ロータスGM・ケータハムCEOを歴任したアリ氏が、新たに軽量スポーツカー・メーカーを創設!
ケータハムの最高経営責任者であるアンサー・アリ氏が新たに起ち上げたスポーツカー・ブランド「ゼノス・カーズ」は、その市販モデルに採用されるシャシーのモデリング・デザインおよびスケッチを公開した。

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元ロータス〜ケータハムの2人が創立

アンサー・アリ氏といえば、かつてはロータスでゼネラル・マネージャーを務め、2005年に投資家グループとともにケータハムを買収、CEOの地位に就き「セブン」の継続生産と発展・進化に関与した人物。輸入車ブランドの多くが参加を取りやめた2009年の東京モーターショーに出展を決め、自ら来日したこともある。しかし2011年、航空会社エア・アジアのトニー・フェルナンデス氏に会社を売却。約2年の期間をおいて「スリリングでピュアな軽量スポーツカーをエンスージァストたちにお届けする」という新ブランド「Zenos(ゼノス)」を興した。その名前は「禅」が基になっているという。共同経営者はアリ氏と同じくロータスの役員出身で、ケータハムへ移り最高執行責任者の任にあったマーク・エドワード氏。ライトウェイト・スポーツカーに関しては、長い間パートナーとして取り組んできた2人だ。ゼノス・カーズの起業に際しては、イギリス政府のビジネス・イノベーション・職業技能省がバックアップする「ニッチ・ビークル・ネットワーク」から資金援助を受けているそうだ。



アルミ製バックボーン・フレーム+コンポジット製タブ

今回公開されたシャシーのイラストは、2014年に発表予定のオープン・スポーツ「E10」をはじめ、さらに続いて登場する複数のモデルに採用される予定だ。その構造は、押し出し成形されたアルミニウム製のバックボーン・フレームに、カーボンファイバー・コンポジット製のタブを載せるというもの。サスペンションは前後ダブルウィッシュボーンで、インボード式のビルシュタイン製ダンパーを備えるフロント側はアルミのフレームにサスペンション・アームが直付けされ、リアはミドシップ・マウントされるエンジンを搭載するためのサブフレームに接合されている。

エドワード氏によれば、ケータハムなどで昔から採用されているスペースフレーム構造はメリットも多いものの、一度フレームを設計してしまったらボディ・デザインが制限されてしまう。姿を変えないことがある種のアイコンとして価値を持つセブンならそれでいいが、コスト削減のために複数のモデルを造り分けることが可能な共有フレームを求めていた彼らにとっては選択の外だったそうだ。

ゼノスが採用を決めたカーボン・コンポジット製のタブは、元ベントレーのR&D部門に在籍していたデザイナー、アンソニー・ドッドワース氏が開発した革新的な素材技術によるもので、サーモプラスティックと呼ばれる熱可塑性樹脂のコアをリサイクルされた2枚のカーボンファイバーでサンドイッチするという構造を持つ。これなら成型の自由度が高く、軽量で、従来のドライカーボン製モノコックに比べてコストも低く抑えられる。

ヒントはロータス・エランから

次の問題は、そのカーボン・コンポジット製のタブにどうやってフロントとリアのサブフレームを結合するかということだったという。初めはロータスの「エリーゼ」でお馴染みの接着剤を使うことも考えていたそうだが、その構造ではアクシデントに遭ったとき修復が困難で、オーナーの維持費が嵩んでしまう。そこで平行して別の方法を模索し、マルマティック社の協力によって押し出し成形アルミ材を使いそこに直付けする方法を開発したそうだ。バックボーン・フレームを用いるという構造は、エドワード氏がロータス・エランのレストアを紹介するブログを読んでいて思い付いたとか。

こうして構想が完成した「ゼノス Eプラットフォーム」と名付けられたシャシーは、コンピューター・シミュレーションによる安全性の確認が行われ、その結果を踏まえて横転したときに備えるロールオーバー・プロテクション・システムや、横からの衝突にも対応するサイド・インパクト・プロテクションを開発。法規で定められた安全基準もクリアする目処が立ったという。今後は生産化の準備に入り、2014年1月に開催されるオートスポーツ・インターナショナル・ショーで彼らの最初のモデルとなるE10が初披露される予定だそうだ。



200馬力の直列4気筒をミドシップ・マウント

このシャシーのリア・ミドに搭載されるエンジンは、フォード製の1,999cc自然吸気直列4気筒。最高出力200hp/7,200rpmと最大トルク21.4kgm/6,100rpmを発揮し、横置き5速トランスミッションを介して後輪を駆動する。OZ製ホイールに装着されるエイヴォン・タイヤは、前195/50ZR16、後225/45ZR17。車内には複合素材製軽量シートとマルチファンクションLCDディスプレイが備わるという。オプションで6速トランスミッションやリミテッド・スリップ・ディファレンシャル、ロールケージ、そして"ヒーター"などを装備することが可能だとか。トノ・カバーは装着できるようだが、幌の用意はなさそうだ。

ライバルはX-BOW

E10のサイズはロータス エリーゼとほぼ同等で、車両重量は650kg程度に抑えるつもりだという。価格は今のところ未定。エリーゼより上、KTMの「X-BOW」あたりがライバルになると見られている。

2014年発表予定のE10に続き、2016年にはフロント・ウインドスクリーンが付いた「E11」(下の画像:左)が、さらに2年後の2018年頃にクーペ・ボディの「E12」(下の画像:右)を発表する計画となっている。ルーフやエアコンの装備を求めるなら、それら後続のモデルに期待するしかないようだ。



アルファ ロメオの「4C」や、ケータハムとアルピーヌの共同開発車など、これからコンパクトで軽量なスポーツカーが続々登場する。過去の威光に頼らない新興ブランドのゼノスは、どこまで本質だけで勝負できるか。それにしても、こんなクルマ(いい意味で)の開発に政府が援助するイギリスという国が羨ましい。技術力の高い製造業が数多く存在し、しかも流用できそうな安価で信頼性の高いコンポーネントの調達には不自由しないはずの日本で、どうしてこのようなクルマ作りが出来ないのか。"日本のモノ作り"と"若者のクルマ離れ"について我が国の政府が本気で考えるおつもりなら、その理由を再検証してみるよう進言したい。

Zenos Cars 公式サイト


By Hirokazu Kusakabe (Facebook)

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