Related Gallery:Honda S2000 Modulo "Climax"


ホンダの純正用品を手掛けるホンダアクセスは、1990年に発売されたFRスポーツカー「S2000」のカスタムカーを「東京オートサロン2013」のホンダ・ブースに出展。「S2000 Modulo "Climax"」と名付けられたこのクルマは、「この先10年愛される、大人のオープン・スポーツ」を提案するものだとか。"なぜ今になってS2000?" "大人のオープン・スポーツ、そのココロは?" デザインを担当された方にお話を聞いて来た。

>>何故今になって...?

Related Gallery:Honda S2000 Modulo "Climax"

 
1999年に発売されたS2000は、ホンダから29年ぶりに誕生したフロントにエンジンを搭載する後輪駆動のスポーツカー。開閉式ソフトトップ・ルーフを持ちながら、クローズドボディと同等以上の剛性をハイXボーンフレーム構造によって実現。「AP1」と呼ばれる初期型では排気量1,997ccから「リッターあたり125馬力」に達する250psを8,300rpmで絞り出す、高回転型自然吸気DOHC直列4気筒VTECエンジンを搭載し、6速マニュアル・ギアボックスのみでATの設定はなし。硬派向け本格スポーツカーとして話題になるが、そのあまりにも尖った性格は乗り手を選び、発売から6年後に排気量を2,156ccに拡大すると同時に最高出力を242psに押さえ、代わりに常用域のトルクを増加させることによって乗りやすさを高めたが、今度は逆に一部の "スポーツカー原理主義者" たちから批判を買ってしまう。結局10年間1度もフルモデルチェンジされることなく、2009年8月に国内累計2万台、全世界累計11万台以上という販売台数をもって生産終了。「NSX」や「ビート」など、ホンダの "傑作90年代スポーツ" の例に漏れず、一代限りで姿を消してしまった。

販売が終わってから4年も経つ今、なぜS2000用のカスタマイズ・パーツを開発するのか。そのデザインを実際に手掛けた担当者の方にお話をうかがった。



なぜ、今頃になってS2000なんですか?

「ご存じのようにS2000は生産終了になって4年経ちます。初期型のAP1ではすでに10年以上経っているわけですよね。その間、大切に乗り続けられているオーナーの方がS2000には大勢いらっしゃるわけです。でも、例えば20代の若い頃に買われた方なら、今は30代、40代になられている。生活環境も、精神的な面でも、最初にS2000を手に入れた頃とは当然変わっていると思うんです。クルマに対する接し方が違っているはず。そこで我々は、大人になったオーナーの方が、この先さらに10年乗りたい、と思えるようなスポーツカーを提案したかった。クルマも、オーナーの気持ちも、この辺で1度リフレッシュさせてみてはいかがだろう、ということです」

大人になったオーナーが乗りたいと思うようなスポーツカーとは?

「若い頃には好きで買ったわけだから、1人でドライビングをストイックに楽しめばよかったけれど、ある程度の年齢になったら、例えば隣に奥様を乗せてドライブを楽しみたいとか、そういう方は多いと思うんですね。ですから、より乗りやすく、扱いやすい、そういう方向性を目指しました」

当初の車両コンセプトを、アフター・パーツのみで変えることはなかなか大変だとは思いますが。

「そうですね。今回はほとんど空力バランスのみでそれをやろうというんですから(笑)」

具体的には? 例えばフロント周りは大きく違っていますね。

「元のS2000は無駄を削ぎ落とした感じですが、このフロント・バンパーは大人のお客様に合わせて若干ふくよかな造形にしてみました。ダウンフォースを高めるというよりも、旋回性に貢献しています」



最初にスケッチを描かれてから、実際に走行テストを経て空力性能も確認されているわけですよね?

「そりゃもう。単にカッコだけという、生半可なものではS2000オーナーに通用しないと思いますし」

最初に描かれたスケッチと比べて、最終的に出来上がったものはどのくらい違っていますか?

「全然違う形になっています(笑)」

それだけ実走行テストで変えていったということですね。

「まず最初は、空力的に効くだろうな、と思う形をデザインしまして、それを発泡スチールなんかで作って、クルマに取り付けてテストコースを走ってみます。それで得られた開発ドライバーの意見やデータを基に、その場でどんどん盛ったり削ったりしながら形を変えていくんです」

最終的な形に決まるまで、どのくらいの日数が掛かりました?

「3週間、掛かりました」

1番苦労された箇所は?

「リア・バンパーですね。もともとS2000のリアはリフトが大きいんです。それを押さえつけようとしたらスポイラーを付けることになるんですが、いかにも後付けっぽい姿には絶対にしたくなかった。自分だったら、そんなもの欲しくないと思うんです。そこでこういう形状にしまして、まずリア・バンパーの中になるべく空気を入れないようにすること。そして入ってしまった空気はちゃんと出す。このパンパーはホイールハウスの奥まで続いていて、空気の流入を防ぐ形状になっています」

シートの背後に装着されたヘッドフェアリングも雰囲気ありますね。

「これは操縦安定性には貢献しなかったんですが、風の巻き込みを防ぐ効果があります。ぶつかった空気が、上手く剥離するように丸くデザインしました。街中でオープンにして快適に乗れるように、ということを考えています」



これらのパーツは、全て市販化を考えていらっしゃるわけですよね?

