テスラの新しい4ドア・セダンEV「モデルS」の発表会で、気になることを訊いて来た!
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EV(電気自動車)ベンチャーのテスラモーターズは10日、アジアで唯一の直営店である東京都南青山のショールームで、今年夏に日本発売を予定している新型EV「モデルS」の展示車を公開。報道向け製品説明会を催した。この機会に色々と気になることを訊いて来たのでご紹介したい。
>>意外なコトも判明!?

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「モデルS」は、テスラモーターズが満を持して市場に投入する電気自動車の4ドア・セダン。EVパワートレインでは業界トップを自負するテスラが、シャシーからボディまでEV専用に設計した車体に、自慢のリチウムイオン・バッテリー・パックと交流誘導モーターを搭載。航続可能距離はトップ・グレードのバッテリーを選べば最大で500km、逆にその半分の250kmでよしとすれば価格は5万9,900ドル(約530万円)から買える。0-100km/h加速は最高グレードの「シグネチャー・パフォーマンス」なら「ポルシェ 911カレラ」を凌ぐ4.6秒。約530万円のエントリー・グレードでも「VW ゴルフ GTI」並みの6.9秒となかなかの俊足。斬新な中身とは対照的に、外観は既存の自動車美学に照らしてみても充分以上に美しいデザインが与えられ、ボンネットの下にエンジンを持たないことから衝突安全性も高く、さらにそのスペースを荷室として使えることで収容能力は同クラスのエンジン車に比べると約2倍にもなるという。もちろん地球温暖化の原因となるCO2は一切出さず、深夜電力で充電すれば100kmの距離を走行するために必要な電気代は僅か153円。日本の各自動車メーカーが幹事として名前を連ねる急速充電方式CHAdeMO(チャデモ)にも、独自開発のアダプタを用意することで対応する。ホイールベースは2,960mmもあり、プロペラシャフトも排気管もないから室内空間はゆとりがあって後部座席の足元もすっきり広々。クルマの機能・設定はほとんど全ての操作が17インチのタッチ・スクリーンのみで行え、インターネットには常時接続。ブラウザやナビゲーション機能が使えるだけでなく、車両に何らかのトラブルがあれば瞬時にテスラモーターズの方に伝わるという。

こうして特徴を挙げてみると、他のEVにはあまり興味を示さないクルマ好きの中にも、テスラだけは気になる、という人が多いことに頷ける。スペックから見れば商品性が高く、感性に訴える面でも魅力がある。実車に触れてみて(走らせていないけれど)それは確かに感じられた。

とは言え、今までにほとんどない種類のクルマだから、色々と気になることも多い。この機会に思い付くまま遠慮なく質問することにした。なお、これは報道向け発表会だから詳しいスタッフが対応してくれた、というわけではない。テスラは全ての販売店がメーカー直営なので、疑問に思ったことを尋ねれば、ショールームでメーカーのプロダクト・スペシャリストと呼ばれる担当者が直接、技術的にかなり突っ込んだ質問に対しても答えてくれる、ということになるのだ。



まずはメインテナンスおよびサービス体制について。何しろ日本では東京都南青山に1カ所、直営店があるだけである。遠方にお住まいの方が購入された場合、東京まで持ち込まなければならないのだろうか?

「今のところそうなりますね。ですが、今後は全国の主要都市にサービス拠点を開設する予定です。そしてメインテナンスについてですが、オイル交換はもちろん必要ありませんし、回生ブレーキのため、パッドの減りも少ないので、それほど頻繁に行う必要がないということも言えると思います」

テスラのクルマでは、アクセルペダルを戻すとモーターが発電機となるため、"エンジン・ブレーキ" ならぬ "モーター・ブレーキ" が強く効く。だから少しの減速が必要なときには、ブレーキを踏むまでもない、ということはつまり、ブレーキ・パッドの消耗も少ない、というわけだ。

また、すでにモデルSの販売が始まっているアメリカでは、他メーカーでもよくある定額メインテナンス・パックのようなサービスが用意されており、それに加入していればタイヤ以外の消耗品は全て無償で交換してくれるという。日本ではまだどうなるか未定だが、これに準じたサービスを用意したい、とのことだった。

それでは故障した場合は?

