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15日から開幕する米デトロイトオートショーで、ワールドプレミアされる新型レクサス「IS」。今回は、開発中のISのプロトタイプを試乗したレポートをお届けしよう。
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筆者が最近のレクサスのラインナップの中で、スポーティーとラグジュアリーのバランスが最も優れていると感じたのは、2012年型レクサス「GS」だ。見た目の良さもさることながら、トヨタの技術であるVGRS(ギア比可変ステアリング)やAVS(アダプティブバリアブルサスペンション)が採用された同車の走りは本格的なスポーツセダンであり、何より運転を楽しめる。

我々は同車の試乗記事の中で、レクサスGSと同様にスポーティーとラグジュアリーを共存させているのはISしかない、と述べた。中でもIS250の6MTモデル(日本未発売。米では2012年型までで、現在は設定なし)は、レクサスの努力と技術が形となった素晴らしいモデルだと断言できる。

あくまで私見だが、レクサスのIS戦略の失敗(この車は世界中でもっと売れていいはずだ)は、BMW「3シリーズ」と本気で競合させようとしなかったことだ。この失敗を取り返すためにも、次期ISは3シリーズ以上に走りの楽しさを追求する必要がある。














チーフエンジニアであるレクサスの古山淳一氏は、ISを「同セグメントの中で走りが一番楽しめるクルマにしたい」という高い目標を掲げた。新型ISが、「ドライバーの入力に忠実」であり「ドライバーの意志に応える」クルマであるべきだということを試乗前に行われたプレゼンの間から強調していたが、これはレクサスのスーパーカー「LFA」を頂点に、「IS F」やISのF SPORTモデルにも共通したテーマだという。

しかし、ISのサイズとウェイトという点から考えても、この目標は結構ハードルが高い。さらに高級で上品というレクサスのブランドイメージも保っていかなければならない。LFAと同じ資金を注ぎ込めれば(より)簡単なことだが、買い手は価格も厳しくチェックしている。さらに、"スポーツセダン"というカテゴリーでは、"スポーツ"という言葉にどんな意味を持たせればいいのかがどれだけ難しいかは、BMW3シリーズを見れば分かるだろう。

次世代IS250とIS350のF SPORTモデルはBMW3シリーズM Sportの前モデルをお手本に、ドライビングダイナミクスとレスポンス、そして運転の楽しさに焦点を当てている。同セグメントの標準モデルの購買層は女性が多い傾向にあるが、カスタムされたF SPORTやM Sportは、男性の購買客が多い。レクサスはこうした顧客をより多く取り込みたいところだろう。















古山淳一氏によれば新型ISの変更点は3つのカテゴリーに分けられる。まずボディとサスペンション、2つ目が運転席まわり、そして3つ目がパワートレインだ。まず、ボディは従来のスポット溶接の打点を増やしたことに加え、新型「LS」にも用いられているレーザースクリューウェルディングという新しい溶接手法を取り入れ、ボディの剛性を高めた。また、ボディパネルとパーツの結合部にはより多くの接着剤を使っている。足回りに関しては、フロント・サスペンションに新しいスタビライザーを装着したことで20%固さが増した。ISのリヤの足回りにはGSと同じサスペンションが採用されており、スプリングとショックアブソーバーが分離式で、トーアームの位置も変わっている。ボディの剛性がアップすればバネレートはその分低くできることになる。ボディ剛性のアップとサスペンションの改良は後輪のグリップ感の向上が目的だが、サスペンションタワーをより小さくでき、トランクルームのスペースも確保できるという相乗効果も得られているという。

足回りだけではなく、ステアリングギアボックスもGSのものを採用。ステアリングフィールが良くなり、ダイレクト感がアップしたことは、ギア比の変更やボールねじの構造変更、ピニオンシャフトの剛性増強など数々の改良の結果でもある。そこにはドライバーに、運転に集中できる環境を提供したいというレクサスの思いが感じられる。

また、新型IS350はIS Fと同様、車両のGセンサーから減速度や旋回力を判断し、コーナリング中の不要なシフトアップを抑制するG AI-SHIFT制御付きの8速スポーツダイレクトシフト(SPDS)を装備。さらに冒頭でも紹介したVGRSやAVSも搭載されている。ちなみに、VGRSとはギア比可変ステアリング、つまり速度によってハンドルの重さが変わる機能で、AVSとは走行状態に応じてショックアブソーバーの減衰力を変化させ、良好な乗り心地と操縦安定性の両立を図るサスペンションシステムのことだ。

ドライブモードについては、IS250には「ECO」、「NORMAL」、「SPORT」の3つのモードがあり、IS350はそれらに「SPORT S+」を加えた4モードだ。SPORTモードではより微細なスロットルの調整ができ、SPORT S+モードに切り替えれば、電動パワーステアリング、VGRS、AVSが、最もアグレッシブな設定となる。



以上が次世代型ISの概要といったところだ。だが変化は内部だけではない。さらに進化を遂げたのがキャビンとシャシーだ。カモフラージュされているため分かりづらいが、スタイリングは現行デザインから刷新されている(明日の記事をチェックしてほしい)。ボディサイズはそれほど大きくなったわけではないが、表情は明らかに豊かになった。

