【ビデオ&フォト】セルジオ・ピニンファリーナが手掛けたレアなフェラーリ!
フェラーリは10月26日より、地元マラネッロにあるミュージアムにおいて「セルジオ・ピニンファリーナの偉大なるフェラーリたち」展を開催中。とは言ってもイタリアは遠い。そこで会場の様子を伝えるビデオから、いくつか貴重なモデルをご紹介しよう。

ピニンファリーナといえば、1952年以来フェラーリのスタイリングを担当しているイタリアの大手カロッツェリア(設計デザイン・スタジオ&車体製作業者)。セルジオ・ピニンファリーナは創業者バッティスタの息子で、1970年代以降はほとんどのフェラーリを手掛けて来たピニンファリーナにおいて、長い間その指揮を執り続けてきた人物だ。今年7月に85歳で逝去された彼の功績を讃えて開催された今回の展覧会では、ピニンファリーナとフェラーリのコラボレーションによって生まれた代表的なモデルが展示されている。



展示は「ピニンファリーナとレーシング」「ピニンファリーナとグランド・ツアラー」「ピニンファリーナとコンセプトカー」という3つのジャンルに分かれ、1950年代のレースカーからお馴染みの市販スーパー・スポーツカー、そして貴重なコンセプト・モデルまで、その数全部で20台以上。ずらりと並びイタリアン・カー・デザインの真髄を見せてくれる。その中からワンオフで作られた非常に貴重なモデルをご紹介したい。



まずは「PF モデューロ」。1970年のジュネーブ・モーターショーで発表された空飛ぶ円盤のようなこのコンセプトカーは、1960年代後半のミド・エンジン・レースカーの車体を「議論を巻き起こす革新的形状で包んだもの」と説明されている。当時のピニンファリーナが取り組んでいた、「よりシンプルに、そして理想主義的に」というコンセプトを「爆発的に」表現したものとのことだ。その内部には、Can-Am(カナダとアメリカで開催されていたプロトタイプ・レースカー選手権)参戦用に開発された「612P」の、未完のシャシーが使われていると言われている。大阪万博のイタリア館で展示されたことがあるので、ご覧になった方もいらっしゃるのかも。



次は1969年に発表されたユニークなフォーミュラカーのコンセプト・モデル「シグマ グランプリ」。セルジオ・ピニンファリーナがもっとも意識的に取り組んでいたテーマの1つである「安全性」に関して、当時のF1マシンに対する提案を形にしたものだ。フロント・ノーズの両脇からサイドポンツーンに掛けてバンパーが張り出しているため、他車と接触してもタイヤ同士が当たる可能性は低く抑えられている。燃料タンクは多層構造となり、消化剤の通るパイプラインが張り巡らされているという。



そして1989年の東京モーターショーに出展された「ミトス」。当時のフェラーリのフラッグシップ・モデル「テスタロッサ」のシャシーをベースに、低いウインド・シールドを持つオープントップのロードスター・スタイル、イタリア流に言えばバルケッタとしてデザインされたモデルだ。そこに見られるいくつかのモチーフは、後のフェラーリ市販モデルに発展・進化を遂げた形で採用されていることに気付くだろう。フロントとリア、2つのマスがコクピット脇で交差する見事なデザインには今でもファンが多い。



美しいスティール・ブルー・グレーに塗られたクーペは、ベルギー国王レオポルド3世の再婚した妻であるレティ公爵夫人、リリアン・バエルのために特別注文によって製作されたという「330 GTC クーペ・スペチアーレ」。1965年に発表された「330 GTC」をベースに、ピニンファリーナがこのボディを完成させたのは1967年のこと。セルジオが個人的にお気に入りの1台だったそうだ。カバーで覆われたヘッドライトや繊細なフロント・グリル周り、そして「ディーノ」を思わせるリアのスタイルが特徴的。このクルマはリリアンにとって3台目のフェラーリであり、彼女は通常モデルのカスタマイズ・バージョンではなく、まったく違う外観を持つクルマを希望したそうだ(そしてそれにピニンファリーナが応えたということだ)。



最後にご紹介するのは飛び切りレアな4ドアのフェラーリ(と、果たして呼んでもよいものかどうか...)、その名も「ピニン」。ピニンファリーナの創立50周年を記念して製作されたV型12気筒エンジン搭載のラグジュアリーなサルーンだ。このデザインは数ヶ月の市場調査に基づき製作されたもので、市販化も検討されたことがあったそうだが、ブランド・イメージを変えてしまい兼ねない "こういうフェラーリ" を求めていなかったエンツォ・フェラーリの意向によって永久に棚上げされたという。最近流行のシングルフレーム・グリルも、ピニンファリーナが30年以上前に考案していたということか。



創立者バッティスタ存命当時はその右腕として活躍し、経営者としての立場では多くの名デザイナーたちを育てるプロデューサーとしても手腕を振るった。今回公開された展覧会のビデオと合わせて、"セルジオ時代" のピニンファリーナが生み出した数々の名車をギャラリーでご覧いただきたい。
 
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