーリングカー」。もちろん当時は実戦でも活躍し、「リトル・ボム」なんてニックネームで呼ばれたそうだ。




続いて、ボルボが1960年に発表した流麗なスポーツ・クーペ「P1800」。デザインを手掛けたのは、後にヨットでオリンピックやワールドカップのメダルを獲得して有名になるペレ・ペッテルソン氏。今回の出場車は1972年型で、オーナーの方は「もう30年以上も所有している」そうだ。ヘッドランプに付けられたストーン・ガードや、その横にフォグランプを追加するという、控え目でセンスのいいラリーカー風モディファイが施されているが、オリジナルでないのはこのフォグランプだけ。同年代に製造されていたボルボのサルーン「アマゾン」用のものを流用して装着されたそうだ。あとはホイール等も含め、ノーマルのままだとか。アメリカには同型のクルマで480万kmという走行距離を達成した人もいる。




次はイギリス・フォードが1959年から1967年まで製造していた4代目「アングリア」。『ハリー・ポッター』で空を飛んだあのクルマだ。ルーフ後端から前方へ一般とは逆方向に傾斜するCピラーのデザインが特徴的。これは雨の日でも後方視界をクリアに保つ(つまり、リア・ウインドウに雨粒が残らない)という効果を狙ったものだと言われている。グリーンとアイボリーで塗り分けられた車体は実に綺麗で、まるで新車のようなコンディションだった。ここまで愛情を掛けられた大衆車は幸せだろう。




同じイギリス・フォードから1962年に発売された4ドア・サルーン「コーティナ」に、翌年ロータスがツインカム・エンジンを搭載した「ロータス・コーティナ」。もちろんその目的はレースやラリーで勝つため。白に緑の...いや、オールド・イングリッシュ・ホワイトのボディに、ブリティッシュ・レーシング・グリーンのフラッシュ・ラインが、サイドからリアにかけて入れられたこのカラーリングは当時のいわゆるワークス・カラー。というか、これ以外のカラーで塗られたロータス・コーティナは見た記憶がない。日産ではなくプリンス自動車の「スカイライン GT」よりデビューが1年早いということで、こちらが元祖"羊の皮を被った狼"か。




それから少し後、ロータス自身が造り上げたミドシップ・スポーツカーが「ヨーロッパ」。ただし、コーティナを狼に変えたロータス・ツインカムは、シリーズ1から2と呼ばれる初期のヨーロッパには搭載されず、当初はルノー製OHVエンジンを積んでいた。ブラックのボディにゴールドのピン・ストライプが当時のF1マシンを思い起こさせる写真の出場車は、1.6リッター直列4気筒ツインカムをさらにチューンした、通称「ビッグ・バルブ」と呼ばれるユニットをコクピット背後に縦置きする最終型「ヨーロッパ・スペシャル」。1970年代に我が国でスーパーカー・ブームを巻き起こしたコミック『サーキットの狼』では主人公が物語の前半でこれに乗り、「ポルシェ 911カレラRS」や「トヨタ 2000GT」を相手にバトルを繰り広げた。




イギリス製小型スポーツカーの傑作、「オースティン・ヒーリー・スプライト」といえば写真の黄色い「カニ目」と呼ばれるMk Iが有名だが、その隣に並ぶ勇ましいモディファイが施されたグリーンのクルマも同名の(後継)モデル。通常のウインド・シールドを取り払っているため、幌の装着は潔く諦めている。降りしきる雨の中、トリカバーのみという姿が伊達で格好いいが、ドライバーは大変なのではないか...。そんな、やせ我慢(失礼)に英国車乗りとしての"ジョンブル魂"を見た。ちなみに「スプライト」とは「小さな妖精」のこと。有名な炭酸飲料と綴りは同じだ。排気量は世代ごとに拡大されていったが、両車とも「MINI」(BMWではなくBMCの方)と共通の「Aシリーズ」と呼ばれる直列4気筒OHVエンジンを積む。



スプレンドーレ榛名は本格的なラリーではないが、いくつかゲーム性の高い競技が用意されており、集合場所の榛名湖駐車場で行われた最初の競技はスタートから20mの距離を10秒、次の30mをまた10秒で走り、その誤差の少なさを競い合うというもの。かなりの低速で時計を見ながら走らなければならず、しかもこの日の天候ではエンジンが機嫌を損ねストールしてしまうクルマも何台かあった。コースの途中で止まってしまうと失格である。クラシックカーにとって結構ハードな競技なのだ。写真上の「ポルシェ 356」は昨年の優勝車(者)で、模範演技では誤差がなんと0.001秒という神業のような走りを見せてくれた。

次回は是非観に行きたい、あるいは自慢の愛車で出場してみたいという方は、以下のリンクから公式サイトをどうぞ。次回は同じ会場から、国産車たちをご紹介する予定。

スプレンドーレ 公式サイト


By Hirokazu Kusakabe (Facebook)

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