【フランクフルトモーターショー2013】ポルシェが1983年に発表した「959」のプロトタイプ!
9月10日に開幕したフランクフルト・モーターショーで、ポルシェ「918 スパイダー」を出展しているその会場の2階では、今からちょうど30年前に同じ場所で発表された1台のスーパー・ポルシェが展示されていた。当時、世界ラリー選手権(WRC)で導入された競技車両規定「グループB」の認証を得るために、200台の限定生産が計画されたその名もずはり「グルッペB」(ドイツ語で「グループB」のこと)。後に「959」として市販されたモデルのプロトタイプである。

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911」と同じくリア・アクスルの後部に搭載された水平対向6気筒エンジンは、DOHC24バルブとなったシリンダー・ヘッドのみを水冷化し、低回転時には1基のみ、高回転まで上がると2基目のターボチャージャーが過給を行うシーケンシャル・ツインターボを装備。規定のターボ係数1.4を掛けて4.0リッター・クラス(最低車両重量1,100kg)に収まるように定められた2,848ccの排気量から450psを発生するとされた。このエンジンは市販車の911用ではなく、グループCマシン「956」のものをベースにしたと言われている。最高速度は掛け値なしに300km/h以上。状況に応じて前後トルク配分を自動的に制御する、当時としては画期的な4輪駆動システムを採用していた。



しかし、改造範囲が広く速くなり過ぎたグループBは、度重なる事故により1986年限りで廃止。そのときまだ開発段階にあり販売が始まっていなかった959はWRCに参戦できず、戦いの場をパリ・ダカール・ラリーに求めることになる。1984年には4輪駆動パワートレインに911のボディを纏った「953」と呼ばれるマシンで総合優勝。959となって初めて参戦した1985年は全車リタイアとなってしまったが、翌1986年に見事ワン・ツー・フィニッシュを達成。ワイドな前後フェンダーを与えられて「961」とサーキット向けに進化したマシンでル・マン24時間レースにも出場し、グループCカーに割って入る総合7位を獲得する。



一方、1983年のフランクフルトでお披露目されたグルッペBは、パリダカ参戦を通して開発が続けられ、1987年にようやくロードカーの959としてデリバリーが始まった。限定200台の予定には世界中のポルシェ・ファンから注文が殺到し、1988年までに最終的には283台が生産されたと言われる。当時バブル経済の真っ直中にあった我が国では、「故障したら日本では直せず、ドイツ本国のポルシェに送り返さなければならない」という敷居の高さにも拘わらず、そんなこと乗らないから関係ねえやとばかり投機の対象とする輩がこぞって欲しがり、ドイツから並行輸入された個体が1億、2億という値段で取引されたこともあった。



今回展示されたプロトタイプとしてのグルッペBを見ると、後に市販された959とは異なるディテールを持つことが分かる。前後バンパーおよびリア・フェンダーには特徴的なエア・ダクトが開けられておらず、ホイールも市販モデルの959では後の964型911を思わせる5本スポークとなっているが、この"ショーカー"ではレースカーのようなセンターロック式のディスク型が装着されている。ヘッド・ランプには簡素なカバーがビス留め。運転席側にのみ装着されたドア・ミラーの形状も959とは異なる。



基本デザインは工業デザイナーのルイジ・コラーニ氏が手掛けたという話もあるボディのシェイプは、なるほど当時の930型911や944などと趣が異なる有機的な曲線で構成され、確かにコラーニ・デザインを彷彿させる。1983年にはもっとシルバーに近いパール・ホワイトで塗られていたはずだが、経年により黄色っぽく変色してしまったのだろうか(ドア・ミラーと"焼け具合"が異なるところに注目)。



このグルッペB〜959は、"ラリーで勝つために開発されたマシン"、というよりも、ポルシェが次世代911のために新技術を先行開発し、試し、鍛えていたことが今になるとよく分かる。4輪駆動やツインターボ等の技術は後の911へ受け継がれていくだけでなく、日産の「スカイライン GT-R」をはじめとする他社のスポーツカーにも大きな影響を与えた。



グルッペBはドイツに行かなければお目に掛かれないけれど、959なら日本でもミュージアムやショップなどで目にする機会はある。栃木県栃木市にある「魔方陣」もそんなスーパーカーを集めたミュージアムの1つ。写真の赤い959は量産開始前の1985年に製造された稀少なプロトタイプの1台で、快適装備を省いて軽量化されたスポーツ・バージョンだそうだ。オーナーの方にお話を伺ったところ、「レース用ベースのエンジンと当時最高の技術を詰め込んだクルマですが、今でも普通に乗れます。そういう意味ではポルシェはやっぱり凄い」とのこと。他にもランボルギーニフェラーリなどお馴染みのスーパーカーから、ブガッティ EB110、トヨタ 2000GTといった超レアなモデルまで、魅力的なクルマが沢山展示されているので、お近くの方は是非一度、訪ねてみてはいかがだろう?

魔方陣 スーパーカー・ミュージアム


By Hirokazu Kusakabe (Facebook)

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