【試乗記事】「小さなメーカーから生まれた奇跡の車!」 マツダ新型「アテンザ」
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上半期は財政面で厳しい状況にあったマツダだが、下半期はかなり好調のようだ。実際に世界全体での売り上げは12%上昇しており、中でもCX-5は、米では在庫切れのディーラーさえある。2013年度中の操業開始に向けて準備が進むメキシコ工場での生産が始まれば、輸出による円高の影響も減少し、経営面はさらによい状況になるだろう。ちなみにメキシコ工場では、次世代MX-5Miata(日本名:ロードスター)や、2015年にデビューすると言われているマツダとフィアットの共同開発車、アルファ・ロメオ・スパイダーのシャーシも生産されるとみられている。 今回は、そんな上り調子のメーカー、マツダの新型車「マツダ6」(日本名:アテンザ)の試乗に挑んだ。
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【試乗記事】「小さなメーカーから生まれた奇跡の車!」 マツダ新型「アテンザ」

まず、外見から見ていこう。2014年型マツダ6の外観は、Dセグメントの中で絶対的にカッコいいと言える。いや、セグメントを超えて、美しい車だと断言できるモデルだ。

マツダは2010年に、「魂動(こどう)-Soul of Motion-強く、美しい、生命感あふれる動きの探求」をテーマとしたコンセプトカー「靱(SHINARI)」を発表した。続く昨年の東京モーターショーでは、靱(SHINARI)のデザインをベースに、男性的な力強さなどをイメージしたコンセプトカー「雄(TAKERI)」を発表。この当時マツダは、新型マツダ6のデザインは、雄(TAKERI)に近いものになると話していた。いま、筆者の目の前にあるマツダ6の姿が、靱(SHINARI)と雄(TAKERI)のコンセプトを受け継いでいることは明白だ。男性的で力強い印象を与えるフェイス、流れるようなラインのボンネット、印象的なショルダーライン、そしてボンネットの長さを強調するためにAピラーの付け根から100mm後方に取り付けられたドアミラーなどからそれが分かる。

ヘッドランプには、LEDの光源とリング状の導光レンズを組み合わせた「発光シグネチャー」が採用されている。発光シグネチャーがマツダの量産車に採用されたのは初めてのことだ。このヘッドランプは、なぜか筆者には、しっかりとこちらを見つめているような"顔"に見え、アニメのキャラクターや、トランスフォーマーシリーズに出てくる正義の陣営、サイバトロンのキャラクターを思い出させる。いずれにしても、このフロントデザインはカッコいいだけでなく、0.26というCD値(それ以上によい数字が出るという話もある)が示すように燃費にも良い効果を発揮している。

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車体後部に話を移そう。実は、後部にはあまりコンセプトカーの影響がないように見える。前方のデザインに比べると後部は地味に見えてしまうのだ。もちろん、格好はいいのだが、印象がマイルドなのである。トランクの広さは、サブトランクを入れて約0.49㎥(490リットル)。トヨタ「カムリ」は0.43㎥(436リットル)、2012年型フォードフュージョンは、0.46㎥(467リットル)なので、マツダ6の方が広い。

ホイールベースについても触れておこう。ホイールベースは2830mmと旧型の2789mmよりも長くなっている。気になるライバル車はというと、カムリ、日産「アルティマ」が両車とも2766mm、アコードが2799mmで、マツダ6が1番長い。

新型マツダ6には、マツダのキャッチフレーズとなっている「走る歓び」と「優れた環境・安全性能」を実現するための「SKYACTIV TECHNOLOGY(スカイアクティブ テクノロジー)」が存分に使われている。この技術には、大幅な軽量化も含まれており、旧型より20%多く使用されているハイテン鋼板(高張力鋼板)、サイズダウンした省エネタイプであるエアコン、重量を軽くしたフロントガラス。さらに、チタン製ボルトまで使用されている。安全性を高めた上に軽量化したマツダ6のボディは、「SKYACTIV TECHNOLOGY(スカイアクティブ テクノロジー)」そのものと言ってもいいだろう。

