【試乗記】「やっと試乗できた! アメリカ人にとっても魅力的」 トヨタ「86」に乗る
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ようやくサイオン「FR-S」に試乗するチャンスが筆者に巡ってきた。FR-Sはトヨタ「86」の北米仕様車で、トヨタが若年層をターゲットにしたブランド「サイオン」から販売されている。だいぶ前にスパイショットで初めて目にしたときから、私はFR-Sと兄弟車のスバル「BRZ」に乗りたくてうずうずしていた。Autoblog編集部の中には既にFR-SやBRZに試乗したライターたちがいて、私はずっと彼らに嫉妬していたので、FR-Sのキーを渡されたときには本当に舞い上がる思いだった。今回、FR-Sのマニュアル車に試乗したので、その詳細をお伝えしよう。

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FR-SとBRZは共同開発されただけあって双子のようにそっくりだが、並べてみると外観に違いがあることが分かる。BRZはヘッドライトにLEDのポジショニングランプが配されていることや、リアスポイラー付きのグレードがあることなどで、筆者の好みはBRZなのだが、FR-Sも魅力的だ。2011年の ニューヨーク国際オートショーに出展されたコンセプトモデルのデザインが市販モデルに大きく引き継がれており、特になだらかなルーフからすっきりと切り落とされたリアゲートまで流れるラインが美しい。コンセプトモデルが装着していた20インチホイールは市販モデルには継承されなかったが、17インチホイールはよく合っており、程よいアグレッシブ感を漂わせている。ホイールのデザインも悪くはないが、印象に残るようなものではないので、オーナーがカスタマイズするのもいいだろう。



FR-Sの魅力の一つは、やはりボディサイズとプロポーションだ。FR-Sは、米ではマツダ「MX-5ミアータ(日本名:ロードスター)」ヒュンダイ「ジェネシスクーペ」と比較されることが多いが、サイズは両車の中間に位置する。また、ホンダ「シビッククーペ」より279mm短く、25mm幅広で、114mm低い。ずんぐり体型なのにとてもカッコいいスタイリングだ。



室内空間については、FR-SはMX-5ほど窮屈な感じはしないが、ジェネシスクーペほど広くない。頭上スペースに十分なゆとりがあるとは言い難いため、背の高い人はくつろげるという感じではないだろう。また、長い脚を収めようとシートを後ろへスライドさせなければならないとしたら、テレスコピックでステアリングを手前に引き出しても、ステアリングまでの位置が遠すぎて手足が伸びた状態の不格好な姿になってしまう。だが飛び抜けて長身というわけでなければ、FR-Sの室内は手袋のようにぴったりとフィットする。

センターコンソールの各機能はすっきりとレイアウトされている。空調用の3つのダイヤルや絶妙な配置の6速マニュアルのシフトレバー、シフトレバーのすぐ後ろにあるTRC(空転防止装置)の停止ボタンとVSC(横滑り防止装置)のスポーツモードボタンなど必要な装置しか備えられておらず、「このボタンは何のため?」なとど迷うことはない。ただし、FR-Sに標準搭載されるオーディオの設定はかなり複雑で、高音と低音の調節ですら非常に時間がかかってしまう。

2人で乗っていても室内の空間には余裕があり、ロングドライブでも息が詰まる感じはしない。フロントシートは座面のクッション性やサイドサポートの高さがちょうど良く、十分なホールド性を確保している。しかし、リアシートは大人が座るには狭すぎて、ほとんど使い物にならない。



FR-Sは何よりもドライバーが運転する楽しさを堪能するためのクルマだ。2.0リッター4気筒のボクサーエンジンは、203psの最高出力と20.9kgmの最高トルクを6速のマニュアル・トランスミッション、またはオートマチック・トランスミッションを通して後輪に伝える。4気筒VTECエンジンを搭載したホンダ車や、マツダMX-5に乗ったことがある人であれば、FR-Sのエンジンがかなり良いことが分かるだろう。余談になるが、86の最高出力が200psなのに対し、北米仕様のFR-Sは203psとわずかに高い。これは米国でクルマのパワーを表すのに使われている「hp」(1ps=0.9863hp)でも「200」という数字を使いたいという販売戦略からだそうだ。

燃費を気にせず(ちなみに市街地で約9km/ℓ、高速道路で約13km/ℓ)、エンジンの回転数を徹底的に上げてみてほしい。車量1251kgという軽さで203psのパワーに不満があるわけではないが、6400rpmまで引っ張らないと20.9kgmの最高トルクは得られない。そのため低回転域での加速が鈍く、4000rpm未満での走行は理想的とは言えない。頻繁にシフトダウンし、エンジンの回転数を高いままにキープしたほうが楽しく走れるだろう。

