フォルクスワーゲンは8日、2013年のWRC(世界ラリー選手権)に参戦するラリーカー「ポロR WRC」とそしてもう1台、その "公道用市販モデル" とも言える「ポロR WRC ストリート」をモナコで発表した。

Related Gallery:Eton Boostsolar

 
2011年の正式発表以来、WRC参戦に向けて準備を整えてきたフォルクスワーゲンが投入するラリー用マシン、それが市販小型ハッチバック「ポロ」をベースにしたポロR WRCだ。ボンネットの中に収まるエンジンは、WTCC(世界ツーリングカー選手権)等とも共通の「グローバル・レース・コンセプト」規格に基づく排気量1.6リッター直列4気筒直噴ターボ。最高出力は315psを発生するというが、装着が義務づけられるエア・リストリクターによって約300馬力に制限される。電気制御系統には "仕掛け" が用意されているそうで、ドライバーがアクセル・ペダルから足を戻しても、エキゾーストで燃焼させたガスをターボに送り込んでタービンの回転を維持することが出来るという。いわゆるミス・ファイヤリング・システムとかアンチ・ラグ・システムと呼ばれる機構だが、フォルクスワーゲンではこのシステムが作動したときに聞こえる音から、単に「バンバン(Bang Bang)」と呼んだりするそうだ。6速シーケンシャル・トランスミッションと前および後車軸にそれぞれ備わる機械式ディファレンシャルを介して4輪を駆動する。



シャシーは市販車のポロと共通だが、前後フェンダー、ドア、ボンネット、テールゲートはカーボンファイバーとケブラーで製作した軽量なものに交換され、ワイドに拡げられたボディはレギュレーションによって定められている全幅いっぱいの1,820mmに達するという。4輪駆動システムを搭載するにも関わらず、車両重量は僅か1,200kg。これもレギュレーションで規定されている最低重量だ。

車内からはもちろん競技に不要な装備を全て取り外し、重量配分を適正化するためにドライバーとコ・ドライバーのシートをBピラーの位置まで後退させている。ステアリング・ホイールのすぐ横には油圧式ハンドブレーキが備わる。



この日発表されたドライバーは、2011年シーズンにシトロエンで5勝を挙げ、今年はポロR WRCの開発に携わってきたセバスチャン・オジェと、今季フォードで2勝したヤリ=マティ・ラトバラが同等待遇、つまりいわゆる "ジョイント・ナンバーワン" 体制で2013年WRCに臨むという。そしてIRC(インターコンチネンタル・ラリー選手権)で2年連続チャンピオンとなったフォルクスワーゲン・ジュニア・ドライバーのアンドレアス・ミケルセンが第4戦からサード・ドライバーとして参戦する予定だ。


Related Gallery:Eton Rugged Rukus

 
さて、そしてこの日モナコで発表されたもう1台、「ポロR WRC ストリート」についてだが、これは名前がコンセプトを表す通り、ポロR WRCのイメージと高性能を一般公道用市販車として受け継ぐモデル。今年5月にドイツで開催された「GTIミーティング」で参考出品されたこともあるが、カラーリングなどに若干の変更が加えられたようだ。

その特徴は、開口部の大きなフロント・グリルの両サイドにブレーキ冷却用エアインテークが開けられたフロント・バンパーや、大型ルーフ・スポイラー、リア・ディフューザー、マルチ・スポークの18インチ・アロイ・ホイール(実はスポークが1本少ないけれど)、ブルー/グレーのワークスカラー・ストライプといったWRCマシン譲りの外観だけではなく、ポロ・シリーズ最大の排気量2.0リッター直列4気筒直噴ターボTSIエンジンを搭載すること。同じ排気量のエンジンを積む兄貴分「ゴルフGTI」さえも上回る220psの最高出力と、「ゴルフR」すら凌ぐ35.7kgmという最大トルクを発揮し、ショート・シフトのマニュアル・ギアボックスを介して(残念ながらラリーカーとは異なり)前輪のみを駆動する。最高速度は243km/h、0-100km/h6.4秒と発表されている。ちなみにポロGTIはそれぞれ225km/hと6.9秒。ゴルフGTIは240km/hと6.9秒だ。



低められたサスペンションはロールを抑え、「レーシング・スポーツのハンドリングをストリートに持ち込んだ」という専用チューニング。16インチのディスク・ブレーキに組み合わされる青く塗られたキャリパーが高性能をアピールする。インテリアでは、センター部分にグレーのアルカンターラを採用したスポーツ・シートを装備。WRCの文字が刺繍され、シルバーとブルーのスティッチが施されている。ブラック・アルカンターラで巻かれたステアリング・ホイールにはクリスタル・グレーのセンター・ポジション・マーキングが入るそうだ(写真では見えないが)。



この小さくても(かなり)速いポロR WRC ストリートは、2,500台の限定生産モデルとして、ヨーロッパでは2012年12月11日に受注が開始されるという。最初の納車はずいぶん先の2013年9月になる予定。ということは2013シーズンも後半、全13戦中少なくとも9戦は終了しているわけで、その頃にはすでにポロR WRCの戦績、つまり成否・出来不出来が大方はっきりしていることだろう。予約しながら納車を待つファンは、"チーム関係者" の1人として応援に力が入るに違いない。デビュー戦は1月15日から20日にかけて開催される伝統のラリー・モンテカルロだ。

ポロGTIが2ペダルのDSGのみとなり、ゴルフGTIがずいぶん立派なサイズになってしまった今日この頃。日本でもこんなフォルクスワーゲンが欲かった、と思っている人は多いのではないだろうか。わずか2,500台のうち、日本市場にどれだけの台数が割り当てられるか、気になるところである。


Related Gallery:Eton Boostsolar

 
Related Gallery:Eton Rugged Rukus

 
【PR】京商のスロットカー「Dslot43」をセットでAutoblog読者にプレゼント!
【PR】フォルクスワーゲンの購入を考える前に!まずは現在お乗りのクルマの査定価格を調べてみよう!

<関連フォトギャラリー>
Related Gallery:Mopar Muscle

 
Related Gallery:Adventure World on Facebook

 
Related Gallery:

 
Related Gallery:2012 Chrysler Ypsilon

 
Related Gallery:Detroit 2010: Chevrolet Aveo RS Concept

 
<人気フォトギャラリー>
Related Gallery:Kia Picanto

 
Related Gallery:Speed Racer (Meteoro)

 
Related Gallery:Chevrolet Aveo (tres puertas)

 
Related Gallery:Cadillac XLR-V 2007

 
Related Gallery: