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「小さなメルセデス」といえば、1980年代の「190」シリーズが強く印象に残っているという人は多いだろう。その後継車として登場した「Cクラス」にも当然その流れを汲むことを期待したが、モデルチェンジの度に他のプレミアムドイツ車と同様、ボディサイズがどんどん大きくなっていった。1998年から2010年にかけて販売されていた背の高い初代「Aクラス」は、心情的には本当の意味で「小さなメルセデス」とは考えられなかったし、そもそも米国には輸入されていない。とにかく我々は、小さくてプレミアムでセクシーなセダンを切望していたのだ。そんな時に届いたのが「CLAクラス」が誕生するというニュースだ。

メルセデス・ベンツは先月開催されたジュネーブモーターショーで市販版のCLAクラスを公開した。CLAの原型は、2012年の北京モーターショーで発表された「コンセプト・スタイル・クーペ」だ。我々は1月のデトロイトオートショーの前夜祭で、一夜限りで披露されたCLAを見ることができたのだが、今回は試乗する機会に恵まれたので、その詳細をお伝えしよう。

CLAは「Coupe Light A-Class(クーペ・ライト・Aクラス)」の頭文字。4ドアクーペというスタイルを確立した「CLSクラス」の流れを汲んでおり、"CLSの弟分"とも呼ばれるが、シンプルにAクラスの派生車種だと思ってほしい。4月から欧州市場で販売が開始され、BMWから新たに登場する「2シリーズ グランクーペ」とアウディの新型セダン「A3」が競合になる。その他、日本をはじめとして、韓国、米国のプレミアムカーのライバルも多く、復活したボルボ「V40」も肩を並べることになるので、今回の試乗は興味深いものになるだろう。
















ガソリンエンジンモデルは4モデルあり、1.6リッター直4ターボの「CLA180」、「CLA180 ブルーエフィシェンシー」、「CLA200」と2.0リッター直4ターボの「CLA250」が用意されているが、米国では最上級グレードのCLA250しか販売されない。しかも、このモデルに組み合わされるのは、7G-DCTと呼ばれる7速デュアルクラッチATのみで、マニュアルがないのは残念だ(他のモデルは6速MTが標準で、7速DCTはオプション)。日本への導入モデルや販売価格は未発表なので参考までだが、米国でのCLA250の販売価格は、前輪駆動モデルが30,825ドル(約288万円)で、メルセデス・ベンツ独自の4輪駆動システム「4マチック」を備えたモデルは、約33,500ドル(約313万円)となっている。

米国仕様のCLA250には、ローダウンされたスポーツサスペンションが標準で装着されると聞いていたので、我々はスポーツサスペンションを組み合わせた前輪駆動モデルに試乗した。

この「CLA250 Sport」のインテリアは、発売後1年間の限定生産モデル「エディション1」とほとんど同じ仕様になっている。「ネオンアート」と呼ばれる専用インテリアが特徴的で、スポーツシートはレザーをまとい、黄色のステッチがあしらわれている。ダッシュボードとコンソールの表面は合成皮革仕上げだ(インテリアの写真は冒頭の小さい写真をクリックしてギャラリーから確認していただきたい)。エクステリアには、ブラックで塗装されたAMGの18インチアルミホイールやスポーツサスペンション、AMGのフロント/リアエプロンとサイドシル、バイキセノン・ヘッドライトなどが組み合わされる。マニュアルシフトとクラッチペダルがあったら、実によく合うと思うのだが...。





























今回の試乗場所は南フランス。スピードを出しやすい田舎の丘陵地帯だ。我々取材班は、この場所でまずスポーツサスペンションのチューニングを検証した。スポーツサスは標準モデルに比べ、車高がフロントで20mm、リアで15mm低くなる。電動パワーステアリングとステアリングギア比を舵角に応じて変化させる「ダイレクトステアリング」のシステムが備わっているので、フランスのワインディングロードを300km以上走行しても安定した走りができるだろうと、我々は気楽に構えていた。