エクステリアに関しては、フロントのスピンドルグリルから紹介しよう。F SPORTモデルのスタイリングや装備はまた違ってくるだろうが、試乗会場で見た250と350にも外見上の違いが見られた。250のフロントバンパー上部は6本の横バーグリル、350はメッシュグリルになっており、どちらのモデルにも違ったバンパーが付いていた(ただし、これは最終決定ではないということだ)。ヘッドライトはすっきりとしたデザインで、クルマのラインから突き出した形になっている。サイドシルは後部へ行くほど幅が増しており、フロントからリヤのホイールアーチまで駆け上がるような立体的なデザイン。正面から見るとそれほど目立たないのだが、光を受けて走行している姿を見るとシルのラインが陰になり、その形がよく分かった。そしてそのラインはホイールアーチを超え、テールランプのカットラインまでつながっている。またホイールアーチの後部にはライトの下部につながる別のラインが現れる。テールランプ自体は現行とほぼ同じで、ただ横に張り出すようにしただけという印象だ。リヤトレッドが広がったのかは今のところは不明だが、リヤのホイールアーチ部分のデザインに関しては、よりパンチが効いている。

また、トランクリッドにリップを付ける代わりに、中央部に向けてスポイラー形状にすぼめたようなデザインを採用。リヤホイールアーチからバンパーの下部に向け描かれたもう一つのラインは、ビルトインのディフューザーのような効果を生む形状になっている。



インテリアはかなり大きく変わっている。シートがより立体的になり、着座位置は20ミリ下がった。天井やフロアの高さは変わっていないため、クルマとの一体感を感じることができる。シートのフィット感も増している。

アームレストはインストルメントパネルとのつながりを感じさせるデザインとなっている。前方部分にはミラーの調整やロック関係のスイッチがまとめられ、平らなアームレスト部へとつながっている。現行モデルのドアには、レクサス独自のデザインフィロソフィー、L-finesse(エル・フィネス)に基づく"うねり"がデザインされていたが、新型はごく普通のものに変わった。

インストルメントパネルは現行車とは全く違う印象で、ウインドシールド側に向かい傾斜が付いたデザインに変わった。また、ダッシュボードの上側にはナビ画面、下側にはスイッチ類を配置。室内温度の調整は、新型では2列に分かれた8つのボタンで操作できるようになっている。またタッチパネルも採用され、バーを指でスライドし、タップすることで温度調整が可能だ。

従来のISの問題点の一つとして、後部座席のレッグスペースが狭いことが話題に挙がることが多いが、次期型ではドライバー席のポジションを身長約183センチの筆者に合わせても、後部座席に座った人間のひざの前には2.5センチの余裕があり、足をフロント席のシートの下に入れれば、さらにスペースが生まれる。車内の頭上高も明らかに高くなった。また、6:4の分割可倒リヤシートが採用されているのはISでは初の試みだ。














ステアリングホイールは、前モデルと直径は同じだが、厚みが増している。左側のステアリングスイッチはモード切り替えや通話、ボイスコマンド用。右側にも円形のセレクトスイッチがあり、その下には"戻る"ボタンと、後述する「F Merer」用のボタンがある。ステアリングホイールの裏側にはパドルシフトが装備されている。

さて、「F Meter」だが、いかにも男性受けしそうな仕掛けだ。インストルメントパネルのワイドスクリーンの中にシングルベゼルゲージが収まっており、それがF Meterと呼ばれるものだ。F Meterが中央にある場合、ゲージ部分にはタコメーターが表示され、センターには速度やギア、その他の補足情報が表れる。またスクリーンの左側には油温が、右側にはガソリンの残量とオドメーター(走行距離)が表示される。ステアリングホイール上のボタンでF Meterを右に動かすと、スクリーンの左側にはガソリンの残量とオドメーター、その間には補足情報が、その上部には気温が表示される。

F Meterの動きを確認する頃に、オートクロスのコースでの試乗が始まった。IS250もIS350も、ブリヂストンのトランザを履いた18インチのアルミホイールを装着していた。タイヤサイズはどちらのグレードもフロントが225/40 R18でリアが255/35R18。レクサスによると、IS250にSPORT S+のモードがないのはコスト面での問題であり、クルマのライフサイクルに合わせて再考する可能性もあるという。250には6速AT、一方350の方には前述の8速SPDSが搭載されている。どちらのクルマもエンジンは新開発のものではないが、室内に心地よいエンジン音が響くように工夫が施されている。

雨が試乗の唯一の障害となった。この試乗はロスアンゼルス(LA)で行われたのだが、LAではここ数日、断続的な雨が降っており、耐水性のないコースは水たまりだらけだった。

























