【試乗記】「ヒュンダイや起亜は足元にも及ばない!」 トヨタ「カムリハイブリッド」
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著者が住んでいるアメリカでは、数あるアイスクリームのフレーバーの中で一番人気はバニラである。ところが、何かを評価するときに「バニラ」という言葉を使うと、その人気とは裏腹に、褒め言葉にはならない。「フツーでしょ」「平凡だ」という意味になる。試乗記で突然アイスクリームの話とは何事かと思われるかもしれないが、トヨタ「カムリ」は全米で一番売れているミッドサイズセダンにも関わらず、「バニラだ」と言われ続けてきた車だ。しかし、ハイブリッドシナジードライブを採用した2013年型「カムリハイブリッド」は、今までのカムリのイメージを払しょくするだろう。スーパーカーのように派手ではないが、それが試乗した上での感想だ。



カムリハイブリッドについて具体的に話を進める前に、もう一つだけ例え話をさせてもらいたい。どんなに良い素材であっても、シェフの腕前が悪ければ、素材の良さが損なわれてしまう。トヨタはカムリハイブリッドで、その腕の良さを見せつけたと言えるだろう。

まずデザインだが、一見したところ、今までのカムリと同じように見える。フロント寄りに"HYBRID"というプレートが加わったぐらいだろうか。目ざとい人は、専用の17インチタイヤとホイールに気が付くかもしれないが、外見上は、その程度の変更しか加えられていない。



しかし、カムリハイブリッドのインテリアには他のカムリとの違いが見られる。まず、ハイブリッドならではの情報を表示するメーター類。そして標準モデルで使われている木目調加飾は姿を消し、代わりに独自の表面加工が施された樹脂製トリムが採用されている。また、シートの色はアイボリーまたは明るいグレーを基調としている(汚れが目立ちやすいのが気になるが)。また、ガソリン車のV6モデルと同様に、外部の騒音を遮断するアコースティックガラスが採用されている。今回、我々が試乗したカムリハイブリッドにはJBL GreenEdgeサウンドシステムが搭載されていたが、これは従来までのカムリのオーディオシステムと変わらず、耳障りな音質なのが気になった。このオーディオシステムは、なぜかデジタルラジオよりもアナログラジオ方がいくらかいい音になる。標準装備ではないのが救いかもしれない。 また、オプションで、カーナビ機能がついているトヨタのマルチメディアシステム、エンチューンを搭載することも可能だ。エンチューンは、フォードのMyFord Touchを意識したもので、組み込まれているアプリケーションを使って、レストラン予約や映画チケットの購入からニュース、天気予報、交通情報、株価までチェックできるという。これらの操作は、すべてフロントパネルにある6.1インチの液晶モニターで行える。装備されているエアバッグが10個というのは悪くない。また、Bピラーやロッカーパネルには高張力鋼板を使用している。ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)や横滑りを抑制するVSCなどの安全装備も標準装備。レーダーを利用し車線変更をアシストするブラインドスポットモニターは、ハイグレードのXLEモデルにオプションで取り付け可能だ。



エンチューンは、クライスラーのUconnectやフォードのあまり評判の良くないMyFord Touchと比べてみても、使い勝手がいいとは言えないが、すぐに慣れて使いこなせるようになるだろう。ただし、オーディオシステムだけは、わざとではないかと思うほど、最低の音質だ。インテリアの他の部分は、従来のカムリと同じような印象だった。シートは座り心地よくサポートも十分。ただ、ダッシュボードの上部にステッチは垢ぬけない印象だ。室内は広く、トランクも244ボルトのハイブリッドバッテリーパックが配置されているにも関わらず、前モデルのカムリハイブリッドより容量が2.1立方フィート(約59リッター)増えている。

