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先日、試乗したBMW「i3」は、同社の新ブランド、BMW iから誕生したモデルで、従来のBMWの概念を大きく変えるクルマとして、さまざまな国や地域で販売されるはずだ。そのiブランドのエコスーパーカー、2015年型BMW「i8」は、他メーカーを圧倒する革新的なメカニズムを投入しており、「全てがユニークなクルマ」といわれている。今回はこの「i8」の走りを体感してきた。

南フランスのミラマにBMWのテストコースがある。i8の実態を探るべく、試乗はこのコースで行うこととなった。用意されていたのは3台。どのクルマにも、過去にご紹介したスパイショットでおなじみのペイズリー柄のカモフラージュが施されていた。車内は細かなディテールを隠すためにマスキングで覆われていたが、色調はそれぞれ異なっていた。

i3の試乗時には、BMWからi3のデメリットについて書くことを許されなかったのだが、今回はプロジェクトチームからi8について感じたことを自由に書いてもいいという許可を得た。BMWは、筆者がi8に満足することに確信を持っているか、メディアに i8の情報が出回ることをそれほど気にかけていないのかもしれない。i8は、革新的な技術を投入しながらも、クルマにとって大切な基本を熟知したBMWならではのモデルと言えるからだろう。




i8を快適に感じられる要素の1つは、とてもシンプルで全体的になじみのあるBMWならではのドライバーズインターフェイスを採用している点にある。i3はBMWを初めて買う人をターゲットとするように仕立てられているが、i8は既存のBMWユーザーにとって非常に居心地の良いスポーツカーとなっている。

もちろん、i3との共通点も多くある。i3に採用しているライフドライブ構造は、今後、すべてのiモデルに採用されると思われる。強度が高く軽量なi8のパッセンジャーセルは、最大で大人2人+子供2人の家族用、ビジネスランチに出かけるお偉いさんと一緒なら最大3人乗りの設計といったところだろう。このボディ構造には、大々的に報じられているBMWのカーボンファイバー強化樹脂(CFRP)素材、そして剛性の高いアルミニウム合金製の軽量シャシーを使っている。



i3は、完全EVモデルの他にも、レンジエクステンダーを採用したプラグインハイブリッドモデルも展開する。BMW内で「i12」プロジェクトと呼ばれているi8は、パラレル式プラグインハイブリッドを採用する電気スポーツカーで、適切な走行状況と、一定の距離ならばモーターのみで走行することができ、40mph程度(約64km/h)の日常的な街中走行では、ほぼ常にEVモードで走行可能だ。また、スポーツモードを楽しんで40mphを超えるスピードを出しても、まるでハードなダイエットをしているがごとく、ガソリンは少ししか喰わない。リヤシートの下には10.5ガロン(約40リッター)のガソリンタンクが装備されている。しかし、BMWが発表している1ガロン(4リッター)あたり90マイル(約38km/ℓ)という燃費は、現時点では正確に確認はできないものの少々大げさな気がする。

フロントアクスルの前方に配置された電気モーターは、i3と全く同じユニットを使用しており、前輪を駆動する。電力のみで走行するi3では、フロア内に設置された22kWhのリチウムイオンバッテリーとこのボッシュ製モーターが最高出力168hp、トルク25.4kgmを発生するが、i8では電気モーターのすぐ後ろからセンタートンネル内に搭載されている6.4kWhのリチウムイオンバッテリーを使って最高出力129hp、最大トルク25.4kgmを発揮する。一般的なGKN製2速トランスミッションを採用することで、街中では低いギアを、最高速度まで発揮する高速領域では高いギアを使うことができる。



コードネーム「B38」と呼ばれるガソリンエンジンは、1.5リッター3気筒ターボチャージャー付きで、後部のリヤアクスルの前方にきちんと収められており、後輪を駆動させる。つまり、i8は4輪駆動のハイブリッドモデルなのだ。エンジンのパワーは、最高出力228hp、最大トルク32.6kgm。BMWのすべてのMモデルに採用されているボイセン社製の排気システムを搭載しているので、スタビリティコントロールをオフ状態にしてスポーツモードでミラマを駆け巡ったときには本当にすばらしいサウンドを奏でた。また、後部のガソリンエンジンの隣に補助の小型電気モーター(最高出力13hp、トルク11.2kgm)を搭載している。このモーターは、主にエネルギーを回収し、バッテリーを充電するために搭載されているが、ガソリンエンジンがスムーズに力を発揮する回転域に達するまでは、直接後輪にパワーを送りこれを補助する役割も果たす。すべてのパワートレインシステムが一斉に稼働すると、最高出力は357hp、最大トルクは58.1kgmとなる。