走り込まれた古い路面では、ランフラットタイヤを介してすぐにロードノイズが生まれた。装着タイヤは、エディション1に標準装備の18インチ225/40、コンチネンタル製「ContiSportContact5(コンチ・スポーツコンタクト・ファイブ)」だ。中速から高速での走行はとても楽しかったが、低速で走っている時に路面の不整やマンホールなどの出っ張りに乗り上げるたび、突き上げ感があった。スポーツサスペンションを好んで選ぶ人にとっては良いのかもしれないが、これが標準設定となると得策ではないと感じた。

メルセデスのコンパクトカー部門のプロジェクトリーダー、ハンス=ゲオルク・エンゲル氏がこの問題に関して率直に答えてくれた。どうやらサスペンションの仕様については変更も検討されており、標準装着されるスポーツサスペンションの他にコンフォートサスペンションも選ぶことができるようにするか、あるいはコンフォートサスを標準としてスポーツサスはオプションのスポーツパッケージの一部とする可能性もあるらしい。



また、エンゲル氏はCLAのルックスの良さはその低いプロポーションにあるので、米国での販売開始までに、コンフォートダンパーとショートストローク化したスポーツスプリングを組み合わせるというモデルも生まれる可能性があると教えてくれた。大きな変更になるだろうが、我々はこの案に大賛成だ。その他の希望として、オプションのアダプティブサスペンションをもうちょっとシンプルな形にしてはどうかとエンゲル氏に提案したところ、非常にはっきりと同意してくれた。ただし、CLAの価格を押し上げてCクラスと競合しなければの話だが。

話を試乗に戻そう。ヘアピンカーブのある広い道路に出ると、このサスペンションのチューニングによってレンガのように硬い18インチのタイヤでも、秀逸でスムーズな走りを見せた。スロットルを開いてコーナーを抜ける間、アンダーステアは最小だったし、ウェイトトランスファー(荷重移動)の具合も良かった。それに、厄介なトルクステアを感じることもなかった。Cクラスセダンよりも38mm長く、若干ワイドで、60mm短いホイールベースと僅かに狭いトレッドはAクラスと共通であることを考えると、このサスペンションのチューニングは安心できるものだった。またほぼ同じ装備の「C250 Sport」セダンに比べると約70kg軽いことが、ダイナミックな走りに一役買っている。

電動パワーステアリングシステムは日本のジェイテクト製だ。走行条件が頻繁に変化する場面では、システムの制御に気付くことはほとんどなかった。しかし、カーブのR(半径)が一定または小さくなっていくような長いカーブでは、瞬間的に細かく何度も制御を再調整しているのが目立った。そのため、操舵角に滑らかさや一定感が欠けていると感じた。



「M270」型と呼ばれる再設計された横置きの2.0リッター4気筒エンジンには、最大ブースト圧14.5psiを生み出すICSI製のターボチャージャーが組み合わされている。エンジンの最高出力は2.0リッターターボとしては一般的な208hp(211ps)だが、1,200~4,000rpmの間で発生する最大トルクは35.7kgmもある。小型のメルセデス・ベンツ向けガソリンエンジンの開発責任者であるギド・ヴェント氏が、アクセルを床まで踏み込んでギアをキックダウンさせると、公にはされていないがオーバーブーストの効果が得られると教えてくれた。キックダウンさせると、さらに約13hpの出力と2.1kgmのトルクが一時的に加わるという。

追い越し時にこのオーバーブーストの効果を試すと、ミドルレンジでもかなりぐいぐいとボディが引っ張られていくという感じだった。メルセデスによると、CLA250 Sportの0-60mphは、6.5秒以下で、最高速は149mph(約240km/h)だという。燃費は、1.8リッターターボのC250 Sportよりも約5%向上し、市街地で約23mpg(約9.8km/ℓ)、高速道路で33mpg(約14.0km/ℓ)ということだ。

トランスミッションに関しては、やはり我々は7G-DCTに惚れ込めなかった。デュアルクラッチは完ぺきと言っていいほど良かった。しかし、「スポーツ」または「マニュアル」モードに切り替えて走ると、この試乗段階の制御プログラムでは、トランスミッションに負荷がかかり過ぎているのではと思うことが度々あった。また、マニュアルモードでは高回転をもっと維持できるようになればとも感じた。メルセデスによると現在、ラインナップ全体で、7G-DCTのスポーツモード時の変速アクションをもっと機敏にするように取り組んでいるという。




