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MINI「カントリーマン」の2ドアモデル「ペースマン」が、日本では3月2日の"MINIの日"に発売される。今回は、このペースマンの「クーパーS」の試乗レポートをお届けしよう。

まず、筆者が過去に試乗したMINIの感想からお伝えしよう。最高出力215hp(日本の公式HPでは218ps。以降、カッコ内を日本公式数値とする)のMINI「カントリーマン(日本名:クロスオーバー)」ジョン・クーパー・ワークス(JCW)仕様は、JCW仕様に本来備わっているはずの"楽しさ"を堪能できたとは言えなかった。残念ながらカントリーマンでは、JCWのバッジを背負うにしては、車重が重過ぎる上に、足回りがソフトすぎる。

MINI「クラブマン」は、見た目は変わっているが、現行のMINIのラインアップの中では一番いいと思う。しかし、MINIブランドの主力車という位置づけになることはできないだろう。

さて、今回ご紹介する「ペースマン」だ。全長は4115mm以上(4125mm)とカントリーマンよりわずかに長いが、ホイールベースとトレッドは全く同じだ。全高はカントリーマンより約40mm低くなり、そのうちの約10mm分は標準装備されたスポーツ・サスペンションによるものだ。サイズは共通点も多いが、そのスタイリングはカントリーマンとは全く違うものとなっている。


1996年(日本では1994年)に発売された、トヨタ「RAV4」の2ドアモデルのようなコンパクトSUVは、愛車にスタイリッシュさを求める人たちには、きっと人気となるだろう。MINIはペースマンのカテゴリーを"スポーツ・アクティビティ・クーペ(SAC)"と呼んでいるが、乗り込むたびにフロント席のシートベルトはかけづらく、後部座席には乗り込みにくいという"クーペ"のお約束ごとを実感する。だが決してMINIのイメージとは合わないモデルとはなっていない。それはペースマンを"クロスオーバー風"に仕上げているからだ。

ペースマンを眺めていると、現在のクロスオーバー市場で、特にその外観で(実用性はともかく)流行の先頭に立っているランドローバーの「レンジローバーイヴォーク」との類似点を感じる。ペースマンを横から見ると、イヴォークと同じようにAピラーからCピラーにかけてルーフラインが下がっており、後ろ上がりのショルダーラインが美しいクーペのラインを強調している。金銭的に余裕があり、カッコいいモノが好きな人たちが、より大人っぽいクルマを買うとしたら、このような外観の車を選ぶのではないだろうか。

MINIがデザインにこだわりを持つ特定の顧客層をペースマンのターゲットとしているのは明らかだろう。それはこのクルマを2ドアにしたことからもよく分かる。スポーツ・サスペンションを標準装備にしたこともその戦略の一つだろう。価格についても、カントリーマンの同グレードで比べるとペースマンの方が1,500ドル(約14万円)ほど高い。一見根拠のないプレミアム価格を払うのは、きっと私たちがオーガニック食品に少し高いお金を出すのと同じことなのだ。しかもこの価格設定の方法は以前BMWが「X6」を販売した時に実際に効果を上げているので、いまさら議論する必要はないのかもしれない。

価格はベースのカントリーマンより少し高いが、筆者はそれでもこのクルマに好感を持っている。ワインディングロードを走らせてみて分かったのは、今までのMINIのラインナップに不足している部分をどう埋めるべきか、MINIがきちんと理解し、その限りあるラインアップを広げるために努力をしてきたということだ。ペースマンは新生MINIファミリーの中でも、先に販売されたクーペやロードスターといったモデルより"しっくり"くるモデルだと感じる。同じピレリ チントゥラート P7 ランフラット・タイヤを装着しながら(クーパーSでは205/55R17 91Vサイズが標準)、カントリーマンよりも俊敏に走れるペースマンが登場したことで、発売当初は批判されたカントリーマン(現在、MINIの世界販売台数の30%以上を占めている)の存在がMINIにとって必要不可欠だったのかもしれないと思えるほどだ。クーペのようなクルマは使い方も限られたものになってしまうと分かってはいる。しかしMINIが今まで提案してきたモデルを、それぞれのクルマが持つ実用性という点から改めて見ると、納得がいく。


ペースマンのラゲージ・スペースの容量は、リアシートを立てた状態で330リットル。リアシートを倒せば、収納容量1,080リットルとなる。いたって普通のサイズだが、使い勝手がよくシンプルで、荷物を積み込む際の高さや広さがちょうどいい。MINIは今回独立式リアシートを採用し、シートを完全にセパレートにしているので定員は4人。後部座席に乗り込んで広さを確認してみたが、身長188cmくらいまでの人なら足元と頭上に余裕があるはずだ。筆者は、カントリーマンが発売当初に後部座席に採用していた中央を貫くセンターレール(ペースマンの日本での販売時は、2セクション式のセンターレールが標準仕様)を配置した独立式のシートがあまり好きになれなかった。カントリーマンは結局、マイナーチェンジで3人掛けのベンチシートが標準になった(2人掛けも無料で選択可)が、そのうちペースマンでも同じように変更されることを期待している。インテリアで特にいいと思ったのは、パワーウインドウのスイッチの位置がセンターコンソールから運転席側のドアのアームレストへと移動したことだ。この変更はマイナーチェンジされた2013年型のカントリーマンにも採用されている。