「テスラは内燃機関を搭載するクルマに比べると、部品点数が約半分です。エンジンもトランスミッションもないので、機械的な故障は遙かに少ないと思われます。問題が起きるとすれば、(電子制御)システムの方ですが、これはステアリング・ホイールのボタンを長押しするとリセットできます。これで(問題が)解消することも多いです。ですが、やはりテスラも機械ですから、故障は避けられません。もしクルマのどこかが故障したら、インターネット回線を通じて瞬時にこちらに情報が伝えられます。ですからすぐにパーツを用意しておけますし、また、もしオーナーの方が出張修理を望まれた場合でも、必要な部品と道具を積んで、お客様の元へ向かうことが出来ます。極端な言い方をすれば、もしクルマに異常が発生したら、オーナーの方が気付くよりも前に私たちは交換パーツを用意しておけるのです(笑)」

モデルSはインターネットに常時接続するとのことですが、回線は?

「アメリカでは3G回線を利用しています」

日本で販売する場合はLTEになる可能性も?

「それも検討しています」

通信キャリア(回線事業者)と契約が必要になるわけですね。

「そうです。それがどのキャリアになるかは、まだ決まっていません」

次は気になるバッテリーの寿命について。

「アメリカでは7年または16万kmの保証が付きます」

それを超えても乗り続けようとしたら、やはりバッテリーの容量は減少して航続距離も短くなってしまいますよね。そうなったらバッテリーは交換できるのですか?

「構造的には交換可能です。ですがそれはメインテナンスのためであり、新品に載せ替えるためというわけではありません。しかしおそらく、将来的にはバッテリーの交換プログラムも用意されることになると思います。ご存じのようにテスラは専用品ではなくノートPCでも使われている18650と呼ばれる汎用バッテリーを採用しています。バッテリーの性能は日々進歩していますし、価格は安くなっています。7年後、この汎用バッテリーがどれくらいの価格で、どのくらいの性能になっているか、まだ分かりませんよね(笑)」

現在より遙かに長い航続距離が、実に手頃な価格で可能になる、かも知れない。モデルSを購入する方は、その気になれば長く乗れる(しかも性能は新車状態より上になる!)と思ってもよさそうだ。



モデルSのセンターコンソールには一見 "巨大なタブレット" のような17インチのタッチ・スクリーンがビルトインされており、エアコン、オーディオ、ナビゲーション、ドアやトランクのロック、8way パワー・シート、3段階切り替え式パワー・ステアリング、アクティブ・エア・サスペンションの車高調節(グレードによって装備)など、運転以外はこれでクルマのほとんど全ての操作を行う。操作画面はかなり細かくカスタマイズが可能だそうだ。しかもモデルSにはイグニッション・キーもなければ、電源ボタンもない。ワイヤレス・キーを持ってさえいればドアは開き、シートに腰掛けてブレーキを踏めばインストゥルメント・パネルにメーターが表示される。あとはパーキングを解除し、アクセルを踏めば直ちに走り始めるという。いわゆる「起動時間」はほとんどなし。でも、もしこのタッチ・スクリーンが故障したら?

「まだ、故障したという報告が来たことはありません(笑)」

でも、もし故障したら、自走できるんですか?

「多分、出来ると思います。多くの場合は、リセットすれば問題は解決するはずです」

走行中でもリセットして大丈夫?

「大丈夫です」

このシステムは自社開発ですか?

「OSはUNIXをベースにしていますが、ユーザー・インターフェイスは自社開発です」

これの使い方に関するマニュアル(取扱説明書)は付いてくるんですか?

「付いてきますが、読まなくても1時間くらい触っていればすぐ理解できます(笑)」

ちなみにこのタッチスクリーンは、パソコンのビデオチップで有名なNVIDIA製。カーナビの機能も標準で付いてくるわけですね。

「アメリカではGoogleマップを利用しています。音声案内はテック・パッケージというセット・オプションになります。日本ではまだどうなるか、決まっていません」

ということは、スマートフォンやタブレット並みの経路案内というわけですね。カーナビ専用機のような、至れり尽くせりの高機能は期待できないということになりますか?

「うーん、まあ逆に言えば、スマートフォンのナビゲーションでも、今や充分、という方も多いのではないでしょうか。ソフトウェアのアップデートで機能が向上することもありますし」

画面は大きいから使いやすそうですね。

「マップをメーター・パネルに映すことも可能です。もちろんタッチ・スクリーンよりも画面は小さいですが、目線移動は少なくて済みます」

先ほど起動時間はかからないというお話でしたが、暖機運転みたいなものも必要ないのですか?

「必要ありません」

乗ったらすぐにアクセル全開にしてしまっても大丈夫?

「全然問題ないです」

起動時間が掛からないということは、完全に電源がオフになるわけではなく、いわゆる「スリープ」しているわけですよね。その間の消費電力は?