レクサスからは(この時点では)パフォーマンスに関しての数字は発表されていない。しかし、IS250の室内にはエンジン音が心地よく響き、以前より速くなったように感じる。また、SPORTモード時のアクセルの反応が良くなったことと、直線走行でも分かるくらいステアリングのレスポンスが高まっていることも実感できる。ボディとサスペンションの固さは350よりも250のモデルをより引き立てている。ハンドリングと速度に気をつけて走れば現行型以上のパフォーマンスを引き出すことが可能だ。ただ、スラロームエリアでは、新型IS250の6速ATのレスポンスはスポーツセダンとしては少々期待外れだった。とはいえバランスは良いし、しなやかで、きびきびと動き、コーナーではよく曲がり、走っていて楽しかった。

新型IS350は、250よりもはるかに速い。我々はショートランの最後に、IS250の時より10キロ前後速いスピードでオートクロスのコースを走ったが、残念ながらあまり楽しくなかった。なぜなら、アンダーステアが強かったからだ。レクサスの担当者からは、3.5リッターモデルが2.5リッターより約30kg重いことが原因の一つだろうと説明された。クルマ全体の感覚はどっしりした印象で、より安定感がある。しかし350は250に比べ、重すぎるのではないだろうか。レクサスは(この時点で)車両重量を公表しておらず、新型は少し軽くなった、とだけ言っている。真っすぐ進もうとする力が強いので、350で速くコーナーを抜けるには、少しコツが要るかもしれない。

さらに言わせてもらうと、IS350は明らかに足回りが固すぎるし、後輪の動きを制御しきれていない。このクルマは容易にコントロールできる代物ではない。オートクロスで走らせたIS350は、言ってみれば"3シリーズを目指した5シリーズ"とい う印象だ。
















しかしながら、サン・ガブリエルのワインディングロードではどちらのモデルも本来の魅力を発揮し、重量が違うだけという印象だった。IS250はSPORTモード、IS350はSPORT S+モードで走らせるなら、どちらもハンドリングは滑らかで、350のVGRSは見事に仕事をしてくれた。350のコーナリング性能はAVSの効果を得てより高いリミットを引き出していた。タイヤがなるくらいハードに乗ってみても挙動もしっかりしていて、どちらのモデルも進化した走りを見せてくれることが分かった。トラクションコントロールが悪さをする瞬間もあったかもしれないが、走りを妨げるほどではなかった。

試乗が終わってみての感想だが、次期型ではなくやはり現行のIS250が一番だと思う。だが新型の中で選ぶとしたら、IS250を取るだろう。

繰り返しになってしまうが、350は重さと剛性が増し、固くしっかりとしたサスペンションが装備されている。私にとっては、「重さをカバーするために足回りを固めたスポーツセダン」という印象だ。それでも乗り心地はいいのだが、しなやかさでは250のほうが上だった。



プレゼンが終わった時点で、新型ISへの期待が膨らみすぎてしまっていたことは確かだ。全ての入力に忠実に反応し、走りの楽しさを追求した同セグメントの中でトップとなるようなクルマを期待していたのだが少し違ったようだ。

もちろん新型ISは進化している。全ての面においてだ。ISをLFAやIS F、F SPORTと同じように「走りの楽しさを追求したクルマ」と言われなければもっと魅力的と感じたかもしれない。私たちが現行のIS250を新型に比べても良いと思った唯一の理由は、(2012年型までは)MT車ならシフトのコントロールが思い通りにでき、より走る楽しさを実感できたからなのだ。

ISはまだまだ進化できるはずだ。今回、現行車と新型車の違いはそれほどダイナミックには感じられなかった。ドライブモードの違いさえも、今がどのモードなのか、スクリーンを見て表示で確かめるまで分からなかったほどだ。4つのドライビングモードがあれば、ECOモードからSPORT S+モードに切り替えた時に、クルマの限界を感じてみたいと思うのがドライバーの性分だ。レクサスが新型ISをダイナミックスポーツセダンへと変化させようとした試みはいいと思うし、取り入れられている素晴らしい機能がそれぞれ噛み合えばさらに良くなると思う。

オートクロスのコースは濡れていたので色々試せたのだが、ワインディングロードではそれがかなわなかった。現行のISも一緒にワインディングロードを走らせてみて、もっと良く比較してみたいと思った。だが試乗会が終わりに近づいてきたとき、ずっと新型IS350の後部座席に乗っていた人から話を聞くことができた。彼は、後輪の動きが固かったことと、やはりアンダーステアを指摘した。彼のコメントは我々の分析を裏付けるものだ。このクルマは、簡単にタイトなコーナーを駆け抜けていけるスポーツセダンではない。だがオートクロスのコースではなく、公道ではよりいい走りを見せた。350は特にその感が強かった。ほとんどのドライバーは公道を走るのだからそれは良いことだろう。

量産車の発売には間に合わないかもしれないが、チューニングの余地はまだある。レクサスはGSを最高のクルマに仕上げた。だからこそ、我々は彼らがISでもそれを実現できると期待している。 カモフラージュが外された新型ISがいよいよベールを脱ぐデトロイトオートショーまであと少し。それまで楽しみに待っていよう。

【基本情報】
エンジン:2.5リッターV型6気筒/3.5リッターV型6気筒
トランスミッション:6速AT/8速AT
全長:4660mm
車幅:1812mm
ホイールベース:2800mm

By Jonathon Ramsey
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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