ペースマンは、カントリーマンと比べてスタイリングも向上しているが、それにも増して"本来MINIとはどのように走るクルマか"という原点に立ち戻っている点がいい。プレスの発表でMINIが繰り返し言っていたほど"ゴーカート"という印象は強くないのだが、それでも十分満足だ。クーパーS ペースマンは、カントリーマンのクーパーSより約7kgしか軽くなっていないが、コンセプトを変更し、低重心にしたことによってその俊敏さを大きく増している。ちなみに、我々が試乗したクーパーSは約1374kgだが、6速AT車はこれより約25kg重くなる。(重さについては全て原文通り。日本の公式HPではカントリーマンとペースマンのクーパーSの車両重量は同じで、MT車が1,370kg、AT車は1,390kg)


アダプティブサスペンションは装備されていないが、ペースマンの足回りはスポーティーさと日常使いの間のちょうどよいバランスで設定されており、好感触だ。追加料金なしでスポーツ・サスペンションをノーマル・サスペンションに変えることも可能で、その場合は車高が約10mm上がり、乗り心地はよりソフトになる。

オプションで装備可能なスポーツ・ボタンは、センターコンソールの低い位置に配置されている。MT車ではスロットルのレスポンスとステアリングフィールをコントロールする役割を果たし、AT車の場合は、それに加えシフトのタイミングにも影響を与え、よりスポーティーな印象をドライバーに与えてくれる。また、スポーツ・ボタンを使用すると、エキゾーストサウンドもはっきりと分かるほどではないが、わずかに大きくなる。クーパーSに標準装備されているElectronic Differential Lock Control(エレクトロニック・ディファレンシャル・ロック・コントロール)は、スタビリティ・コントロールと連携して作動するシステムで、コーナリング中に内輪が過度にスリップする状況を制御。ホイールごとにブレーキをかけて、カーブや路面状況が不安定な場面での最適なハンドリングをアシストする。ペースマンのようなスポーツ系の前輪駆動車にとってはありがたい機能だ。クーパーS ペースマンにゴーカートの称号を与えるつもりはないが、賞賛に値するくらいの"ゴーカートに近い感覚は持っている"と言える。

クーパーS ペースマンの1.6リッター4気筒ターボ・エンジンは、同じエンジンを積むカントリーマン クーパーSよりもその性能を発揮していると言える。最大出力は5,500回転で181hp(184ps)、最大トルクは1,600から5,000回転で24.5kgmを発揮する。追い越しをする時にはアクセルを急激に踏み込めば、オーバーブースト機能が働いてトルクは26.5kgmまで上がる。何から何まで(特にMT車は)スムーズで満足感があり、ペースマンはまさしく、MINIの名にふさわしいクルマだ。これはとてもいいことだと思う。0-100km/hは、MT車で7.5秒をマーク。最高速は135mph(217km/h)に達する。燃費もMT車の方がAT車より17%(日本の公式HPでは約15%)も優れているので、筆者としてはやはりMT車をお勧めしたい。

今回、日本で発売となるペースマンのラインアップは、前輪駆動の「クーパー ペースマン」、「クーパーS ペースマン」、そして4輪駆動の「クーパーS ペースマンALL4」だ。いずれ発売されるだろうJCW仕様も本当に楽しみだ(カントリーマンより期待できる)し、MINI本来のモデルからするとちょっと横道にそれてしまった感のあるクーペとロードスターの後に、このペースマンが加わるのはうれしい限りだ。カントリーマンより高く設定された価格については疑問が残るところだが、MINIを買うということは、"必要だから"というより、"欲しいから"と考えると、あまり気にすることではないのかもしれない。

【基本情報】
エンジン:1.6リッター直噴直列4気筒ツイン・スクロール・ターボ・エンジン
最高出力:181hp(135kw(184ps)/5,500 rpm)
トランスミッション:6速MT、6速AT
0-100km/h:MT車7.5秒、AT車7.8秒
最高速:135mph(MT車217km/h、AT車212km/h)
駆動方式:FF
車両重量:1,374kg(MT車1,370kg、AT車1,390kg)
定員:4名 ラゲージ・スペース:330〜1,080リットル
車両本体価格:362万円(AT車は375万円)

By Matt Davis
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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