【試乗記】「グッド! スバルはもっとアピールするべき」 スバル「フォレスターXT」
Related Gallery:2014 Subaru Forester XT Review Photos


スバルが2003年に米国に投入したターボエンジンを搭載した2004年型「フォレスターXT」。フォレスターとしては2代目となる同車は、靴のようなボディラインにも関わらず、すぐに米で競争力のあるコンパクトクロスオーバーやSUVの仲間入りを果たした(仲間たちは皆、V6エンジンを搭載していたが)。XTはフォード「エスケープ」のV6モデルよりも街乗りや旅行に向いているように筆者は感じていたが、それはXTが自然吸気4気筒エンジンを搭載したいわゆる大衆車とは明らかに一線を画す出来だったからだ。2013年の現代、昔のようにV6を搭載したクロスオーバーは姿を消している。そして、XTのライバル車となるようなターボチャージャー付きの4気筒モデルも数少ない。

試乗車としてスバルが用意してくれたのは、すべてを兼ね備えているとも言っても過言ではないフォレスターの最上級モデル「XTツーリング」(日本未設定モデル)。同モデルと競合するCUVを探すには、標準装備を比較してみるのが分かりやすいだろう。この最上級モデルの室内には、10ウェイパワーシート、レザー、ナビゲーション、ハーマンカードン製HDラジオ付きサウンドシステム、Bluetoothなどが装備されている。また、1つだけ用意されているオプションパッケージには、キーレスアクセス、HIDヘッドライト、スバル独自のアイサイトシステム(全車速追従機能付きクルーズコントロール、警報&お知らせ機能、プリクラッシュブレーキ)が含まれている。

XTがこのセグメントにおいて、最もパワフルなクロスオーバーであることは試乗前から筆者も理解していた。ボンネット内に収められたターボチャージャー付きの2.0リッター直噴4気筒ボクサーエンジンは、最高出力250hp、最大トルク35.7kgmを発揮する。車両重量は1656kg。このクラスとしては軽量でグリップ力のあるスバルのAWDシステムを組み合わせれば、街中やフリーウェイでもかなり軽快な走りを体感できるだろう。

こうしたすべてのシステムを装備し、力強いパフォーマンスを得た今回の試乗モデルの場合、車両価格は総額で36,220ドル(約355万円)だ。


この値段を見て正直、「高いなあ」と思われたのではないだろうか。フォレスターだから20,000ドル台半ば(約250万円)くらいだろうと予想した人にとって、この価格にはずいぶん驚かれたかもしれない。しかし、スバルがこの最上位モデルのXTに望んだのは、同クラスの人気車種より走りが楽しく、上の価格帯に位置する中型ラグジュアリークラスのモデルに近い装備を提供することなのだ

今回のXTの試乗はAutoblogにとっては2度目となるものだったが、パフォーマンスに関しては今年1月に我々のスタッフが初めて試乗した時の感想を証明する形となった。ボクサー・ターボはパワーの出方が扱いやすく、幅広い回転域で発揮される豊かなトルクはどの速度からでも楽々と何事もなく車体を加速させる。CVT(無段変速機)はキレが悪いわけでもなければ、不自然な感じもない。


パワートレインについての一番の不満は、前モデルのターボモデルに見られた力強さが欠けている点だ。とはいえ、大抵のドライバーは、ドライブアシスト機能を「インテリジェントモード」に合わせているかと思う。しかし、この車にはこの他に「スポーツモード」とアドレナリンを爆発させたい人のための「スポーツシャープモード」がある。

スポーツモードにすると、XTのアクセルペダルのレスポンスは一段とよくなり、初期加速も劇的に良くなる。若干のターボラグが出るが、はっきりと気づくほどではなく、ステアリングに装備されているパドルシフトでの動作も反応が早い。そして、スポーツシャープモードではトランスミッションを6速から疑似8速にすることもできる。デュアルクラッチトランスミッションに似たCVTだが、その仕事ぶりはなかなか大したものだ。
筆者は、スポーツモードはXTのパワーを大いに鈍らせる原因となるインテリジェントモードよりも、ずっと優れたオールラウンドな走りができると考えている。ただし、注意しなくてはいけないのは、エンジンが温まっていない時はスポーツモードもスポーツシャープモードも使えないということだ。スポーツモードなどを使うためには、水温計の青いランプが消えるまで待たなければならない。筆者の経験では、寒い日の場合、運転を開始してから平均して5~10分待つ必要がある。

XTには下位モデルには採用されていない"スポーツ仕様にチューンされた"サスペンションが使われている。だからと言って、XTがビッグサイズのWRXに変身したと考えるのは大間違いだ。AWDシステムによりグリップは素晴らしいが、細めのタイヤ、車高、軟らかめのスプリングなどを考えると、このCUVはラリーで鍛えられたWRXのように激しくコーナーを抜けることはできないだろう。フォレスターXTはどのライバル車よりもコーナーの内側に寄せることができるが、概してコーナーに入る時は安全にアンダーステアとなるよう設計されている。