ところで、いま運転しているヨーロッパ仕様のセダンは、2.5リッターのガソリンエンジン、オートマティック、そしてi-ELOOPと呼ばれる減速エネルギー回生システムが付いていて総重量は1357kg。旧型に比べると約153kgの軽減にとどまるのだが、新型はねじれ剛性が30%以上増加している。
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それでは、もう少し具体的に2014年型マツダ6の数字をお伝えしよう。全長は4860mmなのだが、旧型と比べると約59mm短い。2012年型アコードよりは約86mm短く、カムリより約58mm、2012年型「フュージョン」より約23mm長くなっている。都会的雰囲気のキャビン内のサイズは、他車と比較するとミリ単位で狭いが、後部のレッグスペースはほんの数ミリ長くなっている。

わずかながら競合車にひけをとった数字もあるが、これらを見るかぎり、大した差ではないことは分かるだろう。しかし、主観的意見を述べるなら、2014年型マツダ6のキャビンは、フォードフュージョンと並んでミッドサイズセダンの中でベストと言えるだろう。その理由を少しお伝えしよう。ミッドサイズセダンの競合他車、そして旧型にも共通していたキャビンは、コンソールボックスが金属で縁取られ、フロント部分全体に水平に金属が使用されているデザインが主流だった。しかし、新型マツダ6はコンソールボックスの高めの位置にインストゥルメント・パネルが設置され、その部分の水平ラインを強調するように上下にメタルが2本入っている。このラインは、ダークメタルかガンメタルになるのだが、ツマミの縁取りに使用されているアルミ風の素材、そして、テクスチャーや光沢のある黒地のダッシュボードによく合うスポーティーでスッキリとした印象に仕上がっているのだ。

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ダッシュボード上部とアームレストはソフトタッチのプラスチック製だ。黒いスイッチ類は旧型と同じく周囲にメタルが使用されているが、今回はこの部分にフルーティングが施されており、よりスタイリッシュになっている。温度調節機の黒いガラスのスクリーンは、機能とその外観がフォルクスワーゲンのものを思い出させる。シフトボックス、ドアハンドルやパワーウィンドボタン、ステアリングスポークは、光沢のあるアルミ風メタルでトリムされている。実は、ステアリング・ホイールのサイズ自体は小さいのだが、太さがあり、レザーでカバーされているので握りやすい。

ステアリング・ホイールの後に控えるメーターには、特別なところはない。左にタコメーター、中央にはスピードメーター、右端のディスプレイではガソリンや、クルーズコントロール、i-ELOOP(アイ・イーループ) などの情報が確認出来る。表示ライトは白色のLEDが使用されている。

快適性と安全性をより追求したフロントシートは、スポーツシートで、カーブでもしっかりと体を支えてくれ、ヒーテッド機能もある。運転席は8段階のアジャストが可能。最初に乗ったときは、少しボルスターが小さく感じたが、すぐに慣れ、体にフィットした。今回、運転席でも助手席でも長い時間を過ごしたが、何の問題もなく、ただ「快適」のひと言だった。シートのカラーは黒1色のもの、または全体が白でサイドが黒というコンビの2タイプがある。

リアシートは広々としていて、座り心地もフロントと変わらない。6:4分割可倒式になっており、フロントを倒せば、シートはほぼ水平になるので、長距離ドライブ時の仮眠にも好都合だ。購入時にオプションとしてマツダが枕もつけてくれたら文句なしだ。「ついでに」と言っては何だが、座席を倒してみたら、天井もリアシート用のライトもなかなかよいということが分かった。

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キャビンで1つがっかりしたのはタッチスクリーンだ。スクリーンの大きさがたったの5.8インチで、これは10月中旬から日本でも発売になったスマートフォン、サムソン「Galaxy Note2」のディスプレイ5.5インチと大差ない。旧型よりもセンター・コンソールの高い位置に設置されているのだが、太めのプラスチックの枠が余計にサイズの小ささを強調してしまっている。この枠組みを無くせば、もっと大きいサイズのスクリーンを取り付けられるはずだと考えてしまう。

