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2015年発売予定の次世代アキュラNSX」について、開発責任者のテッド・クラウス氏に話を聞くことができた。今回は、同氏に聞いた新型NSXの最新情報をお届けしよう。

Autoblog編集部をはじめ、自動車メディアのジャーナリストたちが南カルフォルニアのアメリカン・ホンダ・モーターでクラウス氏を囲むこととなった。しかし、発売までまだ2年はあるということで、技術面に関することはほとんど極秘扱いだそうで、パワートレインやパフォーマンスに関する質問は、やんわりとはぐらかされてしまった。とはいえ、ホンダにとって極めて重要な新型NSX開発の舵取りをしている人物の心中を探れるというのは、ジャーナリスト冥利につきた。

5月15日付けのAutoblogでもお伝えしているように、ホンダはオハイオ州メアリズビルにあるR&Dアメリカズ・オハイオセンターや四輪車工場に近い敷地に、「パフォーマンス・マニュファクチュアリング・センター」を設立し、この新工場で次世代NSXを生産する。ホンダは、米国がNSXの最大のマーケットになるだろうと考えており、オハイオ州でのNSXの開発、生産は「需要のあるところで生産をする」という同社のポリシーに沿っていると言えるだろう。

気になる開発プログラムの進み具合については順調とのことで、当初の計画通り2015年に生産を開始すると同氏は語った。また、今までの米国製のホンダ車(アキュラを含む)のように、革新的な生産技術が導入されるということだ。クラウス氏は新型車の素材の詳細については言及しなかったが、モノコックシャシーには、"世界初"の技術やマテリアルが使われるという。思い出してみれば、初代のNSXが1989年のシカゴオートショーでデビューを果たした時、軽量なオールアルミボディやチタン製コネクティングロッド、鍛造技術をつぎ込んだホイールに、我々は驚かされた。

次世代NSXのパワートレインは、ガソリンエンジンと電気モーターのハイブリッドで、ミッドシップ・マウントのV型6気筒エンジンとアキュラの「スポーツ・ハイブリッドSH-AWD」(「スーパー・ハンドリング・オールホイール・ドライブ」の略)の採用が既に明らかにされている。これはホンダが開発した3種類のスポーツ・ハイブリッドシステムの内の一つで、3モーターハイブリッド・システムと呼ばれるもの。2個のモーターが前輪をそれぞれ駆動し、エンジンと組み合わされた3個目のモーターが瞬時にパワーを供給するとともに、4WDに可変トルク配分制御を行うという。なお、トランスミッションは、デュアルクラッチATになるという。

次に、エンジンが過給機付きか自然吸気になるかの質問をぶつけてみたが、クラウス氏から詳細については教えてもらえなかった。更に、アキュラの新技術「P-AWS」(プレシジョン・オールホイール・ステア)システムが搭載されるか尋ねたところ、新型NSXは自社開発の革新的な技術を盛り込むという回答でかわされてしまった。クラウス氏はまた、テスト車両の存在を明らかにしたが、ニュルブルクリンクでのテスト走行は、テスト車のチューニングが微調整の段階に到達してからになると付け加えている。インタビューに参加したエンジニア陣によると、新型NSXはフェラーリ「458」マクラーレン「MP4-12C」アウディ「R8 GT」シボレー「コルベット」ポルシェ「911」などをライバルとして開発を進めているという。そして、生産開始後も継続して改良を行い、将来的には「アメリカン ル・マン シリーズ(ALMS)」のGTクラスで、コルベット、SRT「ヴァイパー」、911、アストンマーティン「ヴァンテージ」、BMW「Z4」、「458イタリア」などのサーキットモデルと直接対決したい意向だそうだ。

クラウス氏に「次期NSXとはどういうクルマになるのか?」と質問したところ、ハイブリッドカーの良さをすべて体現したクルマ、つまり燃費効率の良いパッケージ、低重心化とともに、パワートレインをミッドシップに搭載し"主要パーツが運転席の近くに収まっていること"が目標だと答えてくれた。その結果「加速、旋回、停止という全ての操作の度に、ドライバーに笑顔をもたらすでしょう」と、ほほ笑みながら付け加えた。

アキュラは近年、ボディカラーからエクステリア、インテリアなどを顧客が自由に選べるオーダーメイドシステムを採用しているが、新型NSXも同様のシステムになる模様。クラウス氏曰く「オーダーメイド形式の方が顧客の購買意欲をそそるかもしれない」というのが理由だそうだ。気になる価格だが、明言はなかったものの「新型のNSXは、フェラーリと同レベルの車をポルシェ911と同じ価格帯で提供する」とコメントした。

初代NSXは発売の初年度に最も売り上げを伸ばし、トータルの販売対数は8年間で1万8,685台。その中でも最も人気があった色はブラックではなくフォーミュラ・レッドで、その数は5,000台以上だったという。気になる新型の生産台数だが「希少価値を高めつつ、需要に見合った供給」を約束するそうだ。

生産中止から10年以上が経った現在も人気の衰えないNSXが再び市場に現れるのが今から待ち遠しい限りだ。

By Michael Harley
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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