アルピーヌとケータハム、共同でスポーツカー開発・製造を行う新会社を設立!
ルノーケータハム・グループは5日、共同でスポーツカーの開発・製造を行うための合弁会社「アルピーヌ・ケータハム」を設立すると発表。その名前に掲げられた2つのブランドからDNAを受け継ぐ新しいスポーツカーを、3〜4年以内に完成させる計画であることを明らかにした。

ルノーといえば、傘下に収める日産やダチアなどのグループ企業も入れると世界第3位の新車販売台数実績を誇るフランスの自動車会社として知られているが、実は昔からモータースポーツにもご執心。1906年にフランスのル・マンで開催された「第1回グランプリ」で優勝を飾った...とそこまで歴史を遡らなくとも、過去35年の間にはF1で9度のドライバーズ・タイトルと10度のコンストラクターズ・タイトルを獲得。他にも世界ラリー選手権ル・マン24時間レースなどの有名なモータースポーツ・イベントで多くの勝利を収め、現在も「フォーミュラ・ルノー」のようなシングルシーターから、「ルノー・スポール」の名を冠する市販車のスポーツ・モデルまで、幅広く手掛けている企業だ。



そんなルノーの、かつてはスポーツ部門として知られた「アルピーヌ」は、以前ご紹介したように、ルノーと関わりが深いレーシング・ドライバー、ジャン・レデレが創立したスポーツカー&レースカー・ビルダー。世界ラリー選手権初代チャンピオン・マシンとして有名な「A110」は今なおエンスージァストの熱い視線を集める傑作スポーツカーであるし、ルノー傘下としてル・マン24時間レースに挑んだ「A442B」は1978年に総合優勝を獲得している。ルノーがF1に参戦するために「ルノー・スポール」を設立したときにも、その本拠地はアルピーヌの本社と工場があるフランス・ディエップに置かれ、市販スポーツ・モデルやモータースポーツの表舞台からアルピーヌの名前が消えてしまった後も、ルノー・スポールの実働部隊として活動を続けていたことは、フランス車マニアの方ならご存じの通りだ。



その伝説的なアルピーヌ・ブランドを、ルノーが復活させようとしているという話が聞こえてきたのは今年に入ってから。5月にはあのA110の面影を受け継ぐ(と彼らは言う)「A110-50」(下の画像)というコンセプトカーまで作り上げ、アルピーヌの名前を世間に想い出してもらおうと画策する動きに出た。これが世のスポーツカー好きたちから歓迎されたらしく、いよいよルノーは本格的に市販モデルとしてのアルピーヌ復活に取り組むことを決意する。だがその際、独自に開発・生産を行うのではなく、技術とリスクを分かち合えるパートナーを探すことにし、その相手としてケータハムの名前が噂に上っていたことも、以前お知らせした通りである。その噂は本当だったということが、今回の発表で分かったわけだ。



片やケータハムというメーカーは、1950年代からイギリス・サリー州ケータハムでロータスの販売店を営んでいたグラハム・ニアーンが、1973年に「ロータス・セブン」の製造権と生産設備一式を買い取り、自社ブランドのスポーツカー「ケータハム・セブン」として生産・販売を始めたことに始まる。初期の頃はロータス・セブンの再生産に過ぎなかったが、時代を経るに連れ独自の進化をアグレッシブに遂げていき、今では形こそトラディショナルなセブンに似ているが、中身はまったく別物のモンスター、という過激なモデルの方が人気を博している。2011年にはマレーシアの実業家トニー・フェルナンデスに買収され、彼が所有していたF1チームにその名前が付けられることになった。そのエンジンを今シーズンから供給しているのがルノー・スポール、というご縁である。



ルノーのコンポーネントを使ってスポーツカーを作り始めたフランスのアルピーヌと、ロータスのスポーツカーを再生産することからスポーツカーを作り始めたイギリスのケータハム。"ベース車" のパワートレインによりエンジン搭載位置こそ違うが、「軽量さ」に重点を置く手法など共通点は多く見られ、"相性" は良さそうだ。過去に築かれた神話性ではアルピーヌに分があるけれど、現在でも一線級のライトウエイト・スポーツカーに拘って作り続けているケータハムの方が実際的なノウハウに長けている見込みがある。いずれにせよ、どちらにとっても悪い相手ではないように思える。



ブランド復活の打ち上げ花火と市場リサーチという役目を負っていたA110-50は、持ち合わせのレーシングカーに発表済みコンセプトカーのボディ・デザインを組み合わせて作られた(だけの)サーキット専用車だったが、今後市販される "アルピーヌ・ケータハム " は、それとはまったく異なる性格のモデルになる。その詳細についてはまだ明らかになっていないが、「アルピーヌとケータハムという2つの尊敬に値するブランドのDNAを受け継ぎ、両社のスタッフが持つ情熱と専門知識を注ぎ込んだプロジェクトになる」と新会社のベルナール・オリビエCEOは語っている。

また、ケータハム側の発表では「ケータハムのDNAである "分かりやすい楽しさ" を、新しい経済成長が見込める市場に向けて提供する」「まったく新しいエブリディ・スポーツカー(毎日乗れるスポーツカー)」になるというから楽しみだ(セブンとも全然違うらしい)。その開発にはルノーやルノー・スポール、ケータハム・カーズだけでなく、ケータハム F1チームや、ケータハム・テクノロジー&イノベーション、ケータハム・コンポジットというケータハム・グループの技術力や設備も使われるとのこと。ちなみにケータハム・テクノロジー・センターは、もともとトヨタ車専門モータースポーツ企業「トムス」のイギリス法人「トムスGB」として設立され、その後アウディベントレーのル・マン出場マシンが製作された、それなりに由緒ある場所。それを思うとなかなか感慨深い。



ルノーとケータハムで株式を50%ずつ保有することになる新会社「ソシエテ・デ・オートモビル・アルピーヌ・ケータハム」の中心地は、かつてのアルピーヌ、今はルノー・スポールがあるフランス・ノルマンディ地方のディエップに置かれ、車両の生産もその工場で行われる。この新型スポーツカーズ(複数形)は、アルピーヌとケータハムで明確に差異化される、つまり作り分けされるという。一部の報道に寄れば、それは外観やインテリアの仕立てだけでなく、サスペンションのセットアップなども違ってくるらしい。価格はまだ明らかになっていないが、噂では4万〜5万ユーロ(約410万円〜513万円)程度になるのではないか、と言われている。

イギリス車エンスージァストも、フランス車パッショニな方も、非常に気になるスポーツカーが誕生することになりそうだ。その頃にはイタリアから「アルファ ロメオ 4C」も発売されているはず。価格的にはミドル・クラス、重量ではライト・クラスのスポーツカーが、これから面白くなりそうである。

ギャラリーでは、アルピーヌからルノー・スポールに引き継がれ、そして今度はアルピーヌ・ケータハムとなる伝説的なディエップのファクトリーとそこで生まれた名車達を、是非ご覧いただきたいと思う。


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