「まだ具体的には決まっていないのですが、市販化に繋げていきたいですね」

もし製品化されたら、ホンダの販売店で装着してもらえるようになるわけですね。

「そうなるはずです」

価格的には結構な金額になると思うのですが、それはS2000のお客さんは経済的にも余裕があると見越した上で、コスト的にも計算されているわけですか?

「仰る通りです。昨年発売したビート用のアフター・パーツとは、やはりコストや想定価格帯も違いますよね。ただ、現状オーナーの元で大切にされているS2000は約1万台程度と見ていますが、それだけしかない数を相手にするわけですから、市販化に向けてはまだ越えなきゃならないハードルがありますね」

乗ると、誰でもすぐに普通のS2000との違いが分かります?

「間違いなく、分かると思います。かけた金額の分だけ、ちゃんと進化が感じていただけるはずです」

オリジナルのS2000よりもマイルドになっているんでしょうか?

「乗りやすくはなっていますが、でも単純に大人しくなるだけではつまらない。街中では楽に乗れて、"吠えるときには吠える" という(笑)。目指したところはそういう感じです」

ところで、開催前にはホンダから公表された広報用写真を私たちのAutoblogでも掲載させていただいたのですが、あの写真よりも実物は全然カッコイイですね。

「ありがとうございます。あの写真はねえ...。どうしてあんなんなっちゃったのか(笑)。その辺は僕らでコントロールできる部分じゃないので...」

このベースとなっているS2000は、ホンダの方で保存していた車両が提供されたりするんですか?

「いやいや、中古車を我々の方で探したんです。最初は結構酷い状態でしたね(笑)。それを全部バラして、綺麗にしながら1つずつ組み上げて、さらに開発したパーツを装着して出来上がったクルマです」

ちなみに、ご自身が個人的に最も好きなクルマって、何ですか?

「僕個人がですか? えーそれはあそこに飾られていますが(と、向かいのグッドイヤー・ブースを指さして)、コブラですね(下の画像)。実はああいうクラシックなスポーツカーが個人的には好きです」



なるほど、フロント・グリルの造形やシルバーのバンパー・スポイラーなどには、コブラの影響が感じられなくもない。とはいえもちろんこのパーツも単にクラシックな雰囲気を狙ったわけではなく、ちゃんと空力を考えてデザインされたものだそうだ。

インテリアは、長い年月愛用されることで傷みが見られそうなステアリング・ホイールとシフト・ノブ&ブーツを交換。3Dフロア・マットを新調し、シートは内外装のカラーリングに合わせて表皮を張り替えたレカロ社製が装着されている。

車高が10mmローダウンするスポーツ・サスペンションはモデューロ・ブランドから現在も販売中。マフラーはすでに生産終了した製品を装着しているそうだ。



アフター・パーツを専門に手掛けるホンダアクセスの方が「アフター品だけでそこまでやれる、ということがこのクルマで証明できると思います」と自信を見せる、このS2000 Modulo "Climax"。大人になったS2000オーナーの方には、どのように映るだろうか。

なお、東京オートサロン2013のホンダ・ブースで展示されたいくつかのカスタムカーは、1月19日(土)から1月27日(日)まで、東京都港区南青山のホンダ ウエルカムプラザ青山で再展示されるそうだ。もちろんS2000 Modulo "Climax"も見られるので、東京オートサロンで見逃してしまった方、もう一度見たい方は、是非、以下のリンクから開館時間・交通アクセスなどをお確かめの上、足を運んでみてはいかがだろう? 実車は確かに、写真で見るよりずっとカッコイイので。

(お詫び:当初「5速マニュアル・ギアボックス」と表記してしまいましたが、S2000はご存じのように全て6速MT搭載です。申し訳御座いません。お詫びして訂正致します。ご指摘くださった読者の方に感謝致します)

「Honda ウエルカムプラザ青山 TOKYO AUTO SALON 2013 Honda アンコール特別展示」


Related Gallery:Honda S2000 Modulo "Climax"

 
【PR】S2000の購入を考える前に!まずは現在お乗りのクルマの査定価格を調べてみよう!

<関連フォトギャラリー>
Related Gallery:Honda Tokyo Auto Salon 2013

 
Related Gallery:MUGEN Racing N-ONE Concept

 
Related Gallery:Honda Sports Modulo NSX

 
Related Gallery:Honda TS-1X

 
Related Gallery:Honda N BOX Modulo X

 
<人気フォトギャラリー>
Related Gallery:tokyo-autosalon-2013-girls01-01

 
Related Gallery:tokyo-autosalon-2013-girls01-02

 
Related Gallery:tokyo-autosalon-2013-girls01-03

 
Related Gallery:tokyo autosalon 2013 girls 02 01

 
Related Gallery:tokyo autosalon 2013 girls 02 02