フォルクスワーゲンは、2013年3月14日に本社のあるドイツ・ウォルフスブルグにて同社初のEVである「e-up!」を発売することを発表した。2013年秋にドイツで開催されるフランクフルトモーターショーにて、ショープレミアムを行うと共に発売を開始するとのことだ。


2009年にフランクフルトモーターショーで発表されたコンセプトカーの「e-up!」。市販された「up!」に全体的な印象は近いものの、フロントのボンネットラインがビートル風のスタイリングであった。


今回発表された、「e-up!」が左。現在販売されているガソリン車の「up!」が右。フロントバンパーのフォグランプが廃止され曲線的にLEDデイタイム・ランニングライトが配置されたのが特長だ。エンジンを冷やす必要がないEVならではのデザインだろう。


サイドシルのデザインやホイールのデザイン、リアバンパーの意匠に変更が加えられている。15インチのマシンポリッシュされたアルミホイールは2009年に出品されたコンセプトモデルと同様のデザインのまま採用されている点は興味深い。

写真では分かりにくいが、VWのエンブレムがブルー地に変更され、ロゴも「e-up!」専用の仕様になっている。


2009年にフランクフルトモーターショーで発表されたコンセプトカーの「e-up!」では、EVならではの先進的なシフトコントローラーや専用のデジタルメーターパネル、大型モニターなどが装着されていた。


今回発表された、「e-up!」の現地左ハンドルモデルの写真が左。現在販売されているガソリン車の「up!」が右だ。全ター的なデザインは同じだが、インパネ下部やシートのカラーの使い方やが多少違っている。大きな変更点は、メーターパネル、シフト周り、ナビ、エアコン回りが違うようだ。


メータパネルはエンジンの回転数の代わりに、電力の回生状況、使用状況が左に、センターの速度メーターは、「up!」の最高時速表示200kmに対し160kmに抑えられている。「up!」が頂点部分で100kmを表示するのに対し、「e-up!」が80km。EVのタウンコミューターとしては80kmが一番効率的ということだろう。

一番右は燃料系だったものが電気残量系に変更されている。ガソリン同様分数の表示だが、ガソリン給油機マークが、充電ノズル風のデザインに変更されている。


シフトノブは、現在のモデルは「up!」専用デザインが採用されているが、「e-up!」には、「ゴルフ」TSIコンフォートラインに採用されているものと同様のデザインに変更されている。シフトゲートも専用デザインとなり、Dモードの手前にBモードが設定されている。おそらく回生ブレーキを使ったエンジンブレーキのような機能があると思われる。

以前試乗記で紹介した「ゴルフブルーeモーション」にも同様のBモードが設定されており、3段階の回生ブレーキの強さの調整がパドルシフトで調整することができるような仕様になっていたが、このモデルにはパドルシフトが装着されていないようなので、よりシンプルな仕様に仕上げられているようだ。

サイドブレーキとシフトノブブーツのステッチがブルーな点も「e-up!」ならではのカラーリングだろう。


ナビはEVの回生情報などが映し出される機能が装備されるが、写真のモデルは"ガーミン"製のものとなっている。現在国内では"パイオニア"製が装着されており、日本国内へ展開された場合、どちらのモデルになるのかは気になるところだ。

エアコンは、現在の国内モデルではマニュアルエアコンの設定しかないが、エンジンの熱を利用できないEVは、エアコンの効率を最も良く制御しないと航続距離に影響するということでオートエアコンが設定されたのだろう。もちろんエアコンユニットはすべて電気式になる。

「e-up!」の動力性能は、最大出力は60kW(82ps)。0-100km/h 加速は14秒、最高速は135km/hとなっている。ベースの「up!」が55kW(75ps)なので、馬力としてはベースのガソリン車より良い。また、車両重量は900~920kgから、1,185kgへ増加しているが、EVは低速トルクが太いのが一般的なので、出足のよさも期待できる。

気になる航続距離は、アンダーフロアに搭載する18.7kWh のリチウムイオンバッテリーで最大150km(NEDC)。30分で約80%の充電を可能とする急速充電に対応している。 

充電口は、給油口のところに設定されており、オプションでGMやVWが提唱しているコンバインド・チャージング・システム(通称コンボ)の規格の充電口も用意される。日本への導入の際は、チャデモ規格の充電口の設定も期待したいところだ。

EVの欠点は航続距離が短いところ。タウンコミューターとしての「up!」のコンセプトにはぴったりの動力ユニットだと思われる。是非セカンドカーとして買いやすい価格での登場を期待したい。

「up!」公式ページ

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