新型マツダ6は、ヨーロッパでは5タイプのエンジンが用意されているが、我々が試乗したのはSkyActiv-Gの最高出力188ps、最大トルク25.5kgの2.5リッター。このモデルは、6速ATかマニュアルが選択できる。試乗車(AT)の0-100km/hは7.8秒で、最高速は時速222km。エンジンの圧縮比は13対1。ここで特筆すべきは、ここまで高い圧縮比でありながら、レギュラーガソリンを使用できることだろう。これは購入を考えている人にはうれしいポイントとなるはずだ。

ヨーロッパ仕様には、アイドリングストップシステム「i-stop(アイ・ストップ)」と減速時のエネルギーを回収して利用するi-ELOOP(アイ・イーループ)が標準装備されている。今年からアメリカでもオプション装備出来るようになるという。(ちなみに日本では、標準装備)。i-ELOOPは、マツダ独自のエネルギー回生システムのことで、システムの重量は全体で10kg。燃費に反映しているのは間違いないのだろうが、ブレーキング時も妙な違和感はなかった。

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さて、2014年型マツダ6のおさらいをしてみよう。まず、ハンドリングは最高だった。もし、このミッドセダンの市場に多くのライバル車がいなければ、手放しでマツダ6を絶賛するのだが、他のライバル車もチェックした後にしたいので、この場ではひとまずお預けとする。しかし、新型マツダ6が、まるでドライバーの気持ちを知っているかのように走り、まさに「人馬一体」という言葉にピッタリな車であることは間違いがない。

ところで、ここのところ筆者は週に2、3回の頻度で、ミッドサイズセダンについて記事を書いているのだが、2014年型マツダ6に比べると大抵の車は2倍のパワーがある。しかし、「大きなパワーが有れば、運転が楽しいと言えるのか」という疑問の答えをマツダ6は教えてくれた。

このように感じたのには、アクセルペダルの反応の良さだろう。マツダ6はオルガン式ペダルを採用しており、旧型と比べ、驚くほど踏み込みに対する反応がよくなっている。ペダルを踏み込み時速44kmを過ぎると、素晴らしいタイミングでエンジン音がうなりだす。購入を考えてマツダ6のハンドルを握った人はかなり心が揺さぶられるだろう。

2.5リッターのエンジンを不満と感じたこともなく、また、室内のアルミ風装飾をいやらしく感じたりもしなかった。キックダウン・スイッチはペダルの踏み込みが95%以上になると働くようになっていて、スムーズに追い越しができた。1日中運転していて、もっとパワーがあったらと思うことは1度もなかった。

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さて、今回試乗を行ったフランスの田舎道についてだが、路面は常に凹凸があり、マカダム舗装になっているからか、時々びしびしと小石がボディに当たってうるさかった。本当のことを言えばこのような道は試乗に適していない。

こういった道ではサスペンションの性能が試される。マツダ6のサスペンションの性能は旧型よりも素晴らしく良くなっている。フロントはマクファーソンストラット式サスペンション、リアはマルチリンク式サスペンションとなっていて旧型よりも、高い位置に取り付けられ、軸も新しくなっている。重量も軽くなっているということだ。このサスペンションのおかげで、高速も田舎道でのドライブも常に安定感があった。

次に、電動式パワーステアリング。これも問題ない。念のため付け加えるが、今回いっしょに試乗した同僚は電動式パワステが好みではないのだが、それでもマツダ6のものは「悪くない」とコメントした。何度も言うようだが、今回試乗を行った道路は一般道のようにスムーズではなく、感触を公平に判断するのには向いていないのだが、ステアリングに問題は感じられなかった。ミアータ(ロードスター)のようなスポーツカーに慣れている人にとっては、最初は違和感を覚えるかもしれないが、慣れれば正確に反応してくれることが分かる。

