小林可夢偉、来季の活動資金をファンから募る「KAMUI SUPPORT」募金サイトを開設!
現在F1に参戦している唯一の日本人ドライバーである小林可夢偉選手が、来季の活動資金をファンから募るという「KAMUI SUPPORT」募金というものを開始した。

例えばプロ野球の球団が選手と契約を結ぶ場合、「契約金」という金銭が "球団から選手に" 支払われ、その対価として選手は試合に出場する(あるいはそれに備えてトレーニングする)。球団が選手に「試合に出場させてやるから金を払え」と要求するという話は聞いたことがない。なぜなら選手は「プロ」だから。その技能や拘束時間に応じて報酬を得るのがプロである証だ。

だがレーシング・ドライバーの場合、少々事情が異なる。もちろん超一流ドライバーと呼ばれる選手は、チームから年間数十億という契約金をもらい、その対価としてマシンをドライブし、チームのためにポイントを獲得する(そのための努力をする)。他の多くのプロ・スポーツ選手と何ら変わりはない。しかしそれは、現在世界にたったの24人しかいないF1ドライバーの、さらにほんの一握り。多くのドライバーは、逆に "選手からチームに" 金銭を支払って、その対価としてマシンに乗せて "もらう" という状況が現実だ。これを俗にドライバーがチームから「シートを買う」という言い方をする。あるいは「持参金を持ち込む」とも言う。



2009年にトヨタがF1から撤退して以来、小林可夢偉はシートを "買わなくても" 与えられていた数少ないドライバーの1人だった。それがプロのドライバーとして当然、という自負も本人の中にあっただろう。しかし可夢偉が現在所属するザウバー・チームは11月23日、2013年のレギュラー・ドライバーとしてエステバン・グティエレスを起用すると発表。すでに10月には、フォース・インディアからニコ・ヒュルケンベルグが移籍することが決まっていたから、来季のザウバー・チームに、可夢偉が座るシートはない、ということが決定的となった。

他のチーム、それも来季少なくともザウバーと同等以上の戦闘力を持つマシンが用意できそうなチームには、可夢偉を「持参金なしで」乗せてくれるところがない。だがどうやら、"それ" 次第によっては "買えそう" なシートはあるらしいのだ。もちろん、それは通常、個人で払える額ではない(払えるような超大金持ちもいることはいたが)。だからドライバーは、「持参金」を肩代わりして支払ってくれる「スポンサー」を見付けなければならない。



日本経済の景気がよい時代なら、そんなスポンサー料を「企業イメージや知名度を高めるための宣伝費」として支払ってくれる企業も多かった。だが現在、というよりもここ数年ほどは、(地上波で放映もされない)F1のスポンサーになっても、それに見合うだけの宣伝効果が得られない、と判断する企業がほとんどだろう。今やF1マシンの車体から、日本企業のロゴはほぼ見られなくなってしまった。

ところがそんな事情は、お国によって異なる。例えばメキシコあたりでは、企業がF1ドライバーにスポンサー料を支払い、F1のボディや彼のレーシング・スーツにロゴが貼られることが多額の宣伝費に見合う、と判断する会社も少なくないらしい。ドライバーとしての実績では可夢偉の方が上でも、ザウバー・チームが可夢偉ではなくメキシコ人のグティエレス(下の画像:左)と契約を結んだことにはそんな理由がある。



もちろん可夢偉もいくつかの企業とスポンサー契約について現在交渉を続けているそうだ。だがそれがあまり捗捗しくないらしい。企業の目的は利潤の追求。しかし現在の可夢偉は、来季どのチームのマシンに乗れるか確定していない。つまりスポンサー料=宣伝費を払っても、その効果が読めないのだ。例えばTV番組のスポンサーとなる場合、その番組がどんな内容で何時から放映されてその間に何本のCMが流れるか、それが「未定です」と言われて契約する企業はあまりないだろう。今の可夢偉はそんな状態に近い。

しかし個人である「ファン」なら違う。利潤の追求や株主に対する責任ではなく、「夢」のために投資することが可能だ。「KAMUI SUPPORT」募金は、そんなファンの想いを、現実的で実効性の高い「資金」という「力」に替え、来季のシートを獲得を目指す「仕組み」である。



これまでF1の歴史で、例えば1991年の日本GP、コローニというチームは日本人ドライバーの服部尚貴選手をドライバーに起用し、F1ファンから1口2万円という「個人スポンサー」を募ったことがある。その対価として、個人スポンサーとなった人たちにはチームのグッズが送られ、マシンの車体には彼ら全員の名前が(ごく小さな字で)描かれた。

だが今回の「KAMUI SUPPORT」は、そんな個人スポンサーではなく、あくまでも募金。「車体に名前を描くことが約束される」というような、契約はない。また、この募金によって集められた資金で、果たして可夢偉が来季のF1に出場できるのかどうか、それすらも今はまだ定かではない。ただ、1口1万円以上の募金をした人には、特製リストバンドが送付されるそうだ。

それを腕に巻いて、来季も可夢偉がF1で活躍する姿を見ることがご自身の夢でもあると感じられるなら、是非文末にご紹介するリンクから公式サイトをご覧いただきたい。



かつてF1を目指していたある日本のトップ・レーシング・ドライバーは、レース前のサーキットで中堅F1チームのマシンに乗り「テスト」と呼ばれる数周の練習走行をするだけで、それまで彼がレーシング・ドライバーとしてのキャリアで稼いだ収入総額以上の「シート代」を要求されたそうだ。また、1992年にF1世界チャンピオンとなったナイジェル・マンセルは、若かりし頃、レースを続けるために家や家財道具を全て売り払って活動資金を捻出したという。あのスターリング・モスでさえ、自己資金でマセラティからF1マシンを購入してレース出場を続けた時代もある。



ひとたびF1ドライバーとしてデビューする幸運に恵まれ、世界中にその実力を示す機会を与えられたにも関わらず、ファンからの「募金」に頼るという考え方には疑問を感じるという方もいらっしゃるだろう。あるいは、可夢偉が表彰台に上がる姿を見ることが自分の人生の活力にもなり、そのためには少しでも何かをしたい、と思われていた方にとっては、直接その想いを届けられる嬉しいアイディアかも知れない。賛否ありそうな「KAMUI SUPPORT」募金については、いずれにせよ以下のリンクから公式サイトをご覧になった上でご判断いただければと思う。

「KAMUI SUPPORT」募金ご協力のご案内


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Image Credit: Sauber Motorsport AG
 
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