今回のXTツーリングの装備はなかなか素晴らしいが、ラグジュアリークラスにふさわしいレベルに達しているとは思えない。走る楽しみという点においては、価格帯がもっと上のボルボ「XC60」アキュラ「RDX」アウディ「Q5」といったクロスオーバーよりもフォレスターの方が上だが、その一方でインテリアのデザインやクオリティは、まだまだ納得のゆく内容ではないと言えそうだ。

ところが、このフォレスターを借りている間に人を乗せる機会があり、その時に予想外の言葉を聞くこととなった。車に詳しくない女性の友人を後部座席に乗せ、ディナーに出かけたのだが、車名すら知らない彼女がこう聞いてきた。「これって新型のアウディ?」 車の知識がないことを差し引いたとしても、ごく普通の一般人がスバルの車内を一瞬とはいえ、常に評価の高いアウディのインテリアと見間違ったことに驚きを隠せなかった。

よくよく見てみれば、スバルは近頃のフォルクスワーゲンの水準にまで室内のレベルをアップさせてきたように思う。嫌味で言っているわけではない。筆者が借りたフォレスターはそう悪くはない品質のレザーと、コントラストが素敵なステッチが使われており、落ち着いた色合いの黒とシルバーでまとめられた室内は、「ジェッタ」や「パサート」に期待するものと何ら変わりはなかった。また、ノイズ、振動、ハーネスの割合もかなり低い。静寂性についてはアキュラの新型RDXのような高級クロスオーバーよりは劣るものの、フォード「エスケープ」などの現在の主流であるモデルと同レベルと言って間違いない。しかし、オーディオやナビについては改善の余地がありそうだ。要するに、XTの新しい室内は素晴らしいが、そのエンジンがパフォーマンスの点において差別化が図られているようには、室内は他のラグジュアリークラスのクルマと差別化ができていないように思う。

2014年型フォレスターは、大きさ的に使い勝手がよく、ゆとりのある後部座席や大容量のカーゴルームが素晴らしい。また、同クラスの他のCUVとはひと味違う外観やドライビングスタイルを持っている。それは世界中のフォレスター愛好家にとって、魅力的に見えるに違いない。
こうした諸要素が織り交ぜられた2.0リッター、ターボチャージャー付きのエンジンによって、運転が楽しいクルマに価値を見いだす多くのドライバーたちには、このハイパワーなフォレスターも面白いと気に入ってもらえるだろう。CVTはそう悪くはないし、筆者は"マニュアルの投入を"と切望しているにもかかわらず、いざステアリングを握るとたくさんの楽しみを発見できる。パワー、価格、実用性の面から判断すると、XTのライバル車と呼べるのはヒュンダイ「サンタフェスポーツ2.0T」(日本未発売)、キア「スポーテージSX」(日本未発売)、そしてフォード「エスケープ2.0T」(日本未発売)ということになり、選択肢はかなり限られる。

価格については、様々な装飾品やテクノロジーパッケージを付けないことで、数十万円ほど節約ができるだろう。それなら快適で素晴らしい走りをおサイフに負担を掛けずに堪能できる。それに一般的なCUVに見られる鈍さも見られない。フォレスターXTはこのカテゴリーの主流から少し外れた存在かもしれない。だが、そのちょっと変わったところがなければ、本当のスバル車であるとは言えないのではないだろうか。

【基本情報】
エンジン: ターボチャージャー付2.0リッター 水平対向4気筒エンジン
パワー: 最高出力250hp /最大トルク 35.66kgm
トランスミッション: CVT
0-60mph: 6.2秒(推定)
駆動方式: AWD
車両重量: 1643kg
座席数: 2+3
荷室容量: 31.5立法フィート(約892ℓ)/最大荷台容量68.5立法フィート(約1940ℓ)
燃費: 市街地23mpg(約9.8km/l)/高速28mpg(約11.9km/l)
基本価格: 27,995ドル(約274万円)
試乗車価格:36,220ドル(約355万円)

By Seyth Miersma
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

Related Gallery:2014 Subaru Forester XT Review Photos


【PR】スバル フォレスターXTの購入を考える前に!まずは現在お乗りのクルマの査定価格を調べてみよう!

<関連フォトギャラリー>
Related Gallery:2014 Subaru Forester XT First Drive Photos

Related Gallery:2014 Subaru Forester First Drive Photos

Related Gallery:2013 Acura RDX live photos Photos

Related Gallery:2015 Subaru WRX: Spy Shots Photos

Related Gallery:2014 Infiniti Q50 Hybrid Detroit 2013

<人気フォトギャラリー>
Related Gallery:tokyo autosalon 2013 girls 10 04

Related Gallery:tokyo autosalon 2013 girls 08 01

Related Gallery:tokyo autosalon 2013 girls 07 03

Related Gallery:tokyo autosalon 2013 girls 07 01

Related Gallery:tokyo autosalon 2013 girls 05 03