コンチネンタルのタイヤから発せられるロードノイズは大きかったが、欧州仕様の「CLA180 ブルーエフィシェンシー」の空気抵抗係数(Cd値)は、量産モデルとして世界最高水準の0.22を実現している。その他のCLAモデルでも、0.23とわずかに上回っているだけだ。我々は、90年代に生産されたGMの電気自動車「EV1」(0.19)以来となるような"空を切って走る"という体験をした。空力のエキスパート、パトリック・ヘーファー氏は「どんなクルマでもトランクを設ければ、乱気流はかなり小さくなる」と話す。メルセデスのデザイナー、エンジニア、空力のエキスパートたちは、他のクラス以上にCLAの空力性能の研究に時間をつぎ込んだそうだ。ちなみに、ハッチバックのAクラスのCd値はベースモデルで0.27、ブルーエフィシェンシーモデルだと0.26になる。Aクラスと比べてCLAの数値が飛躍的に良くなっているのがお分かりだろう。実際に走ってみて、CLAのキャビンの外側で風切音はほとんどしなかった。

空力性能を徹底的に追求した結果として、CLAのフォルムが出来上がったことに我々は納得している。すでに我々はAクラスの走りを楽しんでいるが、CLAにトランクが加わったことによる変化は全て満足のいくものだ。ただし、リアフェンダー、テールライト、トランクリッドといったリアエンドのパネルが丸みを帯びているところは、あまり好きになれなかった。リアのコーナー部分は、個々に見ればエレガントだが、総合的に見るとその他の部分ほど洗練された仕上がりではない。一番の問題は、エアロダイナミクスを最適化するためにトランクリッドを膨らませたことだ。また、トランクリッドと一体になったダックテール状のカーブしたリップスポイラーもCLAのずば抜けて優秀なCd値0.23を得るには必要だったのだろう。だが、なんだかんだ言っても、CLAのプロポーションは魅力的だ。



CLAのキャビンはモデル全体でスポーティ感を強調しているが、我々が試乗したスポーツ仕様のモデルでは特にそれが感じられた。後席のヘッドルームはCクラスのセダンと比べて少し窮屈だが、我慢できる範囲内だ。キャビン内でスポーティなエグゾーストノートを聴きたかったが、それは今後に期待するとしよう。トランクの容量はCクラスセダンより若干多い470ℓで、リアシートの背もたれを前に倒してトランクスルーもできるので長尺物も積み込める。

メルセデス・ベンツは小型でプレミアム感があり楽しく扱えるセダン、CLAを生み出した。試乗してみて、我々は現在開催中のニューヨーク国際オートショーでデビューした高性能モデル「CLA45 AMG」に一段と興味を持った。CLAの販売台数を伸ばすためのより包括的なサスペンション戦略や、電動パワーステアリングとダイレクトステアリングの操舵フィールの改良、7G-DCTをもっと洗練させ、ドライバーの意のままに機敏な変速を実現するといった改善がCLA45 AMGに反映されている。こうした改善がAMGバッジをつけていないCLAモデルにも施されたら、コンパクトセダンのセグメントで大成功するだろう。

CLAは並外れた品質、大きな志、新鮮な外観を持つとてもスタイリッシュな小型セダンで、世界的に確立されたメルセデスブランドのイメージにピッタリ合うクルマだ。それこそ、メルセデスが伝えたいCLAのメッセージの本質だろう。

【基本情報】
エンジン:2.0リッター直列4気筒ターボ
パワー:最高出力208hp/最大トルク35.7kgm
トランスミッション:7速DCT 0-60mph:6.5秒(推定)
最高速:149mph(約240km/h)
駆動方式:前輪駆動 車体重量:1,480kg
座席数:2+3 荷室容量:470ℓ
燃費:市街地23mpg(約9.8km/ℓ)、高速道路33mpg(約14.0km/ℓ)
メーカー希望小売価格:30,825ドル(約288万円)から

By Matt Davis
翻訳:日本映像翻訳アカデミー
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