カムリハイブリッドのドライビングは、ものすごくハイテンションになるというものではないが、スロットルを全開にすると、エンジンとモーターが働き、0-60mphで7.6秒という数字を出している。これは直列4気筒エンジンのみを搭載するモデルと3.5リッターV6搭載モデルの中間にあたる。また、低燃費を実現するために、転がり抵抗を低減したタイヤを採用している。スピードを出してスリリングなコーナリングを試したが、特別にコメントするような内容はない。スポーティーさを追求したモデルではないことが分かっているオーナーなら、トヨタがカムリハイブリッドのために行った妥協(転がり低減タイヤの採用など)は正しいと考えるはずだ。



カムリハイブリッドは、スピードを競い合うような動力性能とはまた別の意味で、素晴らしく高性能なクルマだ。トヨタが開発を続けてきたハイブリッドシナジードライブシステムは、ミッドサイズセダンに最適なメカニズムである。我々が体験したことがない性能だった。新型のフォード「フュージョン ハイブリッド」が、カムリハイブリッドの技術に追い付こうとチャレンジしているがまだこのレベルには及んでいないし、ヒュンダイ起亜は足元にも及ばない。それぐらい、カムリハイブリッドが実現したモーターとガソリンエンジンの切り替えの滑らかさは際立っている。また、エンジンの停止、スタートの振動もほとんど感じなかった。

ガソリンエンジンは、膨張比率を高めるアトキンソンサイクルの2.5リッター4気筒エンジンを搭載。最大トルクは旧型より増している。さらに、排気ガスを水冷式クーラーによって冷却し、吸気経路に再循環させることで燃焼温度を下げ、NOxを低減する「クールEGRシステム」を採用している。また、ハイブリッドシナジードライブシステムは、トランスアクスルの低フリクション化、モーター制御技術の向上によって、以前のものよりさらに低燃費を実現させている。トヨタはエンジンとモーターを合わせた最高出力を200hpと見積もっている。これは車両総重量を約3500ポンド(約1588kg)以下という軽さに抑えていることを考えれば、期待以上の数字である。また、空気抵抗係数は0.27となっている。



さらに環境に配慮した2種類の走行モードが用意されており、モーターのみで走行するEVドライブモードでの走行可能距離は、約1.6マイル(約2.6km)。ただし、途中で登り坂があると自動的にエンジンが始動してしまうことがある。また、室内のエアコンまでコントロールし、燃費の向上に配慮するエコドライブモードを選択した場合は、アクセルなどの(遅い)反応にストレスが感じるだろう。しかし、カムリハイブリッドを運転していてハイブリッド車っぽい印象を受けるのは、ブレーキを踏んだときにだけだ。しかし、その点においても、トヨタが開発した回生ブレーキから摩擦ブレーキへの切り替え技術は素晴らしいものだと思う。

ガソリン車のカムリはあらゆる面で普通の車だが、カムリハイブリッドは燃費で普通の車ではないところを示している。アメリカ環境保護庁(EPA)が行ったテストでは、市街地走行で18.28 km/l(43mpg)、高速道路走行の場合は、LE モデルで16.58 km/l (39mpg)、XLEモデルの場合は、16.15~17.00km/l (38~40mpg)となっている。我々が、高速道路で長時間、試乗したところ、16.15 km/l (38mpg)とEPAと同じ数字を出した。ミッドサイズセダンでこの燃費に不満を感じるなら、選択肢はディーゼルエンジンを搭載したフォルクスワーゲン「パサート」くらいだろう。

全米一の売上を誇るカムリの名前を冠し、低燃費を見事なまでに実現した車、それがカムリハイブリッドだ。カムリのモデル内だけでなく、ミッドサイズセダンの中でも際立ったポジションを確立していくはずだ。

【基本情報】
エンジン: 2.5リッター直列4気筒エンジン/105kW交流同期モーター
パワー: 200hp
トランスミッション: CVT(無段変速トランスミッション)
0-60mph: 7.9秒 駆動方式: 前輪駆動
車両重量: 3500ポンド
座席数: 2+3
トランクルーム容量: 13.1立方フィート(約371リットル)
燃費: 43mpg(市街地) 39mpg(高速道路)
メーカー希望小売価格:$25,990から (約240万円)

By Dan Roth
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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