当然ながら、筆者はすべての走行モードを体験させてもらった。BMWは、このプロトタイプに残された問題点を改善するのに、6か月を要すると話している。筆者がi8を何度も試乗し、その度に改善点を挙げてしまうと、BMWからその改善策に必要な莫大な金額を請求されるかもしれない。Eモード+エコプロモード、DSCをオフにしたスポーツモードのどちらでも、筆者が満足したように、誰もがそのフィーリングに満足できるだろう。急速充電器(別売り)から小型リチウムイオンバッテリーをフル充電するには、ちょうど2時間かかる。



BMWにぜひ改善してもらいたい構造的な不満をいくつか見つけた。1つは、運転席の前方に付いているiドライブのディスプレイが、コバルトブルーで表示されるため、太陽光の反射でほとんど見えないこと。そして2つ目。1.5リッターエンジンに接続されている6速ATのプログラミングは、ほぼあらゆる局面において素晴らしかった。だが限界域になると別。ギア比と排気音のキャラクターをより満足行くものとするためには、レッドラインを7,000回転まで引き上げる必要があると思う。そして最後はタイヤだ。試乗車に取り付けられていたタイヤはフロント215、リヤ245のブリヂストン・ポテンザだったが、もっと性能の高い夏タイヤがよかった。BMW iは、比較的、軽量でボディ剛性が高く、非常に重心が低いので、ダイナミクスについては全体的に申し分ないだけに、コーナリング時にもう少しタイヤのサポートが欲しかったのだ。

i8には前後輪のトルクのモニタリング機能が搭載されており、駆動状態や横方向の動きを監視し、スタビリティコントロールシステムのみに委ねられる。ということは限界域における全体のフィーリングはもっとよく出来るはずだが、恐らくそれほどニュートラルな走りにはならないのではないだろうか。しかし、i8は4輪駆動なので、そこまで期待するべきではないのかもしれない。




i8はレースカーではないので、ニュルブルクリンクでラップタイム記録を狙う必要はない。結果的にそれはウソだと言われそうだが、BMWは確かに"速度"を優先してはいないようだ。BMWの iチームは、i8はあくまでストリートカーであり、一般車として最大限の性能を引き出せればいいと話している。少なくとも現時点では、ニュルブルクリンクに関してはMチームに任せるらしい。

モーターでの走行可能距離は、走行モードによって大幅に変わってくる。また、最高速については、モーターを使う前輪駆動モードでは最高速度75mph(約120km/h)だが、エンジンを含むすべてのパワートレインを駆使して走ると、最高速は155mph(約249km/h)、0-60mphは4.5秒以下となる。この数字は、ガソリンとモーターを使う従来のハイブリッドカーとしては、かなりすばらしいと言える。また、シート(スポーツシート)は、人気の高いMシリーズのものが装備されており、そのすばらしいクオリティを感じられる。ステアリングは電動アシスト式だが非常に正確だ。スポーツモードに切り替えると、ダンパーが自動的に堅くなるが、なめらかな路面も完全に舗装されていない路面も運転を楽しめる。ブレーキは(もちろん回生ブレーキシステムを採用)瞬時にしっかりと効き、非常に軽量で空気力学的に効果的な標準の20インチ鍛造ホイールがこれをサポートしている。




市販モデルは現在開催中のフランクフルトモーターショー遂に世界デビューを果たし、米での販売価格も13万5700ドル(約1352万円)となることが明らかにされた。北米を含め、全世界で発売されるのは、来年の4月頃になるだろう。それまでに、i8を隅々まで徹底解剖した評価をお伝えしたい。i8は、待つ価値のある車だと思う。

【基本情報】
エンジン:1.5リッター3気筒ターボ、電気モーター
パワー:最高出力357hp/最大トルク58.1kgm
トランスミッション:6速オート、2速(電気モーター)
0-60mph:4.3秒(推定)
最高速:155mph(約249km/h)
駆動方式:4輪駆動
車体重量:1488kg(推定)
座席数:2+2(目安)
荷室容量:170ℓ
燃費:市街地+高速道路90mpg(約38.3km/ℓ)(推定)
ベース価格:13万5700ドル(約1352万円)から

By Matt Davis
翻訳:日本映像翻訳アカデミー
監修:日下部博一

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