ケータハムは、F1グランプリが開催されているシンガポールで、これまでの同社のラインアップとは視覚的に大きく異なるコンセプトカー「エアロセブン」を発表した。2014年にはロードカーとして市販化予定だという。

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「21」の再来か!?

ケータハムといえば「セブン」。1973年にロータスからこのシンプルで軽量なスポーツカーの製造権を生産設備ごと買い取ったことが、ケータハムの"自動車メーカー"としての始まりだった。以来40年の間、会社の経営者が変わろうとも、セブンの基本コンセプトと外観は大きく変えずに、走行性能を上げたりバリエーションを増やしたりすることでケータハムは今日に至っている。

しかしケータハムにもセブン以外のロードカーを計画したことはあった。創業から21年目の1994年、セブンのパワートレインとシャシーに、『オートカー』誌で働いていたイアン・ロバートソンがデザインした、アルミニウムもしくは樹脂製の流麗なスポーツカー・ルックのボディを組み合わせた「21」と呼ばれるモデルだ。セブンより一般的な(つまり、取っつきやすい)デザインに仕立てることで、ケータハム・ユーザーの裾野を拡げようと年産200台という計画を立てたが、しかし結局50台に満たない数が造られただけで生産は終了してしまった。



CSRのシャシー+カーボン製空力ボディ

今回発表された「エアロセブン」も、基本的な考え方は21と一緒。セブンの現行ラインアップから、独立式リア・サスペンションとインボード(プッシュロッド)式フロント・サスペンションを備える「CSR」のシャシーをベースに、ケータハム・テクノロジー&イノベーション社(CTI)とケータハムF1チームの空力開発グループが共同でデザインしたというカーボンファイバー製のボディを架装するという構造だ。この「機能と形をバランス」させたというボディのスタイリングは、ケータハムの「将来的なデザインの方向性を示すもの」で、そこには「2016年初頭の発表を目指してルノー共同開発している新型スポーツカーも含まれる」そうだ。ということは復活するアルピーヌのデザインに関しては、ケータハムが主導権を持つのだろうか。なかなか興味深い。

伝統的なセブンのコクピット側方まで伸びたフロント・フェンダーを「クラムシェル・フェンダー」と呼ぶが、エアロセブンはボディ全体がクラムシェル(二枚貝)の様。市販化までには、さらに続けてF1のエアロダイナミクスを担当する専門スタッフ達が、数値流体力学の応用と風洞実験およびサーキットにおける実走テストを繰り返し、ボディ形状の"最適化"を推し進めるという。純粋なサーキット専用車ではなく公道も走れるロードカーとして設計されているが、ウインド・シールドを持たないので乗るときには同乗者もヘルメットが必須だろう。コクピット背後に備わるロールオーバー・バーは、安全性と空力性能、そして美観も考えて新たに設計されたものだそうだ。



ケータハム初の電子制御デバイス搭載

パワートレインは、ヨーロッパで販売認証を取得している「セブン 485」と共通の、フォード製「デュラテック」エンジンにCTIがチューニングを施した2.0リッター自然吸気直列4気筒。セブン同様フロントに縦置きされ、6速ギアボックスとの組み合わせで後輪を駆動する。最高出力240ps/8,500rpmと最大トルク15.5kgm/6,300rpmを発揮し、車両重量は600kg程度に収まるというエアロセブンの車体を、停止状態から100km/hまで4秒以下で加速させるという。ケータハムによればこのエンジンは「ヨーロッパの排ガス規制ユーロ6をクリアできる最も高回転型ユニットの1つ」だとか。なお、市販される際には他のエンジンも選べるようになる見込みだ。前195/45R15、後245/40R15というサイズのタイヤは、ケータハムの高性能モデルに採用されているエイヴォン製「CR500」を履く。

これまで潔く電子制御デバイスの類を持たなかったセブンだが、ケータハム初の試みとしてこのエアロセブンにはトラクション・コントロールとローンチ・コントロールを装備。さらにボッシュのレースカー用ABSの採用も検討しているという。エアコンの装着は...このカタチを見れば期待するだけ無駄だろう。



先進的なコクピット

2人分の軽量な複合素材製バケット・シートを備えるコクピットには、センターコンソールに「グラフィカル・ディスプレイ・ユニット」が組み込まれ、この画面にエンジン回転数、速度、ギア・ポジション、燃料やオイルのレベル、トラクション・コントロールとブレーキのセッティングなどがリアルタイムで3D表示されるという。ステアリング・ホイールに設けられたボタンを押すことで、エンジン・マネジメントや電子制御デバイスの設定を「ロード」モードから「レース」モード、そして「フラッシュ・トゥ・パス」「ピットレーン・スピードリミッター」と切り替えることが可能だ。公道走行に適した「ロード」モードではエンジンのピーク・パワーと回転リミットが抑えられ、扱いやすいトルク特性になるようだ。「フラッシュ・トゥ・パス」は追い越し加速用のいわゆる"オーバーテイク・ボタン"だろう。エンジンを始動したときのデフォルト・セッティングが「レース」モードになるというところに、このクルマの本性が窺える。

ケータハムのマネージング・ディレクターを務めるグレアム・マクドナルド氏は次のように語っている。

「日常的にスポーツカーを楽しみたい人から、飛び切りのスリルを求める人まで。我々は潜在的顧客の要望に応えられるように、これから数年に掛けてケータハムのスポーツカー・レンジを拡大していくつもりです。エアロセブンはその第一歩となるでしょう」



発売は2014年秋

ケータハム・カーズだけでなく、F1チームからエンジニアリング部門のCTIまで、ケータハム・グループ内の様々な部門が協力し合って開発が進められたというエアロセブン。2014年の秋には市販モデルの納車が始まる予定だという。価格についてはまだ何も発表されていないが、セブン CSR(日本販売価格630万円)より高くなることは確実だろう。昨日ご紹介したゼノスとの、"因縁を孕んだ真っ向対決"が見物だ。


By Hirokazu Kusakabe (Facebook)

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