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狭い裏道でスピードを出して走っても、ぶれる感じはなかった。敢えて悪い点を探すなら、信号待ちなどでi-stopによりエンジンが止まり、再始動するときにボディが若干シェイクする点だろう。

ここで知らせておきたいことがある。我々が運転したのはヨーロッパ仕様で、夏用タイヤを装着したものである。アメリカ市場用は、オールシーズンタイヤを装着しサスペンションの微調整が行われると考えられるので、今回試乗したものと全く同じものではない可能性がある。大きな変化ではないと期待しているが...。

ところで、マツダ6というモデル名は極めてシンプルなのだが、搭載されているシステムの名前は、かなり複雑で頭文字がいっぱいである。例えば、i-ACTIVESENSE(アイ・アクティブセンス)だが、これはミリ波レーダー(76GHz)と準ミリ波レーダー(24GHz)、カメラ、赤外線レーダーでドライバーをサポートし、事故のリスクを最大限に回避するシステム。そして、マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)やスマート・ブレーキ・サポート(SBS)。SBSは、前車との距離が近くなりすぎると、まず3.5インチのマルチインフォメーション・ディスプレイに「ブレーキ」と警告を表示し、時速15km以上の走行時にさらに車間距離が短くなると自動で軽くブレーキをかける。これに加えて、時速30kmから40kmでの走行中の接近では、さらに強いブレーキをかけるというものだ。さらに、ルームミラー前方のカメラで路面の白線を認識し、車両がラインを踏み越えそうだと判断すると、メーターからブザー音でドライバーに警告する車線逸脱警報システム(LDWA)や左右後方レーンからの接近車両を知らせる後側方障害物警報システム、リアビークルモニタリングシステム(RVM)、急ブレーキを踏んだ時に作動するエマージェンシー・シグナル・システム(EBS)、ハイビームでの走行時に対向車へのヘッドランプや先行車のテールランプなどを識別、検出すると自動的にロービームに切り替えるハイビーム・コントロール・システム(HBS)などなど、わけが分からなくなるぐらいの頭文字のオンパレードなのだが、これはドライバー思いのシステムが満載ということでもある。

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もう1つのマツダ6の頭文字を紹介するとしたら「OMG」、つまりオー・マイ・ゴッドだ。広島の小さな会社がとんでもなく素晴らしい仕事をしている。そして、このマツダ6はなかなかいいサウンドを出す。後姿は少し残念な感じだが、前から見たデザインはカッコいいし、車内のデザインもいい。ただし、インフォメーション・ディスプレイのサイズが小さいのは残念だ。トランクも十分なスペースがあるとは言えない。 しかし、1日中運転をしていて乗り心地は極めて快適だった。電動式パワーステアリングも安定している。と言う具合にいくらでもいいところを伝えることが出来るが、切りがないので、このくらいにしておこう。

2014年型マツダ6はヨーロッパでは年内、アメリカでは年明け早々に発売される。ちなみに日本での発売も年内開始の予定だ。ボディカラーは8つ。ソウルレッドプレミアムメタリックを初め、ブルーリフレックスマイカ、メテオグレーマイカ、そしてジェットブラックマイカだ。これらの色は「魂動(Kodo)」のコンセプトの象徴的色といえよう。この他に、ストーミーブルーマイカ、アルミニウムメタリック、スノーフレークホワイトパールマイカ、及びソリッドアークティックホワイトがある。ホイールは17インチと19インチからチョイスできる。

我々がこの試乗記用の写真を撮っているとフランス人の男性が寄って来て「マツダはあんまり有名じゃないけど、この車はすごくきれいな車だね」と言った。確かにそうだ。

基本情報

エンジン:2.5リッター直列4シリンダー
パワー:最高出力188ps、最大トルク3250rpm
トランスミッション:6速オートマティック
0-100km/h:7.8秒(100km/h)
トップスピード:222km/h
駆動方式:前輪駆動
総重量:1357kg
座席数:2+3
トランクルーム容量:490リットル(含むサブトランク)
燃費:回答無し
メーカー希望小売価格:回答無し

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By Jonathon Ramsey
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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