【レポート】まさに泥仕合! 半世紀ぶりに発見された貴重な「コルベット」の壮絶な所有権争い
1960年のル・マン24時間レースの参戦後に行方が分からなくなっていた、米の大富豪でル・マンにコンストラクター兼ドライバーとして参加していたブリッグス・カニンガムが手がけた「コルベット」。先月の記事で、この貴重なコルベットが約半世紀ぶりに発見されたとお伝えしたが、現在その所有者を巡り法廷闘争が起きている。

"事件"の概要を最初から説明しよう。このコルベットは、今年6月にフロリダ州判事リチャード・カーの未亡人、パメラ・カーの自宅倉庫で発見された。カーの息子、リックは車の存在は知っていたものの、これまでこの車について詳しく調べたことはなかったため、ブリッグス・カニンガムの研究家として名高いラリー・バーマンにカマロの調査を依頼。これが縁となり、リックはバーマンの計らいで、ランス・ミラーという人物と会う。ランスの父親は、米ペンシルバニア州カーライルでクラシックカーのショーや販売を手がけるカーライル・イベンツ社の創業者であり、コルベットの祭典「コルベット・アット・カーライル」を立ち上げたチップ・ミラーだった。

1990年代、チップ・ミラーはコルベット専門レストアラー、ケビン・マッケイとともに、ル・マン参戦後に行方不明となっていた3台のカニンガム・コルベットを探すために私立探偵を雇った。3号車はマッケイが発見したのち復元され、チップの手に渡ったが、この捜索の様子は2011年に発表されたドキュメンタリー映画『The Quest(ザ・クエスト)』で描かれている。その後、2号車も発見され、著名コレクターのブルース・メイヤーが所有したが、どうしても1号車は見つからなかった。チップはそれがよほど心残りだったらしく、「もし1号車が見つかったら、マッケイに所有してほしい」との遺言まで残している。ちなみに、1号車は100万ドル(約7800万円)以上の価値があると言われていた。

話を元に戻そう。リックと知り合ったチップは、今年7月23日にリックから7万5000ドル(約583万円)でコルベットを買い取った。そのわずか3日後、チップはマッケイにコルベットを売却。1号車を探す長い旅は、これでようやく幕を下ろしたかのように思えたが、それはマッケイにとって災難の始まりだった。

というのも、このコルベットを自分のものだと主張する人物が突然、現れたからだ。その人物、ダン・マティス・ジュニアによると、コルベットは70年代後半に父親の車庫から盗まれたもので、名義も自分になっているという。しかし、警察にも当時の盗難届などは見つからなかったという。

コルベットは、8月24日開幕のコルベット・アット・カーライルでお披露目されることになっていたが、マティスは車を押収してほしいと地元警察に要請。だが、コルベットは前日に行われたプライベートイベントに登場した後、展示から引き上げられてしまった。マティスは車両登録証を携え、警察を引き連れて会場に乗り込んだが、車はどこを探しても見当たらず、その所在は現在も不明のままだ。

怒り心頭となったマティスは、なぜかカーライル警察が車を隠したに違いないと主張。そして今月7日に、カーライル郡、マッケイ、ランス・ミラー、ミラーの母親、ミラーのビジネスパートナー、カーライル・イベンツ社というこの車に関わった人物たちを相手取って訴訟を起こした。だが、マティスが訴状を提出する前に、マッケイとミラーはマティスとこの件でマティスに協力していると思われる自動車コレクター、ドメニコ・イドーニに対して訴えを起こしている。

互いを訴える泥仕合に発展した本訴訟はペンシルバニア連邦地裁へ送られ、今月26日に初公判が予定されている。伝説のカニンガム・コルベットの所有権は、最終的に誰に認められるのだろうか? 判決が出次第お伝えするので、ぜひ楽しみに待っていてほしい。

By George Kennedy
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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