フォルクスワーゲンは9月10日に開幕したフランクフルト・モーターショーにおいて、「e-ゴルフ」と「e-up!」を公開した。それぞれすでにお馴染みの「ゴルフ」と「up!」をベースにした市販予定の電気自動車である。

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既存モデルがベースのEV

市場で先行する日産の「リーフ」と異なり、フォルクスワーゲンは一目でそれと分かる電気自動車専用モデルを開発するのではなく、すでに充分親しまれている既存のモデルをベースに、内燃機関を電動機に置き換え、量販電気自動車として発売する道を選んだ。そこには"今後、電気自動車とは何ら特別な存在ではなく、電気モーターもガソリン・エンジンやディーゼル・エンジンと並んで自社の主力モデルにユーザーが選択し得る原動機のバリエーションの1つとして一般化する"というフォルクスワーゲンの主張が感じられる。



27.5kgmものトルクを発揮

スペックを見ていこう。
e-ゴルフに搭載される電気モーターは最高出力85kW(115ps)を発生して前輪を駆動。走り出した瞬間から27.5kgmものトルクを発揮し、この5人乗りハッチバックの車体を100km/hまで10.4秒で加速させる(1.2リッター TSIエンジンを積むゴルフより0.2秒ほど遅い)。最高速度は140km/hでリミッターが作動するそうだ。100kmの距離を走行して消費する電気は12.7kWh。その電気代は僅か3.30ユーロ(約436円)に過ぎないという(2013年7月ドイツの場合)。日本の深夜料金なら(契約によって)12円/1kWh程度に抑えられるから、152円ほどで100km走れるゴルフということになる。




荷室や後部座席の下に積まれているというリチウムイオン・バッテリーの容量は24.2kWh。フォルクスワーゲン・グループの他にダイムラーBMWGMなどのメーカーが支持しているCCS(コンバインド・チャージング・システム)規格で、容量の80%まで約30分間で急速充電が可能だ。最大航続可能距離は190kmと日産 リーフ(JC08モードで228km)に比べれば短いが、ドイツ連邦運輸建設都市開発省の調べによると、ドイツにおける8割のドライバーは1日あたりの走行距離が50km以下なので、この性能は「道理に適っている」とフォルクスワーゲンは言う。



0-100km/hはシリーズ最速

ゴルフより2クラスほど小さなボディを持つ4人乗りのup!をベースにしたe-up!は、より容量が小さな18.7kWhのバッテリーを搭載し、電気モーターの最高出力も60kW(82ps)とやや低い。しかしそれでも日本で販売されている999cc直列3気筒エンジンを積むup!の75psを上回るし、発進と同時に21.4kgmという2リッター・エンジン並みのトルクを発生するから、重いバッテリーを積んでいても0-100km/h加速は12.4秒と、up!シリーズで最も俊足。ただし最高速度は130km/hに留まる。100km走行あたりの消費電力はe-ゴルフを凌ぐ11.7kWhで、これは世界最良だとか。電気代は(上と同様の計算で)3.02ユーロ(約399円)。日本では140円ほどに抑えることも出来そう。最大航続可能距離は160kmと、こちらも(ドイツの8割のドライバーにとっては)充分。




ドライビング・モード切替式

両モデルとも、航続距離を伸ばすためにはドライビング・モードを「エコ」や「エコ+」に切り替える必要があり、回生ブレーキにも4種類の設定が用意されているという。つまり最大限遠くまで行こうと思ったら、ドライバビリティが幾分かは犠牲になる可能性はあるわけだ。逆に毎日決まった近距離の通勤のみで使うなら、そんなストイックさから開放され、存分に走りを愉しむことも出来そうだ。

日常における実用性は決して犠牲にしない、ということで、両車ともパーキング・ヒーター機能付きオートエアコンやナビゲーション・システム、LEDデイタイムランニングライトなどを標準で装備。e-ゴルフにはフォルクスワーゲンで初めてLEDヘッドライトが採用されている。



価格は割高だが...

e-up!の価格はドイツ本国で2万6,900ユーロ(約356万円)からと既に発表済み。e-ゴルフは当然それより当然高くなるはずで、噂では3万5,000ユーロ(約463万円)程度になるのではないかと言われている。ちなみに日産 リーフの彼の地における販売価格はバッテリー込みで(あちらではレンタルも出来る)廉価グレードが2万9,690ユーロ(約314万円)から、上級グレードは3万5,090ユーロ(約464万円)となっている。

フォルクスワーゲンのマーティン・ヴィンターコルンCEOによれば、「電気自動車は妥協の乗り物となってはいけません。全ての項目において、顧客を納得させるクルマでなければならないのです」のとこと。そして「まったく排ガスを出さない純粋な電気自動車から、オールラウンダーとして使えるプラグイン・ハイブリッド、そして3リッターの燃料で100kmの距離を走れるハイブリッドのスポーツ・サルーンまで。お客様は我々のラインアップからご自分にあった"eモビリティ"を選んでいただくことが出来ます」と語っている。



ゴルフさえあれば充分!?

300馬力のゴルフRと、ゼロ・エミッションのe-ゴルフ。どちらも"ゴルフ"であることがフォルクスワーゲンの戦略だ。外観上の違いも、クルマの性格を考えたら驚くほど僅少に抑えられている。もはや人類にとって必要な自家用車はゴルフだけで充分、とでも言いたいのかも知れない。あとは価格的にもっと安いクルマを求める人と、もっと大きな室内空間を欲する人のために、ゴルフ以外のモデルも揃えている...。そんな想像さえ頭を過ぎる今年のフランクフルトであった。


By Hirokazu Kusakabe (Facebook)

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