シフトチェンジを頻繁にしたほうが楽しいということは、マニュアル・トランスミッションを選んだほうがいいということになるだろう。シフトの操作性はトヨタ車よりもスバルの「WRX STI」に近いので、スバルが6速MTの開発で陣頭に立ったのは明らかだ。ショートストロークのシフトはどのギアに変速しても完ぺきなフィーリングで、クラッチペダルも重すぎずちょうど良い。スロットルのレスポンスも同様に良く、滑らかにパワーが伝えられ、アクセルを踏み込んだ途端に大量のガソリンが流れ込むということにはならない。全てがとても魅力的で非常にいい仕上がりだ。


FR-Sは最強のエンジンを搭載しているわけではないが、試乗を通じて改めて分かったことは、良いクルマを作るために必ずしも大パワーが必要とは限らないということだ。1000馬力のクルマは確かに楽しいが、その大パワーをきちんと路面に伝えられないようでは楽しめない。それにFR-Sは、そもそもパワーではなく、優れたシャシーの開発を最優先としているはずだ。前後重量配分は前53:後47。車を操る楽しさを生み出し、ダイナミックな走りになるようにシャシーは全体的にチューニングされている。舗装の荒れた道路における乗り心地の快適性は妥協されているものの、路面が滑らかなワインディング・ロードでは何の不安もなく楽しめる。

サスペンションはフロントがマクファーソンストラット式で、リアがダブルウィッシュボーン式。前輪と後輪ともにスタビライザー(フロントのバー径は18mmでリアは14mm)が装着されており、乗り心地は硬め。しかし、このチューニングによって車体の傾きが抑えられているし、全輪から伝わるフィードバックは素晴らしい。タイヤはミシュラン製「プライマシーHP」で一般的な夏タイヤを履いているが、グリップ力は十分なレベル。それでいて容易にテールを振ることができるのがまたいい。

最近の主流に乗って、FR-Sにも電動パワーステアリングが採用されている。これまでに多くのトヨタ車を試乗した経験から、我々はトヨタの電動パワーステアリングの設定に不安を感じたのだが、FR-Sに関しては満足のいくものだった。ステアリングは重心の位置が良く、ダイレクトで入力に比例して応答するリニアな操舵感。トヨタのバッジをつけた車種で感じたような"頼りなさ"を感じることはなかった。


FR-Sは、MX-5ほど完璧にバランスが取れていて軽快に振り回せるとは言えないが、しかしその差はごくごく僅か。充分に賞賛に値する。立ち上がりの加速はそれほど良くないが、それはMX-5も同じだ(FR-Sの0-60mphは6.8秒で、MX-5よりも0.3秒速い)。しかし、一旦加速してしまえば、最高の走りを実現する。

2013年型FR-Sの価格は約229万円。トランスミッションやアクセサリーの選択を除いて、FR-Sのグレードは1種類のみだ。レザーシートや、キーレススタート、オーディオディスプレイのグレードアップなどを希望するならば、約257万円の「BRZリミテッド」を選ばなくてはならない。しかし、FR-Sは本当においしいモデルだ。「楽しさ対コスト比」という評価基準があるとすれば、FR-SはFRスポーツカーの中で間違いなくトップに立つ。「手頃な価格で大いに楽しめる」スポーツカーなのだ。

Autoblogで既にお伝えしているが、スバルがBRZに搭載するターボエンジンを開発しているとの情報や、FR-Sにコンバーチブルタイプが加わるというレポートが届いている。自然吸気のFR-Sは素晴らしいが、過給機でもっとパワーを付けたFR-Sも是非乗ってみたいし、筆者はFR-S/BRZのラインナップ拡大に大賛成だ。期待に胸を膨らませて今後誕生するモデルを待っていよう。

【基本情報】
エンジン:2.0リッター水平対向4気筒
パワー:最高出力 203ps/最大トルク 20.9kgm
トランスミッション:6速MT
0-60 mph:6.8秒
駆動方式:後輪駆動
車体重量:1251kg
座席数:2+2
トランクルーム容量:195ℓ 燃費:9km/ℓ(市街地)13km/ℓ(高速道路)
メーカー希望小売価格:229万円(概算)

By Steven J. Ewing
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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