「ほとんど、電気は消費しません。(バッテリーが充電されていれば)半年くらい放っておいても、すぐに走り出すことが出来ます」

モデルSには、子供2人用の3列目のシートが装備できるというお話でしたが?

「3列目のシートというのは、お子様が後ろ向きに座る折り畳みの補助席ですね。モデルSはこれから型式認定を取得するのですが、日本では後ろ向きに座る、ということが認可されない可能性が高いと思われます」

最後に、最も気になる価格について。日本価格はまだ未定、ということは承知でお訊きします(笑)。アメリカのおける価格は5万9,900ドルから、と発表されていますよね。この数字を、我々日本人も知り得るわけです。当然、その情報を基にして、だいたい幾らくらいになるかな、なんて予想しているわけですよね。そうした上で、いざ日本価格が発表されたとき、"悪い意味でびっくりする" ような値段だった、なんてことになる恐れはないですか?

「アメリカにおける価格はもちろん公表しています。それをご存じの方が日本価格を聞いたとき、"びっくりするような" ことにはならないと思います(笑)。2012年5月、最初にモデルSの価格が発表されたときと現在とでは、為替レートが違っていますよね。そのような為替変動の幅を含めて予め上乗せする、なんていう価格設定にはしたくありません。日本発売の時期に、為替レートがどうなっているか...ですね」

発売時期は今年上期ということでしたが。

「まずは今年の夏に左ハンドルから。右ハンドルは冬になる予定です」



さて、最後に実車に触れてみた感想を。ひと言で言えば、ボディのデザインも、内装も、タッチパネルによる操作系も、写真で見るよりずっと魅力的に思えた。お近くの方は、是非ショールームまで足を運んでみることをお薦めしたい。ただし、その魅力とは、例えば(どことなくスタイルが似ている気もする)アストン・マーティンなど、既存の高級車から感じるものとはちょっと違う気がするのだ。

テスラのユニークな直営店における販売戦略は、アップル出身でアップル・ストアを手掛けたジョージ・ブランケンシップ氏が担当しているという。そしてテスラもアップルも、シリコンバレーに本拠を構えるということもあり、この両社の製品には共通点が感じられる。モデルSに触れたとき、連想したものは同じEVである「日産 リーフ」でもなければ、同クラスの4ドア・セダン「BMW 5シリーズ」でもなく、アップルのiPhoneだった。

アップルから初代iPhoneが登場した時、我々はそれを「携帯電話」として欲しかったわけではなかったはずだ(携帯電話としてみれば、問題も少なくなかった)。「携帯電話としても使えるまったく新しい何か」と捉えた人が真っ先にその魅力を理解したのではなかっただろうか。テスラ モデルSもそれに似ている。クルマ好きの方ならいつでも心の中に(お金のことはさておいて)「欲しいクルマリスト」があると思うが、テスラ モデルSは、そのリストの上位に名前を書いたら、きっと違和感を覚えるに違いない。フェラーリやポルシェと比較検討して選ぶ「欲しいクルマ」ではなく、それらとは別の分野に属する「クルマとして使えるまったく新しい何か」として、強烈に物欲を刺激する魅力を感じたのだ。

その「携帯電話としても使えるまったく新しい何か」だったiPhoneが、やがて「新しい携帯電話」になり、「当たり前に誰もが使っている携帯電話」になっていったように、モデルSをはじめとするテスラが世の中に送り出すモノも、「新しいクルマ」となり、将来的には「当たり前に人々が乗っているクルマ」になる可能性がある。



テスラにとってモデルSは「ロードスター」に続く第2世代プラットフォームということになる。そして数年後に計画されている第3世代プラットフォームでは、「3万ドルで買えるクルマを作りたい」という。それは4ドア・セダンとクロスオーバー車になる予定だ。

日本の自動車メーカーが「ずっと前から継続して自動車メーカー」であるがゆえに出来ないことでも、ベンチャーであるテスラならやれるということが少なくないのかも知れない。携帯電話機メーカーではないアップルだからこそ、iPhoneが作れたように。

なお、一足先に試乗を済ませたAutoblog USの記者による記事はこちらからご覧いただきたい。
【試乗記】「リーフなどとは比較できない。自動車史に残る1台」 テスラ「モデルS」

モデルSについて、技術的な説明は以前書かせていただいたこちらの記事をどうぞ。
テスラ、最初からEVとして設計された新型セダン「モデルS」のシャシーを披露!
 
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